元素の周期律表
理化学研究所による原子番号113の元素の合成と証明に、ニホニウム[Nh]なる正式名称が与えられたニュースによって、いつか入試問題にも関連する問題が出題されるであろうと思っていたところ、早々と2017年の名古屋大学で出題されていました。
しかし、「最先端の成果だから、さぞかし難しい問題だろう」などと尻込みすることは全くありません。
所詮、大学入試の問題です。
なるほど、初問のとっぱしに出題されているほど、周期律表の基本さえしっかり理解していれば難なく解答できる問題でした。
今回は、名古屋大学の2017年化学の入試問題を通して、周期律表なんて、たかだかこれだけのことを理解して覚えておけば十分というお話をしたいと思います。
もちろん、すでに化学の方面に進もうと考えている諸君は、もっと深く勉強していただいて結構ですよ。
昔から、元素の周期律表は語呂合わせで覚えるのが定番です。
バージョンは色々あるでしょうから、ここで紹介する語呂(時代遅れの昔の語呂は現代風に改変しています)でなくとも、自分が出会ったもの、気に入ったもので覚えていただければ結構です。
水兵リーベ 僕の船 名前があるぜ シップス・クラーク
牛乳・スコッチ・暴露マン
徹子にどうせ会えんが ゲイ斡旋ブローカー
PDFファイルで周期表と対応させて説明していますので、こちらでご覧いただくと分かりやすいと思います。
最初のフレーズは意味が通ります(水兵さんは自分の船を愛しています。名前はシップスクラーク)が、後の二つは意味としては通りません。
昔から表現は色々と違った変形があったと思いますが、基本はみんなこれで覚えたと思います。
とある化学博士さんですら、「これで覚えたもんだ!」と記されていました。
いろんなバージョンがあるようですから、ネットで調べてみて、気に入ったもので覚えればいいのではないでしょうか?
「水兵リーベ」の語呂合わせの歌もできているようですから、それで覚えられてもいいでしょう。
原子番号20番のCa程度まで覚えておけば十分だと思いますよ!
とは言っても、この語呂合わせを使えば30番まで覚えるのは全然難しくないので、ここまで覚えていても損はないですし安心できます。
でも、この語呂合わせだけ覚えていても何の意味もありません。
大切なことは、
- 前提:元素記号を見て、元素名が言えること(基本、英語の頭文字)
- 前提:元素名を見て、元素記号が書けること(基本、英語の頭文字)
- 周期表の配列を覚えておくことが重要(添付PDFファイルの〇で囲んだ部分の配列)
- 第1周期両端(1族と18族)に各1原子
- 第2周期と第3周期は、左側2族と右側6族が埋まる
- 第3周期以降は18族全てが埋まる
- 上記によって、第4周期まで周期表が書ける訓練をしておけばベスト
- 典型元素の代表的な4つの属の名称
- PDFファイル「2017年名古屋大学前期入試 化学より抜粋」に記した程度の基本概念と定義
- よく出て来る水素と炭素と酸素の原子番号は1,6,8ぐらいはすぐに出るようにしておきたい。
同じく、その質量数は1,12,16ぐらいはすぐに出るようにしておきたい。(もっとも、問題に提示されるので覚える必要はないですが、化学を勉強してたら自然に覚えてしまってます)。
配列の埋まり方と語呂合わせで順番を覚えていれば、その場で周期表を書くことが出来ます。
周期表の学習は基本さえ押さておけば十分!の基本とは?
※ネットでは、「質量数」と「原子量」を間違って使っている例が頻繁に見られます。
「質量数」は必ず整数ですが、「原子量」は整数になることはまずありません。
ともあれ、周期表の覚えられた後は、名古屋大学の入試問題が如何に基礎さえ出来ていればこなせるかを体験してみてください。
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そうだ!考えることのできる人になろう!今も昔も【Z会】