『数学への導火線』に標題の資料を追加致しました。
空間座標・空間ベクトルが理解できない生徒のために解説した回答を資料としてまとめました。
「空間のイメージが分からない」という大方の生徒のための模型仕立て・超初心者向け解説です。
立ち読みは、もう少し下からできますが、その前に以下をザっと読まれてくださいね。
これを足場にして、空間問題の基本問題をピックアップして、2,3問続けて見取り図を描くだけの訓練をしてみてください。
読んだだけで放っておくと、また身に着ける機会を逸してしまって、何も読まなかったことと同じになってしまいますよ!
空間図形は頭の中でイメージするのが難しい
空間座標だとか空間ベクトルの問題だと分かると、途端に拒絶反応を起こしてしまう諸君も多いのではないでしょうか?
もう、「空間問題は捨てちゃお!」って決めている子も多いかもしれませんね。
はたして、たいていの諸君は空間・立体は苦手のようです。
それというのも、平面図形なら紙に書けば見たまま以上の情報は必要なく理解が出来ますが、空間図形は見たままだけではイメージできない、理解できないという特殊な事情があります。
見たままでは理解できないものをイメージとして理解するための何らかの橋渡しが必要なのです。
ですから、君が空間や立体が嫌いだという理由には、ひとえに「頭の中でイメージするのが難しい。」ということが根底にあることは間違いないことでしょう。
誰に聞いても、「イメージができない」という声が返ってきますからね。
空間図形に変換する眼鏡
紙の上に空間図形や立体図を指し示されたとすれば、頭の中でこれを空間図形に変換する眼鏡を通してイメージを掴まないことには意味が理解できません。
その変換する眼鏡を自分なりに作り上げておかねばなりません。
このことが、空間・立体を分かるための絶対条件としてあります。
それは、「空間認識能力」などと呼ばれ、確かに天分の要素があることも確かでしょうが、誰でも訓練すればある程度の能力を身に着けることはできるのです。
ここまでは誰にも平等な条件なのです。
眼鏡を作り上げる作業をするかしないかで、チンプンカンプンのままで終わるか、少なくとも手が付けられるレベルになるかが決まります。
御多分に洩れず、一朝一夕に出来上がるものではありませんが、幾つかの実際例で丹念に確認しながら作っていくしかありません。
空間や立体を理解できるようになる方法は、
- いろいろな空間図形を実際に模型を作って、眺めるポジションを変えて確かめる
- 問題を利用して、実際に空間図を描く訓練をして慣れる
- 展開図であれば、実際に作ってみて立体を作る様子を観察する
結局は、こういった方法しかありません。
空間座標や空間ベクトルの問題は、ともかくも空間を紙の上に表現する、即ち空間図形を描くという作業から始まりますが、ここで躓くとイメージで掴むことからして大変難しくなり、問題に手さえ付けられずに終わるのです。
この中でも、絶対に必要な訓練は、【2.問題を利用して、実際に空間図を描く訓練をする】ということです。
空間図を描いてイメージが掴めるのであれば、わざわざ模型を作って確かめる作業は絶対に必要ということではありません。
ただ、事務的に空間図を描いてはみたものの意味が掴めない場合などには、模型を作って、何故そのように描けばいいのかなどを確かめることは大いに理解に近づく有効な手段となります。
2次元しか表現できない紙の上に 3次元を表現しなければならないのですが、普通はフリーハンドで描く見取り図と呼ばれるものですから、それほど難しいことではありません。
即ち、それほど厳密に考えて描かねばならないものでもありませんから、気楽に構えてください。
紙は二次元の平面をありのままの姿で投影することができます。
しかし、空間的な対象は、その空間上のどこかにカメラを置いて、そこから撮影したそのままの写真を紙の上に表現するしかありませんから、実際の長さ通りには見えません。
カメラの位置は「空間上のどこか」即ち、無数に存在するポジションが選べますから、どこでもいい訳ですが、対象を一番よくイメージできる位置からの眺めが最も分かりやすいのは当然です。
まず、立体としてのイメージに変換しやすい眼鏡として、斜め上方から見た見取り図にすることです。
座標軸を基準に描く空間の書き方は自由ですけれど、問題に応じて理解しやすいポジションから見た図にすることがベストです。
と言われてもそれだけでは分かりませんし、迷いますよね。
通常は3種類ぐらいの書き方があります。
その話を進める前に、一つの問題を素材にして考えいくのが実践的ですので、まず問題をご提示しておきましょう。
問題は難しそうに見えますが、空間のイメージを理解するためには格好の素材です!
立ち読みをお楽しみください
空間問題を捨てない超初歩【精密自動機械設計のプロが教える見取り図の書き方】の立ち読みができます。
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