一生懸命でありさえすれば、どんな勉強法でも結果は同じ?

いきなりですが、
学生の君にはもちろん、保護者のあなたも次のクイズを考えてみていただけませんか?

覚えなければならない勉強をするとき、次の4つのやり方で成績が伸びないものを2つ選んでください。

  1. 【全内容勉強+全内容試験】を繰り返す
    (すべてに真面目タイプの勉強法)
  2. 【全内容勉強+前回正解を除外試験】を繰り返す
    (真面目だけど手を抜きたいタイプIの勉強法)
  3. 【前回正解を除外勉強+全内容試験】を繰り返す
    (真面目だけど手を抜きたいタイプⅡの勉強法)
  4. 【前回正解を除外勉強+前回正解を除外試験】を繰り返す
    (すべてに手を抜きたいタイプの勉強法)

※1.の【全内容勉強+全内容試験】とは、後続のテスト結果に関係なく常に覚えるべき課題全対象に対して勉強し、テストする。

※2.の【全内容勉強+前回正解を除外試験】とは、常に全対象を勉強し、後続テストは前回テストで正解した(覚えた)対象を外して実施する。

※3.の【前回正解を除外勉強+全内容試験】とは、前回テストで正解した(覚えた)対象を外して勉強し、後続テストは全対象で実施する。

※4.の【前回正解を除外勉強+前回正解を除外試験】とは、前回テストで正解した(覚えた)対象を外して勉強し、後続テストも前回テストで正解した(覚えた)対象を外して実施する。

さて、如何でしょうか?

このクイズは、もちろん勉強の仕方に決定的なヒントを与えるものですが、もう一方で、出題内容とは関係なく論理的に考えれば自然に答えが推測されるということの格好の例としても一つの知恵になるかと思います。

さて、こちらのクイズは、2008年のSCIENCE誌に掲載された論文(パデュー大学・ワシントン大学の各認知心理学博士の研究)を簡単に要約して一般化した結論からの出題です。

2008年ですから、奇しくも【帝都大学へのビジョン】の執筆及び限定販売開始と期を同じくします。

※SCIENCE誌の会員登録(無料)をしなければ、全文は閲覧できません。

とは言っても、あくまでも研究ですから、単発的に勉強方法とテストの関連性を「記憶定着」という視座で学問的にまとめたものであり、そのまま日常的な私たちの勉強に投影するには、いくつかの本質の抽出が必要になります。

奇しくも同時期にそれをしちゃっていたのが【帝都大学へのビジョン】ということになりそうです。

ただ、同時期だったのは執筆であって、内容自体は私たちが受験生時代の時に体得していたことです。

「脳に関する科学は、いつも後追い」だとつくづく思いますし、そう考えて間違いないでしょう。

だって、生きていくのに脳科学のエビデンスなど待っていられないですものね。
ただ、これが胡散臭い勉強法や自己啓発の類が後を絶たない理由にもなるわけですが…。

話が横道に反れてしまい申し訳ありませんでした。

実は、この4つの方法論で勉強をさせた後のすぐのテストでは、結果は全くといっていいほど差がありません。

ガーン!!それじゃ、何のオチもないじゃない!!

いえいえ!そんなことがあるはずじゃありませんか!

実は、この結果は見かけ上の結果とだけ今はお話しておきましょう!

勉強した直後のテストという限りでは、勉強法によって何の差も出ないのです。

もちろん、自分なりに「覚えよう」と一生懸命勉強することは大前提ですよ!
それが満足できていないようでは、勉強の仕方以前の問題です。

ほとんどの学生や保護者さんが大いに誤解してしまっているピンポイントがここにあります。

研究者自身が、論文の冒頭で「大学生自体がこの事実を知らないように見える」と書いておられます。

※下世話な話ですが、大学世界ランキング(The Times Higher Education 2020年)で見ますと、ワシントン大学は東大(36位)よりも少し上の26位、パデュー大学は京大(65位)より少し下をいく88位でした。

すなわち、世間から見れば相当優秀な学生に向かって、「この事実を知らないように見える」と発言されているわけです。

不思議に思われるかもしれませんが、一時代前の京大・阪大の私たちにして「さもありなん!」と納得させる現実はありました。
力づくで合格したと思われる一群がいることは確かです。

さて、この事実を知らずに、かと言って力づくにまでにはなれなかった場合を簡潔に語れば、

「学校や塾でのテスト成績は良いのに、模擬試験になったら惨敗」

というやつです。

では、クイズ問題の※で注記した分別の基準となっている「前回テストで正解した=覚えた」と考えてしまうことが、如何に愚かなことであるのかを示す結論をご紹介しておきましょう。

君が望んでいる結果は、「真の学力」ではありませんか?

勉強法の違いによる長期記憶の差

この実験では、40語のスワヒリ語の単語を英語母国語の学生が覚える際の勉強の仕方を4つのタイプに分類して、直後ではないタイミングで記憶定着の成績を比較した結果なのですが、まさに【帝都大学へのビジョン】の英単語の覚え方や記憶定着のさせ方の正当性・合理性を証明するためのような実験となっています。

左図がその結果なのですが、要するに上のクイズの4つの学習タイプがそれぞれに対応しています。

順番は違いますが、勘を働かせて対応させてみてください

実は、この論文の結果からさらに発展的に、具体的且つ実用的手法を与えたものが私たちの執筆した【帝都大学へのビジョン】そのものだということになります。

勉強のやり方一つで、これだけ差がつくというわけです!
はたして、この結果のグラフは、しばらく間を開けて再度テストした時の結果を表しています。

勉強してすぐに行われた1週間後テストでは、ほとんど差が出なかった正答率が、少し時間を置くと、見事に差が付いていますね。

学校の成績は良いのに、模擬になるとサッパリというタイプは右側の2つのいずれかに属していることになります。

一般的には非常に興味深い結果と言われているようですが、私たちですら既に自身の受験時代に少しの試行錯誤だけで確立していたやり方ですから、昔から気が付く子は気が付ていたということが言えます。

この一致は、私たちの勉強法の妥当性を与えてくれる圧倒的な科学的根拠と言えますが、研究の素材としてのワークではなく、一般的な勉強法として具体的な手法に落とし込んだ戦略・戦術書として、はるかに実用的に結実させたと言えるのではないかと自負しています。

しかも、この限定的な研究だけでは導き出せないことなのですが、左側2つの高い正答率を誇るタイプも、実はもう少しスパンを長くとると、現実的なボリュームという要素も強く影響することで、圧倒的に大きな差が出てくることも付け加えておきたいと思います。

悪い言い方と分かりつつ言います。
一番左の勉強法も医学部や旧帝大レベルを狙うなら通用しません。
それは本書を読んでいただかないことには永久に分からない方の方が圧倒的に多いかもしれません。

この研究では、お隣の勉強法と変わりない結果に出ていますが、実際の最高の勉強のやり方にコミットするにはまだまだ材料不足だということです。

冒頭のクイズの答は最後に示しますが、手も足も出ないほど知らなかったり、解答に自信が持てないような選択肢問題に対して解答を類推する論理で自ずと出てきますから、まずは考えてみてください。

さて、答えは下記の2つのやり方は成績が伸びません。

  • 【全内容勉強+前回正解を除外試験】
  • 【前回正解を除外勉強+前回正解を除外試験】

【前回正解を除外勉強+前回正解を除外試験】というやり方は、普段の学習で言えば、俗に言う「一夜漬けの勉強」というものに相当し、これは誰しも「実力が伴わないことは当たり前」だと察しますね。

黄金の鍵は、やはり「繰り返し勉強」のやり方にありそうですね。

クイズとして出されれば、何となくこれではないかと思われて正解する方も多く居られると思うのですが、学校の先生やら塾の講師やらに「何度も繰り返して覚えなさい」とだけ言われても、これをやっちゃうと全く効果が得られないことを意識されている諸君や保護者さんはどれほど居られるでしょうか?

この結果は何を意味するのかと言いますと、

  • 繰り返し試験は最も重要
  • 繰り返し勉強はほとんど効果がない

ということになります。

「おやっ?」「ビジョンとちょっと違うじゃない?」と思われた諸君も居られるかもしれませんね。

クイズの問題にあるをしっかりと理解してください。

そうすると、揺るぎない結論がクッキリと浮かび上がります。
実践者にいただいたメール「和ろうそくの比喩とはこういうことだったのかと実感しています」という言葉がすべてを物語っている結論が…。

むやみやたらな根性的繰り返しをさせる高価なマニュアルや塾もありますが、その非合理性を暴き、【帝都大学へのビジョン】の妥当性と合理性を証明するかのような結論が…。

「何度も繰り返して勉強しなさい」や「反復学習の重要性」などという一般的な言葉だけなら、その辺りの素人ライターや学生でも書けますから、曖昧なこと極まりないわけです。

ですから、同じ「反復学習」でも、その内容は月とスッポンほど違うということだけでも気に留めていただければと願います。

では、この研究だけではたどり着けない最後の結論を出しておきましょう。

左から2番目の勉強の仕方をしない限り、確実に合格できる実力は付きません。
左端の勉強のやり方では、結局トップグループからどんどん引き離されるばかりで、いずれ、右から2番目の第三グループに吸収されて、どっこいどっこいの勝負になっていきます。

日本人はもうノーベル賞を獲れない?

ダイヤモンド社をしてこんなことを言わしめるようになってしまったとは!

私は決してそうは思わず、一生懸命努力・精進する優秀な層だけは未だに健在だと見ています。

それに、ノーベル賞を獲れる獲れないは、ある意味大した問題ではありませんしね。

ノーベル賞とは縁のない、縁の下の技術やサービスこそが、圧倒的多数で人類社会を支えているのですから。

君のお父さんやお母さんがそれに貢献しているかもしれませんよ!

しかし、その一方で、普通の一般社会を担う層が完全に空洞化しつつあることは確かだと感じます。

懇意にしていただいていた銀行の女性行員さん、製鉄会社の総合職の女性、挙句の果ては私の息子までが、あまりにも普通のことができないと嘆いている始末で、それこそが致命的な問題です。(=あまりにも偏った中間層が空洞化した二極化)

いくらノーベル賞を獲れる人が続いても、普通の一般社会が劣化しては、世界として現状のパラダイムが続く限り、日本の社会としては相当ヤバいことになる事が予測されます。

それは、とりもなおさず自分自身の、あるいはお子さんの今後の普通の生活に関わる重大な事態です。

「ITや商才・サブカルチャーで勝負!」の傾向が強まっていますが、ともに世界から見れば赤子。

まぁ、優れているのかもしれないアニメにしたって、所詮バブルです。

「エンジニア」で検索すればITエンジニアばかりが出てきますが、正直、こういう現象こそが日本の苦悩を象徴しているのであって、自然科学に無縁のITなどを科学とか技術とかエンジニアなどと呼んでほしくありません。

小さな国ですから、これらは国民間の内需で騙し合うところにしか活路を見出せないのがオチでしょう。

やはり、良識ある社会への有益性のための頭脳で世界に貢献するように成長していただきたいと願います。

揺るぎない結論は和ろうそくにあり!

さて、揺るぎない結論とは??

まぁ、本編を読んでいただいた会員様であれば、この記事の続きは閲覧するまでもありませんね!