ここまでに、『比喩からお呼びのかかったanimal(1)と(2)』で動物を対照にした比喩に少し慣れ親しんでもらいました。
世界で、動物がどのような比喩として使われているのかを日本と比較して見ることで、英語や日本語や生物に少しでも興味が湧いたという諸君が現れたらそれだけで嬉しいのですが…。
今日の問題は、英語の知識だけじゃなく推論する論理力を育みます
さて、今回は「比喩」から「諺」にシフトして楽しんでみましょう。
基本的には、英語の諺などは、教科書で出て来たとか参考書で見かけたぐらいでしかお目にかかることはないですから、知らないのが当たり前です。
「一寸の虫にも五分の魂」を英語で表現しなさいなどという問題が出れば、センスのある人なら考えて英文にすることはできるでしょうが、それがイディオムとして慣習的に言われているフレーズと一致することはまずありませんよね。
ですから、ここでは通常使われているフレーズに対して動物名の部分を穴抜けとした問題としました。
対応する日本語の諺や言い回しも不明ですから、諸君は純粋に文章の流れ、文脈及び動物の特質から論理的に推論して答えを出さなければなりません。
諺自体が気に入ればフレーズごと覚えておけば、今後の教養に役立つでしょうし、会話に使えば一目置かれるかもしれませんので大いに覚えればいいのですが、それだけでは単なる知識に過ぎません。
この問題は、単に英語の知識を学ぶだけの問題ではありません。
論理的に考えればこれしかないという答えを導き出す過程を身に着けることができますから、まさに頭脳にとっては一石二鳥の優れものなんです。
動物が使われる諺たち!【今日の問題】
【問題】
下記のそれぞれのフレーズは、動物が登場する英語のことわざです。
( ) の中に動物名を入れフレーズを完成するとともに、日本語で相当する諺があればその諺を、無ければ、その意味するところを簡潔に説明して下さい。
- When the cat is away, the ( ) will play.
- An ass is but an ( ), though laden with gold.
- Cast not your pearls before ( ).
- The early ( ) catches the worm.
- The ( ) thinks her own bird fairest.
- All his geese are ( ).
- Money makes the ( ) to go.
- What is sauce for ( ) is sauce for gander.
- A living dog is better than a dead ( ).
- The Blacksmith’s ( ) and the Shoemaker’s wife go barefoot.
- As a wolf is like a ( ), so is flatterer like a friends.
- ( ) of a feather flock together.
- Wake not a sleeping ( ).
- He who runs after two ( ) will catch neither.
※lade = load(積み込む)
※sauce = ソース(調味料)
※gander = 雄のガチョウ
※flatterer = flatterする人 = へつらい人、おべっか遣い
ことわざからお呼びのかかったanimal!【解答と解説】
- When the cat is away, the ( mice ) will play.
-
鬼の居ぬ間に心の洗濯
「猫がawayである時に、( )が遊ぶ」ということですから、自ずと「鼠」が思い浮かびますね。
そうなると、耳にしたことがない限り、”mouse”なのか”rat”なのかが迷うところになります。今、大雑把に、”mouse”は可愛くて小さいハツカネズミ、”rat”は薄汚くてでっかいドブネズミというイメージで分類しておきましょう。
でも、分類したとしても、この場合どちらが適しているかは判断がつきませんから、これは実際に慣用句としてどちらが使われているかしか判断基準がありません。
論理を見るテストであれば、私なら”rat”でも正解にするのですが、慣用句としては”mouse”が正解になります。
あとは、”mouse”なのか”mice”なのか?ですが、続く助動詞が”will”ですから、これも判断がつきません。
しかし、普通に考えると猫がawayになって遊び回るのは1匹ではありませんよね。 - An ass is but an ( ass ), though laden with gold.
-
金を積んでもロバはロバ
“is but”できょとんとするかもしれないですが、後続の文章を考えると、「金を背負わせても、ロバは( )」という流れになりますから、論理的には「ロバ」以外の動物が入ってきたら奇妙ですね。
“An ass is but an ass.”という場合の”but”のように、”but”が”only”とか”just”のような意味合いで使われることもあるんですね。
「もっといいものであってもいいのに、(しかし)やっぱりロバだよ」っていうニュアンスとして理解すれば、結構使いどころってあるかもしれませんよ。
あまりいい使い方ではありませんが、「やっぱりバカはバカだな!」なんて日本語で何気なく使ってるのではないでしょうかね。
過去問を一つ一つ丁寧にこなすことは合格には必須。
ただ数をこなすことだけにとらわれていると、決して合格力は身に着きません。
日常的に正しく勉強さえ出来ていれば、この過去問も、最後の確認、仕上げとしてプラスαを約束してくれるでしょう。
お尻に火がついている受験生も、一つ一つ丁寧に理解し、自力で再現できる訓練をすれば、間に合うかもしれません。
焦って、あれもやりこれもやりでは、さっと流しているだけで何も身に着きません。
何故、Z会が多くの受験生に支持されるのでしょうか?
それは、ひとえに問題の良質さと添削者の質の高さにあることは間違いないでしょう。
本当は、手取り足取りの親切すぎる塾に行くよりも、自分で力を付けた人が最も逞しく育つことは間違いありません。
その手段として利用できるのがz会の最大のメリットなのだと言えるのではないかと思います。
私個人としては、z会があったからこそ今の自分があるとしか思えないほど、日本語力や論理力を鍛えてもらい、多くの知識をも貰いました。
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