【帝都大学へのビジョン】の産声は真実を見極める某サイト

【帝都大学へのビジョン】は、私のリアルでの教え子が運営している情報の真実を見極める某サイト(2022年閉鎖)から産声をあげました。

教育・学習関連情報を客観的に分析し見極める役目を依頼されたことから、2006年頃より数多くの受験生や保護者の方からのご相談メールが舞い込みました。

単なる学習経験者の成功体験談ではなく、実際に深い願いを持って生徒を指導した経験をも含めて得た暗黙知を、これらのご相談にお答えする中で、誰もが共有できる形に形式化することで集大成した産物が【帝都大学へのビジョン】です。

今では随分とマシになっていますが、開始当初は狡猾と悪意に満ちた『詐欺』とも言えるような高額情報が蔓延していた時期。

『俗流』ならまだ許せもできますが、学習部門までにあまりにも酷いネットビジネスが横行していましたことに危機感を覚え、これに反抗するために、自らの指導経験と暗黙知を形式化した書を出さずにはいられなかったのです。

そんな中、私とスタンスを全く同じくする松平勝男さんと親しくお話をさせていただくご縁をいただきました。

<役立つ勉強法>でもご紹介させていただいているのですが、松平さんは優しさと愛に溢れた目線で『ユダヤ式記憶術』『逆転合格の極意』や多国語の語学マスター指南書を多く出されています。

「私とスタンスを同じくする」と書いたのは、学習することの本丸を説いた上で、ちょっとしたことやちょっとしたコツに気付かないで、結果損をしている真面目な学生さんに向けてその指南をしているという点なのです。

単なる裏技や操作方法だけを機械的に身に着けても、そのような狡い心の姿勢は必ず将来に手痛いしっぺ返しを受けることになります。

何でも、単に合格レベルを越えただけの”ヤブ・・・”に留まってしまうような学習はしてほしくないという願いが共通のスタンスなのです。

現在(2024年現在)では、甚だしいまでの『詐欺本』は随分と減ったように見受けられますが、にわか学習コンサルタントや単なる商売人や塾経営者が繰り出す『俗流』が本屋に並ぶ書物にも進出して、ネット書籍や情報はもちろん、現実書籍までもの大多数が『俗流』に汚染されている構図に変わりはありません。

あなたも周囲を見渡せば、本当のプロといえる人はごく一握りだということを知っておられるはずです。

パレートの法則でもありませんが、どんな世界も(医者や学者の世界ですら)8割方はヤブだと言っても過言ではないでしょう。

さて、【帝都大学へのビジョン】のもっと源流を辿れば、1995年の阪神・淡路大震災の後企画したFAX塾【ICL数学クリニック】に遡ることができます。
この時に集まってくれた生徒たちの指導が【帝都大学へのビジョン】の伏流となっています。

もちろん、これは自身の受験経験を学生時代の家庭教師や塾講師の経験の上にさらに積み重ねた指導であったことは言うまでもありません。

【ICL数学クリニック】でのエピソード

エピソード1エピソード1

阪神淡路大震災の前年秋に企画スタートしたFAX塾に、最初にその教え子たちがやってきたのは、そう、彼女たちがともに高校1年生で、1人は夏休みの頃、もう一人は秋だっただろうか?

一人は、なでしこジャパンの澤 穂希選手と同年代で、女子サッカーの草分け校でキャプテンを務めた。

その重責をこなしながらの受験勉強で僕のところに来た時には居眠りしそうなときもあったよね。

どちらも、数学の勉強が特に苦しかったからやって来たんだったよね。

そして、君たちはともに、「FAXだけじゃなく、どうしても先生のところで教えてもらいたい」と親に頼んでくれたんだったね。

僕は将来の布石とは思っていたけれど、技術者としての仕事も多忙で、そんなことは想定していなかった。

でも、お母さんから依頼を受けたときには、とても嬉しかった。

気が付けば、君たちが持ってくる難題に何の準備もない丸腰の脳がアドバイスのタイミングと競いながら、君たちの耳元で囁くだけではなく、沢山の物語にして出来る限り日本語で伝えることを試みていた。

以来、君たちは101回は僕の脳スキャンを食い入るように眺めることになり、

僕は僕で235回は君たちの脳細胞のあちこちを突くことに夢中だった。

巷ではライターさんの作り話が百花繚乱ですけれど、この物語はノンフィクション・・・。

エピソード2エピソード2

気が付けば、彼女たちの順位はみるみる上がっていったのでした。

その指南を、【帝都大学へのビジョン】として結実させることになろうとはその時には思いもせず…。

彼女たちは、塾には全く通っていませんでした。

だからこそ、通塾しなくても済むFAX塾の企画に乗ってくれたのでしょうが、結局、週1回とはいえ僕のところに通塾するという皮肉な結果になってしまいました。

「塾に行ってみるかと尋ねたら、先生に教えてもらえるなら先生のところに行きたいというもので・・・」

何を気に入って貰えたのかを尋ねることはしませんでしたが、そこまで言われてお断りできるでしょうか?

これを機に、FAX塾では理解させるための精選問題を作り込むと同時に、彼女たちの持ち込む素材で、勉強の本質を惜しみなく伝え始めました。(中国への技術支援がメインの時だからこそできたのですが…)

数学に限らない全ての勉強に対する3つの本質を・・・。

彼女たちの通塾の申し出は、

具体的な問題を解く訓練の中で、僕自身がに徹してこれを伝える最強の時間を生み出したのです。

何故、彼女たちは、みるみる成績を上げていったのでしょうか?

それは、僕との相性がよかったからではありません。「正しい勉強の仕方」が分かってしまったからです。

改めては誰にも教えられることのなかった「勉強の仕方」を知り、自分の勉強に落とし込んだからです。

エピソード3エピソード3

その教え子は、自分の夢を叶え国際公務員として世界を舞台に仕事をしています。
その後来たれし者たちは、弁護士になった者、大企業で医薬品の開発に従事している者、銀行員となった者・・・。

決して優秀とは言えなかった普通の子たちが、立派に自力で成長してくれました。
僕は僕で、彼らが大きく羽ばたく姿を嬉しく見送るばかりの自分に鞭打つばかりです。

Galileo Galilei の言葉より

You cannot teach a man anything, you can only help him find it within himself.

僕は人にものを教えることはできない。

できることは、相手のなかにすでにある力を見いだすこと、その手助けである。



All truths are easy to understand once they are discovered; the point is to discover them.

どんな真実も、 発見してしまえば誰でも簡単に理解できる。

大切なのは、発見することなのだ。

勉強法・学習法マニュアルに関するガリレオの考え方

この項目の以下はドラマ「探偵ガリレオ」の福山雅治さんの台詞口調を思い浮かべて読んでみてください。

子どもたちが伸びるところには、必ず何らかの契機がある。
それはたった一つの感動かもしれないし衝撃かもしれない。
あるいは、たくさんのささいな会話の中から生まれたのかもしれない。

人から見れば「そんなことで・・・」というような意外なことで急に伸びる場合もある。
何が契機になるのかは、当の本人にも分からない。
まして、保護者には、どこをつつけば契機の波紋が拡がるのかは分からない。

どうしても伸びない子どもには、こういった勉強法マニュアルが刺激になることもあるだろう。
そのことを僕は否定はしない。
しかし、それでも伸びない場合もあるかもしれないことも確かだ。

極端な話、福山雅治さんの「探偵ガリレオ」を見て、急に物理を勉強しだした女子学生もいるかもしれない。
きっかけとはそんなものだということを僕は知っているつもりだ。

僕は、本書の中で『量子飛躍』と呼んだ。
この『量子飛躍』を経なければ、真に学力が向上することはない!

いみじくも、ドイツの教育哲学者ボルノウ(Otto Friedrich Bollnow)はこれを『覚醒』と呼んでいる。

どこにきっかけが潜んでいるのかは分からない。
しかし、その子が伸びるための解は、性格・知能などを論理的に突詰めれば必ずどこかにあるはずである。
『量子飛躍』への励起を促すエネルギーは必ずどこかにあるはずなのだ。

ただ、人間の心を全て数値化することが難しいということだ。
そして、そのきっかけに幸いにも出会えることが出来れば、あとは自力で成長していけるだろう。

最初から自力で成長できる子には全くマニュアルは必要ない。
むしろ害ですらあるだろうと僕は思っている。

しかし、自力で動き出せない子には、自力で動けるための外力を与え、可能性をより多く模索するという点でムダではない。
人間にも「慣性の法則」は当てはまるのだ。