記憶のごみ

本記事は、お子さんが文章題が苦手だというお悩みをお持ちの保護者さんが指導の参考にして頂けることも視野に入れ、数学がジリ貧であることに悩む中高生向けとして書いております。

最終的に、文章題を解く上でのポイント要素を、具体例で説明させていただいておりますので、楽しみに読み進めてください。

保護者さん自身が楽しみながら、子どもさんにより的確なアドバイス、子どもさんを伸ばすアドバイスをしていく醍醐味を感じて頂けるのではないでしょうか?

素材問題はこちら

【問題】

魔法陣

右のマスに、1から9までの整数を1つずつ入れて、縦に3つ足しても、横に3つ足しても、斜めに3つ足しても、その和は同じになるようにします。

  • (1)同じになる3つの数の和はいくらでしょうか?
  • (2)真ん中に入る数は必ず5であることを説明してください。

何故、こんなことが今まで出来なかったのだろうか?

君たちの中には、文章題が苦手だという諸君はたくさん居ると思います。

あるいは文章題になると出来ないという諸君もたくさん居ますよね。

そこで、「どうすれば文章題がこなせるようになるのか?」というテーマを考えてみたいと思うわけですが、テーマが文章題だからといって、小学生だけに関する課題ではないということを、まず前置きさせて頂きますね。

中高生で数学が苦手だ、できないという子は、たいてい、小学生の文章題を解こうとしてみても、小学生の頃に手が出なかったのと同じぐらい手が出ないことも多い筈です。

下手をすれば大人になっても文章題が紐解けないケースはあちこちで見られるのではないでしょうか?

実は、数学が苦手とか嫌いだという高校生も、むしろ小学生の文章題をじっくり考えて攻略してみようとする類の試みを忘れて、目先の数学を課題消化的に嫌々こなすだけでは、結果的にワンランク上のステージに立てる可能性を潰しているとさえ言っても過言ではありません。

何故なら、文章題をこなすには様々な要素の能力が揃わなければならないからです。

そして、算術レベルの文章題をこなすための要素を揃える準備は、少なくとも小学校の時よりは年齢相応にできている筈だからです。

この要素がどういったものであるかは、この後に明らかにしていきますが、大切なことは、これらの要素を機能させることであることを忘れないことです。

機能は先ず動かせ始めないと、その動きを延長することも拡張することもできません。

機能を起動させようとする努力は、必要となる知識が難しい段階で試みるよりも、より易しい段階で試みる方が実を結びやすいのは理の当然ですね。

そして、実を結びさえすれば、本人自身が、「何故、こんなことが今まで出来なかったのだろうか?」と不思議にさえ思え、一挙に霧が晴れたことを感じるのがパターンです。

普通の大人に限らず、立派な数学者でさえ、算数の文章題をこなせる要素が出揃って、一挙に霧が晴れた瞬間こそを自分の誕生日だったと振り返るのではないかと思います。

ですから、高校生だからといって小学生の文章題を解くことを恥ずかしがることはありません。
一昔前ならともかく、今では、むしろ解けない方が普通なのですから…。

小学生の文章題が紐解けない内は、今習っている数学がじり貧になることはあっても伸びるようなことは決してありません。

しかし、小学生の文章題が紐解けるようになったとき、一気に来ます!
小学生の文章題でなく、今やってる高校数学でも来る子は来ます!
数学に向き合うコツが一気に分かり出す時が…

その時が来る時期が違うだけです。(何も働きかけがなければ、とりあえずは来ませんね。)

ですから、小学生のお子さんを指導する保護者さんは、むやみにキーキーがなりたてることは、その時期が来るチャンスをも奪うことになりかねません。

何も働きかけをしなかった方がよかったなどという結果に終わらないように、それだけは肝に銘じておいてください。

ともかくも、攻略できた時の感覚はもちろん、答えに近づいている感覚を知覚したときに、一挙に霧が晴れてくる感覚と同時に面白いと感じる感覚がやって来ます。

出来る子は必ず、そういう瞬間を味わっています。

国語が出来れば文章題(算数)が出来るの?

本論に入る前に、一つ前置きをさせて頂きます。

  • こうすれば文章題がこなせるなどという一意的な答はないということ
  • 敢えて答を出せというなら、答になるかもしれない沢山の準備はあるということ
  • よって、答が出る時期は人によって違って当たり前ということ

ここを押さえておかないことには、大きな過ちを犯してしまうかもしれません。

「何故、文章題が苦手なのか?」という問には、様々な議論がし尽くされていると思うのですが、確かに言えることは、どの主張も一概には言えないということです。

「国語が出来れば文章題(算数)が出来る」という論があります。

私も、学生時代に論議を尽くしましたし、文章題をこなす上での要素の一つであることは何も異存はありませんが、それでも、一概には言えないと以前から書いています。

国語が出来るだとか、本が好きだとか、読解力があるとかだけでは荒っぽ過ぎるんですね。

実際に「国語が出来る子は算数も出来ていますか?」と問えば分かりますね。

一概にそう言えないことは分かりますよね。

もっと言えば、「本が好きでよく読む子は算数ができますか?」

一概にそうは言えません。

それどころか、本を読まない子がスラスラと解いたりする例はいくらでも知っています。

但し、「本を読まない子」というのも、普通に日本語が理解できているという前提が含まれています。
何も国語の成績が優れている必要などなく、普通に分かっているというだけでいいのですが、その前提は確かにあります。

ところが、昨今はその前提自体が危ういという状況のように見受けられます。

日本語力の低下

「子どもにスマホを持たせたくない親ができること」でも書いていますので、ご興味があれば、こちらもご一読いただければと思います。

実は、私の娘は高校で現代文と古典の教師をしていますが、「小論文」も受け持ってくれと依頼されて、「どうしたもんじゃろなぁ?」と途方に暮れています。

そんな娘が言うことには、「とにかく、接続詞が分からわ使えないわで、他人の文章自体を理解することができない。理解もできない者にどうやって文章を書くことを教えろというのか?中学校で何を教わってきたのか?」状態だそうです。

学校としては中堅校で偏差値ランキング的なポジションとしては10校中3位程度の学校にして、日本語力があまりにも酷いと嘆いています。

直近の卒業生の就職組では、皆が羨む公務員組織に就職できたのに、業務上の文書や会議の内容が全く理解できないため、試用期間でクビになった例すらあるようです。

この2,3年の間に、社内メールが理解できない新入社員などというニュースが流れていたことも頷けちゃいましたね。

読解力低下を招いている最重要なポイントは、娘の言葉にあるように「接続詞」が分からないということです。

文章にもならない幼稚言葉の単語羅列でSNSの遣り取りがされているようですから、致し方ないのかもしれませんが…。

「接続詞」は論理の基本中の基本であり、論理の要となるものですから、これが理解できない、使いこなせないようでは、他のどんな教科の勉強も理解できるはずがありませんし、理解の上に築かれる「考える力」の入り口にも立てません。

「読解力をつけさせるためにはどうすればいいですか?」といった類の質問も多いようですが、要するに、普段から何かを考えようとする時間を持たない以上、いくら本を読ませても参考書をやらせてもほとんど効果はありません。

何かを考える時間を持たせるように仕向ける、あるいは持たざるを得ないように自然に仕向けるといった日常的な働きかけの一つとして、例えば、次の書物を題材にして親子の会話などをプロジュースされてみてください。

そして、本書を1日1題ずつでもやろうという気になれば、しめたものです。
もうそれだけで、ステップアップしたことになるのですが…。

7回読み勉強法

見るからに参考書・参考書したものや問題集をあてがうより、確実に論理の要となる「接続詞」を面白く、鮮やかに印象付けることが出来るのが本書です。

タイトルは堅いですが、私も予想外に次々と正解できることもあって、はまってしまったほど、分かりやすく面白い内容です。

さすがに、一般読者に書くべきことを心得た知識人学者さんです。
こういう真摯な学者は滅多にメディアには顔を出しません。

7回読みだとか100回読みだとか、そういう軽薄なことを無責任に堂々とのたまう有名だけど三流人の方の書籍に惑わされるより、あなたが中学生なら、今のうちにこの問題を1日1問でも手掛けてみて下さい。

勉強以前に必要な根源的なリテラシーですから、何の成果も上がらないまま勉強しているなら、よほどあなたを目覚めさせてくれるでしょう。

でないと、せっかく小手先のノウハウで就職できても、真っ当な会社であれば愛想をつかされますよ。

コーヒーブレイク

ある意味、私自身が別に本が好きでもない代表選手でしたから、「国語」という観点から見れば、こと文章題に関しては、普通に日本語が話せ、理解出来ればいいと考えています。

中学を卒業して高校に入ってから、評論が主で、文学では太宰、芥川、坂口、公房など限られますが、読むようになった程度です。

下の画像は小学校卒業時に灘中学と甲陽学院中学に進学したクラスメートからのメッセージです。

後者は、テーマとはあまり関係がありませんが、ちょっと気分転換に、ざまねぇ奴だったんだと笑い飛ばしてやってください。

算数しかできない

変人

とは言っても、文章題を解く力に国語の勉強や本を読むことが一概には依存していないからといって、無視をしていいというわけではありません。

本が好きでも、本をスラスラ読めても純粋に理解が出来ていない場合すら想定されますので、これではやはり困ります。

と言うか、文章を読んで、その内容を理解するという、一般的に「読解力」と呼ばれる能力自体はあらゆる成長の根幹を担う部分であって、文章題に対しても同様だということです。

ですから、損得で考えるようなことではなく、その努力や働きかけは常に心掛けていくべきものです。

ただ、算数の文章題に限れば、本人の中では理解はできているけれど表現が出来ない、あるいは表現する方法を知らないのであろうと思われる節は、教えていると多々あります。

国語のように純粋に「読解力」だけを抽出してテストすることは難しく見えにくいのです。

よく見ていると、文章問題を読んだ後、たいてい、ピタッと動きが止まります。

意味が分からずに動きが止まる場合、意味は分かっているけれども動きが止まる場合。

前者は読解力の問題ですが、後者は読解力の問題はクリアしています。

動きが止まって1分、2分・・・微動だにしない。

まさにこの時、「それって、どういうこと?」「別の言い方をすればどういうこと?」って働きかけをしていくことになるわけですが、たいていは、算数であるという特殊事情が表現することをためらわせていることの方が多いことに気付くことになります。

総じて、算数の文章題に限れば、私の経験からは、文章が長文だったり、入り組んだ構造をしたような場合を除いては、純粋に読解力がネックになる場合よりも、そこから先がネックになっている場合の方が多いと分析されます。

文章題を解く立役者とは?

ここで、文章題を紐解くにあたっての全体的な流れを、必要な要素で区分けする感じでまとめました。

流れ図と言っても、それぞれの領域は一方通行だけではなく、行きつ戻りつで確認や修正をしながら進むと考えてくださいね。

文章題が解ける方法

簡単に説明しておきますと、

  1. 日本語(文章)を読み意味を理解:各人独自の仕様で意味を理解します
  2. 理解を算数語に変換:マンガや図や式、箇条書き等として各人独自の仕様で見える化
  3. 答に繋がる道筋を連想する:具体例や小さな数で実験をするなどで道筋を立てる
  4. 試行する:立てた道筋を実行し、上手く行かなければ原因を別法を考えるか判断する

といったイメージになります。

4つの言葉「理解」「変換」「連想」「試行」は、あなたが理解しやすい言葉に置き換えてイメージ化していただいて結構です。

文章題と言っても、その内容は様々です。

杓子定規にこの4つに分類するのは難しい場合もありますし、いずれかの要素を省略できる場合もあるでしょうから、最大公約数的な要素分類と考えてくださいね。

さて、文章題に共通しているのは、何をすればいいのかを導き出さなければならないことです。

そのためには、問題は何を意味しているのかを、一目で見えるようにしなければなりません。

計算問題のように、手続き通りに処理していけばゴールに到達するものではありません。

ネズミが学習によって同じことを反復することが出来るようになるのとは性質が違うというわけです。

習慣や条件反射で反応するのではなく、「理解し、考えて判断する」という要素が必須になります。

小学校高学年で九九が出来ない子はいても、大人になっても九九ができない人はほとんど居ないですよね。

九九が出来ないと、何より普通に生活する上でも不便ですから、実際に使うことで自然にできるようになります。

「見える化」ができる準備を粛々と

しかし、文章題は少し様子が違って来ます。

習慣や条件反射でいつかは出来るようになるものではありません。

「理解し、考えて判断する」という要素が無ければできないことなのですが、この能力を発揮するためには必ず何らかの準備が必要だということです。

即ち、「何らかの準備」は文章題を解くための準備というだけではなく、「理解し、考えて判断する」という能力全般への準備ということになります。

そして、この準備は、単に読解力だけではなく、日常的な常識でもあり、考えてみようという気持ちの芽生えでもあり、これをサポートする周囲のアドバイスの的確さでもあります。

これらがバランスよく準備できた時、初めて「理解し、考えて判断する」力に水分を送り始めます。

その中でも、君自身が意識的に努力すれば一挙に準備が整いそうな極めつけの要素が「変換」=「見える化」です。

算数の文章題を解ける子、解けなくても答えを進めていける子は、

  • 意味を考えて理解しようとする
  • その理解をするためにもイメージとして表現したり、書き出したりする作業をする
  • そのイメージを利用することで、道筋を考えたり連想がしやすくなった状態で試行錯誤を繰り返す

と、上の流れ図のように進めていくのですが、アンダーラインを引いたように、「変換」=「見える化」は理解や連想をも刺激する優れものだということを忘れないようにしてください。

お待たせいたしました。

では、実際の問題を進めながら、その感覚を体験しみましょう!

文章題を解くための一つのモデル

【問題】

魔法陣

右のマスに、1から9までの整数を1つずつ入れて、縦に3つ足しても、横に3つ足しても、斜めに3つ足しても、その和は同じになるようにします。

  • (1)同じになる3つの数の和はいくらでしょうか?
  • (2)真ん中に入る数は必ず5であることを説明してください。

まず、自力ででこの問題の解決に向けて頑張ってトライしてみてください。

お母さんやお父さんも、お子さんによりベストな指導をするためには、頑張ってトライしてくださいね!

ここまで、君のペンは動きましたか?
何かを書き始めましたか?

問題のマス目を眺めているだけだった君は、虚しく時間が過ぎていくだけだったですね。

さて、問題に書かれている文章は9つのマス目に関する内容だけですから、その内容をマス目上で表現する以外にはすることがありません。

本問の場合は、最初からマス目というビジュアルが与えられていますけれど、何もビジュアルな対象が与えられていなくとも、問題の全体を捉えるためには一目で見て分かるビジュアルなイメージにしておくことが重要です。

特に算数の文章題の場合には、マンガや図形や式として表現できるものはする、あるいは、沢山のことが書かれている場合には全て書き出すなどの作業があります。

ここは、前処理と呼ぶに相応しい、日本語から数学語への「変換」ステージになります。

「変換」という言葉がしっくりこなかったら「翻訳」でもなんでも構いませんよ。

先ほどの流れ図を見て頂いたときに、「連想」のステージが最も難関と思われたのではないでしょうか?

実際そうなのですが、実は、たいていの子はその前段階の「変換」のステージからできません。

この「変換」のステージが出来ないことが致命的なんですね。

何故なら、「変換」する作業をしている中で「連想」が生まれて来るものだからです。

では、作業を始めていきますので、教訓を一つでも感じ取ってください。
本問の場合の例として、私は次のような絵を描きました。
まぁ、一般的にはこんな絵になると思うのですが、平凡で面白くないと思われたらどんどん提案ください。

縦に3つ足しても

魔法陣-縦

横に3つ足しても

魔法陣-横

斜めに3つ足しても

魔法陣-斜め

このぐらいであれば、ワーキングメモリー(作業記憶)領域の小さい私でも、実際に書かずとも頭の中で描いて処理できちゃうのですが、それでも描いておく方が何かと得策です!

このことは後で分かることになりますよ!

あなたは「説明なぞ要らない」というかもしれませんが、脳細胞が呟く言葉で解説だけしておきますね。

  1. 理解1:縦に3つ足す・・・3か所ある(3列)

    変換1

    それぞれの列に縦の線を引き、その線上にある3つの数字の和だと考えるぞ!

    (線でなく、細長い楕円で囲っても構わない。)

  2. 理解2:横に3つ足す・・・3か所ある(3行)

    変換2

    それぞれの行に横の線を引き、その線上にある3つの数字の和だと考える

    (線でなく、細長い楕円で囲っても構わない。)

  3. 理解3:斜めに3つ足す・・・2か所ある(対角線)

    変換3

    それぞれの対角に斜めの線を引き、その線上にある3つの数字の和だと考える

    (線でなく、細長い楕円で囲っても構わない。)

これで、書かれている文章の内容はすべてマス目の中でビジュアル化されました。

これ以上、することは無さそうですね。

ここで、君は「右のマスに、1から9までの整数を1つずつ入れて」を表現していないよ!と言うかもしれませんね。

では、適当に数字を入れてみて次に進んでみてください。

  • 縦に3つ足したらどれもが同じ数になりましたか?
  • 横に3つ足したらどれもが同じ数になりましたか?
  • 斜めに3つ足したらどれもが同じ数になりましたか?

まぁ、なっていないですね。

それなら、ただ混乱させるだけのようなものではないですか?

マスには、1から9までの整数を1つずつ入りますが、どこに何が入るかは分かりません。

こういった時には、「マスには1から9までの整数が1つずつ入ると頭の中に入れておくか、今、あるいは後で必要を感じたら【a,b,c・・・】とか【ア,イ,ウ・・・】とかの記号で入れておけばいいんです。

問題を通して、こういった知恵を一つづつ身に付けていってください。

人の話を「なるほど!」と頷いているだけでは、絶対に身に付きませんが、考え、悩む作業さえしていれば必ず体で覚えていきますから安心して下さい。

さて、このイメージを見て、何が言えるのか?何を引き出してくるのか?

ここからが「連想」のステージになるんですね。

「連想」という言葉がしっくりこなかったら「考察」でもなんでも構いませんよ。

このイメージを眺めて、「それがどうしたの?」って思うだけで、それ以上進まなかったとすれば、「私は算数を解いているんだ!」ということを思い出してください。

この文章で算数であることを表している言葉は「足す」という言葉しかありません。

そして、3つの数字を「足す」ということを1本の直線で表現し尽くしました。

何かやり残していることはないでしょうか?

3つの数字を「足す」ことは表現しましたが、9つ全ての数を「足す」ということはしていませんね。

何故、気付かなかったのでしょうか?

一つのヒントを差し上げましょう。

縦の直線3本を1本ずつ、「足す~ 」と呟きながらなぞってみてください。

マス目の数を全部足してるじゃない!ってなりませんか?

もし、君が文章題の訓練をよくしていて、算数語やイメージに変換することに慣れていれば、おそらく、イメージを見た段階で、縦に引いた3本の線の中にはマス目の数が1回ずつ入っていることに気付くことでしょう。

横に引いた3本の線も同じことだと分かるでしょうし、対角の2本の線には含まれていないマス目があることにも気付いちゃうことでしょう。(気付かなくても全然構いません。)

何かに気付こうと考え悩んだ軌跡の数だけ、こういうことに気付く日は確実に近づいています。

この辺りから、「連想」→「試行」へと移っていくことになります。

「見える化」したからこそ、考えたり連想しやすくなっていることが分かりますか?

  1. 連想1:3本の縦線をすべて足す=9つのマス目の数字をすべて足すことだ!

    3本の縦線はすべて同じ値である。⇒ 全体を3等分していることではないか!

    全体とは9つのマス目の数字をすべて足したもののことだ!

  2. 試行1:全体(9つの数字の和)を求め3等分する

    全体とは、1+2+3+4+・・・+8+9のこと!
    (1+9)×9÷2=45→→→ここは分かるよね!
    確かに3等分出来て、それぞれの縦線は45÷3=15

    理解2⇒変換2でやっても同じことになるぞ!

「連想」のステージで考えたことは、君の経験と体に刻み込まれることになり、それがどんな問題が来ても太刀打ちできる力となっていきます。

少なくない評論家は「パターンを暗記すること」と言いますが、そうではありません。

パターンを暗記しようとしてする勉強と真剣に考えた結果としてパターン認識の形で体に刻み込まれる勉強とは月とスッポンほど違うのです。

では、引き続いて「(2)真ん中に入る数は必ず5であることを説明」を考えていきましょう!

連想への協奏曲

  • 【理解1⇒変換1】と【理解2⇒変換2】は縦と横が違ってるだけで、問題(1)の結論以上のことは出てこないじゃないか!
  • ところで、【理解3⇒変換3】はまだ使っていないし、問題(1)の答は、ここからじゃ出せなかった!・・・ということは、これがクサいカモ!
  • それに、なぜ、真ん中の数を尋ねるんだろうか?・・・この疑問が実に大切なんだよ。
魔法陣-斜め

【理解3⇒変換3】を見つめる!(右図)

おっ!これはどちらの対角線も真ん中を通っている。(当たり前っかぁ!)

どうやら、真ん中に注目してやることがポイント?

けれども、「対角の3つの数字の和はどちらも15」というだけでは、何のとっかかりもつかめないよ!

では、【変換1】と【変換2】でも真ん中に注目してやるとどうだろうか?

魔法陣-真ん中

真ん中の数を含んでいる線は、縦線も横線もともに1本ずつあるよ!

これを、【変換3】と合成してやれば、全てのマスが網羅されることになりそうだ!(右図)

右図をしみじみと見つめる。

それぞれのマス目の数字はただ一つの直線にだけ属しているけれど、真ん中のマス目の数はナント4本の直線すべてに属している。

ということは、4本の直線分を全部足すと、真ん中の数だけが4回足されていて、その他は1回ずつ足されているという勘定になるぜ。

さらにさらに、ということは、9つの数字を全部足して、さらに真ん中の数だけ3個分足した数ということだ。

それぞれの直線はその直線上にある3つの数字の和で15と分かっていて、4本あるから全部を足せば60。

9つの数字を全部足した数は(1)でやってて、45だったから、60-45=15が真ん中の数の3個分だ。

よって、15÷3=5が真ん中の数ということになるぜ!

文章題を紐解けるための準備は、気持ちや方法論だけではできません。

結局は、最初はシミュレーションするしか方法はないものですが、それでも一つ一つの問題に「真剣な経験」として向き合うことと、それに伴う「失敗」が準備を完了させてくれることは確かです。

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京都大学工学部OB2名と大阪大学大学院工学科OBの3名、しかも全員ハードエンジニア出身(教師転身2名)で執筆していますから、商売人や学生上がりのような根拠のない、いい加減な甘言は書いていません。

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