子どもにスマホを持たせたくない親ができること

今日、たまたま、一定の年齢に達するまで子どもにスマホを持たせないようにするアメリカでの試みの記事を見かけたので、少しだけメモしておこうかと思います。

子どもにスマホを持たせないと苛められる?

まぁ、どこの国でも悩ましき問題であることに変わりはないようですね。
保護者として、その最大の悩みは「子どもにスマホを持たせないと苛められるのではないか?」という恐れのようです。

私の子どもたちの中高生時代は、まだガラ携の時代でしたけれども、既にほとんどの子が持っていました。
そんな中、高校卒業までは持たせないという方針を中学に入る前から、前に正座させて我が家の方針として言い聞かせていました。

少し脱線しますが、最近、「我が家では・・・」は子どもに言ってはいけない言葉と仰る俗物心理学の理論を本で見かけまして驚きました。

まさか、親は教育方針を持つなということではないでしょうが、子どもに「我が家では・・・」なんて話してはいけないんだそうです。
まぁ、そんな理論を聞かされても、私は「ふーん」なんて頷きませんけれど…。

そうは言いながらも、もちろん、親としては、「スマホを持たせないから苛められる」事態が起こるかもしれないことは、当然想定していましたし、不安に思っていました。
そうなったら、その事態に対して何らかの対処をしなければならないことは覚悟はしていました。

結果的には、二人の子どもとも何も問題はなく、むしろ人気があって困るというほどの状態でしたし、大学を卒業する頃には、その当時も何も不満に思わなかったこと、今では感謝さえしていると話してくれました。

だからと言って、そういう向き合い方が一般的にあてはまるのか?というと、それは違います。
それぞれの家庭、それぞれの子どもは、あらゆる面で何もかも違うわけですから、対処は違って当然です。
何よりも、三つ子までどう育てて来たのかの流れが全く違うわけですから…。

「我が家では許しません」にしろ、ごく一般的な対処にしろ逆効果になる場合もあって当然です。
だからこそ、子育てなのではないでしょうか?

さて、悩ましき問題であるというのは、スマホには大きな不安材料がこれとばかりにあるということです。
「中毒になるんではないか?」「バカになるんではないか?」

これは、すでに現実に現象として明らかに現れています。
統計データとしても、中毒症・集中力欠如症・思考力低下などと関連付けられてきています。

この点に関しては、異論を唱える方もいらっしゃいますが、ここでは、「スマホを持つこと」によって「心がスマホに支配される」層が無視できないほど生まれるという私の持論で話を進めさせていただきます。

よく、「スマホは悪く言われているけれど、意外に高校生にも何の悪影響も与えていない」などと、さしたる根拠もなくそれらしく書いてある記事も多く見かけますが、記事のサイドや途中に、スマホ関係の広告が貼ってあったり(マッチング広告ではなく意図的に)するのには笑ってしまいますね。

スマホの売り上げが鈍化したら困る人々や、スマホのPRで儲ける人々の巧みな言葉を鵜呑みにしてはいけないということは、常々意識しておくことが賢明でしょうね。

もちろん、使い方次第なのですが、自制や自律も知らない頃から与えて、上手く使えるわけがありません。
何の取り決めもなく無節操に不必要に幼い頃から与えることが、どういう顛末を招くかは、もう10年もすれば実証として明らかになってくるのではないでしょうか?

享楽的なアプリはどんどんエスカレートしてくるのが市場原理の宿命ですから、けじめをつけてスマホを使える精神に成長していない限りは、悪影響を及ぼすことは100%間違いのないことです。

にもかかわらず、すでに売り上げも鈍化してきたスマホ市場は、格安スマホの過当競争時代にまで突入し、さらに全てを食いつくすための消耗戦の時代に入ることをも憚らないかのようです。

スマホを持たせてもらえない子の疎外感を救う

どうやら高校生では9割以上が持っている時代に入っているようですから、ここまで来ると、流石に持っていない子の疎外感は相当なものがあるでしょうね。

キッズ相談などを見ますと、スマホを与えてもらえず、親を恨んでいる子もいれば、極めて少ないですが、自ら何の必要性も感じない子までいます。

また、スマホがないために弾かれる子も居れば、スマホがなくても弾かれない子が居るのも現実のようです。

そういった諸々の現実の中で、ではどうすればいいのか?という問題解決に一石を投じるのが、冒頭記事のアメリカでの動きではないかと思います。

アメリカには、「Wait Until 8th Pledge(8年生まで待とうという約束)」という運動があります。これは、「子どもが8年生になるまではスマートフォンを与えません」と親が誓約するオンラインの署名運動です。日本でいえば、中学を卒業するまでといえるかもしれません。

ただし、子どもを同じ学校に通わせている家族10組から署名が集まらなければ成立しません。署名数が10家族に達すると、「この誓約は、お子さんの学校で有効になりました」というメッセージが届きます。

アメリカでのこういうアクションの出現は日本ではどうなのでしょう?
アメリカでも「今ごろになってやっと?」という感はありますが、やはり目に余るツールになって来たということなのかもしれません。

日本でも追随して出てくる運動なのではないかという気はしますね。

まだスマホの所有率が少ない状況でしか威力を発揮できないという制約はありますが、なかなか的を射た面白い試みですね。
おそらく、小学校の段階でしか発案できない、あるいは中学入学当初にこそ有効なアクションではないかと思います。

同じ学校に通う保護者のより多くが同意すれば、一人でも多くにスマホの弊害を被る時期を遅らせることを実現しやすい環境が作れます。
しかし、それより何より、一人だけ持っていないという状況を回避できることが最大の効用ではないでしょうか?

その意味で、将来の予防策として、「スマホを与えることは少なくとも中学卒業まで待とう!」の輪を身近に作っていくことは非常に有効なことだと思います。
もっと言わせてもらえれば、発達教育的には、本来は18歳まで待たせるべきだと私は考えています。

18歳まで、やるべきことを一生懸命やって来たのであれば、その後でスマホを手にしても、それにのめり込むようなことは激減してくると思います。
私の論理からすれば、14歳~17歳ほどスマホなどにかまけて時間をロスしてはいけない時はありません。

保護者の多くは、様々な不安を感じながら、あるいは不吉な予感も感じながら、仕方なしに必要悪的にスマホを与えているようにも見受けられます。
自分の子どもだけがスマホを持っていない状況だけは回避したい一心なのではないでしょうか?

それもこれも親自身が孤立しているが故に、心ならずも流れに身を任せねばならないことの別表現だと思えます。

すでに、自分だけがスマホを持っていない状況の下では?

高校生にもなれば、スマホを持っていないのは、もう自分しかいないという状況はあちこちであるでしょう。
そうなると、このような運動や働きかけは実質できません。
持っている子の親に「お子さんのスマホを取り上げませんか?」と持ち掛けても、時すでに遅しですね。

お子さんが、全然問題なく学校生活を送られていれば、何も波風を立てることはないでしょうが、それでも、本当のところは疎外感に苛まれているのかどうかはじっくり観察と対話で探ってやらなければならないと思います。

もし、それが精神的に深刻であると見てとれば、スマホの持つ有害な毒性をも説明した上で、条件付きで与えてあげるなどの譲歩も必要な場合があると思います。

とにかく、腹を割って話し合う機会を持つことも考えられては如何でしょうか?

というのも、現実的には、部活の連絡がLINEで入ったりして、それで肩身の狭い思いや阻害された思いをしている中高生は多いようです。
個人的な趣味の範囲であれば、スマホがあろうがなかろうが、それは個人の自由で済むのですが、公の活動で使われると、確かに肩身の狭さや疎外感が生まれてしまいますよね。

学校側と連携する

この辺りは、いくら部活とはいえ、学校側にも配慮していただきたいことですね。
スマホを持っていない子は立場がなくなってしまいます。

もちろん、ほとんどの学校が校内での使用禁止をされているのでしょうが、学校側が「スマホを持っていて当然」「学校外で使う分には便利」と教育的な側面と切り離して考えてしまっているのだとすれば、少し首尾一貫性が疑われます。

もし学校側が家庭に向けて、スマートフォンの危険性や子どもの集中力の低下、ソーシャルメディアによるいじめなどについて話してもらえれば、それがきっかけとなって、あなたが呼びかける「Wait Until 8th Pledge」に賛同する親が増えるかもしれません。

記事の通り、学校側に参加を呼び掛けて、持っている子にも持っていない子にもプラスになる啓蒙活動を不断に行なっていく体制ができればいいですね。

結局は、リアルの充実感を共に味わえる家族の輪を拡げていくこと

アメリカでもどこの国でも毅然とした親は居るものです。
Royall氏のように、たとえ2,3家族でも輪の中に引き入れると、「現実の生活のおもしろさを知っているし、遊び仲間もいつもいる」状態が作れたのですから、出来る限り早い時期に、同じ価値観を持った親同士の輪を作ることが大切なのかもしれません。

こういうことが出来れば、その子供たちはスマホを持つようになっても、健全に使いこなしますから、理想と言えるのではないでしょうか?
何故なら、彼らはリアルで、本当に面白いことを体験して来たわけですから、決して仮想世界を面白いとは思わないからです。

バージニア州在住で2人の息子を持つ母親のMolly Bosscher氏は、子どもたちが高校3年生になるまでスマートフォンを買い与えませんでした。彼女は、当時を振り返りつつ、こう話しています。「子どもたちと外に出ましょう。友だちとの川遊びや、高いところからの飛び込み、キャンプといった外遊びを促すのです。毎週の散歩やスポーツをさせましょう。そして毎晩、夕食を囲んで子どもと話をしましょう」。親は子どもに、お菓子ばかり食べずに健康的な食事をとるよう教えるものです(少なくとも、教える努力はします)。それと同じように、電子機器を使う時間と、現実世界で活動する時間のバランスをうまくとるよう導きましょう。

著者が言うように、このような輪を拡げていくことは、実際にはそれほど簡単なことではないでしょう。
しかし、身の回りに【リア充】を追い求める小さな輪さえあれば、何物にも替えがたい自分の充実した居場所ができるのではないかと思います。

追伸

2013年、厚生労働省研究班の発表として「中高生のネット依存症は51万8千人と推定されています。」というニュースが日経などのメディアを通して流れましたが、これは厚労省の研究費補助金をもらって研究している研究者(大井田隆・日本大学教授)が流したもので、厚生労働省研究班と言えるのかどうか?

その証拠に、私も一生懸命探しましたが、厚生労働省のデータベースには一切そのような内容の報告はありません。

この報道の仕方の善し悪しは別にして、善かろうが悪かろうが、のべつまくなしにポンポンと拡散されていくところがネットの怖いところです。

これは、脳がその流れに追随しようと、無思考状態を受け入れることを意味しますから、それが怖いところです。

ネットやスマホに関する公機関の統計や報告をご覧になる場合は、やはり総務省の情報通信白書がパブリックではないかと思います。

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