関数の正体を見破る基本問題
日本語で理解する人しない人
今日の書きなぐりノート
まず、この問題を見てチンプンカンプンという君は、【数学を日本語で理解する】ということを知らずにここまで来たということが言えるかもしれないね。
このことを今、鮮やかに頭に入れておいて。
人並みに数学を勉強できてきたという子の中には見た瞬間に答えが出てくる子も多いと思われる問題だ。
それに、どこかでは必ず問題として出題されている問題だろう。
つまずきそうなポイントを絡めながら、少しずつほぐしていこうかね・・。
- 常識として
- 関数という概念を日本語で理解しておく
- 材料xとしてある実数を入れると、【ある規則】に応じて加工された製品が出てくる。
- 次に、材料xとして先ほどと違う実数を入れると、やはり【ある規則】に応じて加工された製品が出てくる。
- 記号の使い方に惑わされない
- 材料Xとして、(x+y)を採用したとき、【ある規則】に応じて加工された製品はf(x+y)
- 材料Xとして、xを採用したとき、【ある規則】に応じて加工された製品はf(x)
- 材料Xとして、yを採用したとき、【ある規則】に応じて加工された製品はf(y)
- 具体的に想定することで見えてくることがある
一つの問題の中で使われる関数の記号が同じであれば、その問題の中では同じ関数を表すという初歩的なことにも気を付けておいてよ!
この問題での関数f(※) は全て、※を変数とした同じ関数(規則)を表している。
実数xの関数yと言われたとき、
出てきた製品は、それぞれ違うかもしれないし同じかもしれない。
例えば、実数a1を材料として入れて出てきた製品をb1としてやろう。
次に、違った実数a2を材料として入れて出てきた製品をb2としてやろう。
どちらも同じ【ある規則】で加工された製品であることに違いはない。
こう考えると実に分かりやすい。
a1≠a2(違う材料)であったとして、同じ【ある規則】で加工されて出てきた製品はb1≠b2 かもしれないしb1=b2かもしれない。
何故なら、【ある規則】が【投入された数字を二乗せよ】という規則であったとすれば、2を材料にしても、-2を材料にしても、出てくる製品は同じ4だという例を目の当たりにすれば分かるよね。
材料xを入れると、【ある規則】に応じて加工された製品yが出てくる。
数学の場合は、材料xとして数を入れ、製品yも数として出てくる。
この【ある規則】のことを関数と呼ぶことを、まず心にかみ締めておこうか!
f(x+y)=f(x)+f(y)を見たとき、関数f(x)と言われれば分かるけれど、関数f(y)と言われると途端にチンプンカンプンになる傾向が結構強い。
関数というと、y=f(x)で習うし、問題でも多くはこの形で出てくる。
そこに、f(y)などが出てくると、y=f(x)のyとごっちゃになって混乱してしまう。
例えば、本問題では次のように考えてみる経験を積んでみようか?
【ある規則】すなわち、ある関数f(X)がある、
わざと、ここまで使われていないX(ラージエックス)を変数として関数fを考えてみる。
すると、
通常、一般的に関数y=f(x)として使っているyは変数(材料)xに応じて出来上がった製品のことを表しているけれども、この問題の場合は、xも yも、ある関数f(X)の変数(材料)であるXとして投入される数なんだということが分かるだろう!
そして、どちらの数も、どんな実数(任意の実数)でも構わないということ。
xもyも関数fの変数として考えるべき記号として与えられていることが分かってもらえただろうか?
ともかく、日本語で理解しておくと次のようになる。
【ある規則】において、材料xを入れたときに出てきた製品と材料yを入れたときに出てきた製品を掛け合わせると、【ある規則】に(x+y) を材料として入れたときに出てくる製品と同じものになる。
ここで、ちょっともったいぶった説明から入るよ。
何故なら、この日本語でもピンと来ないことは大いにあり得るからだ。
でも、必ず、後で繋がって来るから心配することはない!
ピンと来なければ、君が知っている関数を片っ端から当てはめて考えてやればいい!
片っ端などと仰々しく言ったって、君が知っている関数など、たかだか片手があれば数えられるほどしかないだろう。
一次関数・二次関数・三角関数・指数関数・対数関数・分数関数…
文系の諸君ならせいぜいこの程度で止まっちゃうだろう。
片っ端などと言ってもたかがしれている。
一次関数?
y=aXなんか~?
(一般式はy=aX+b だけれど、単に探索中だからaXで探りをいれれば十分)
変数Xに(x+y) を入れたものはa(x+y)
変数Xにxを入れた関数とyを入れた関数同士の掛け算はax*ay
これが等しい?
a(x+y)=ax*ay ?
全然成り立たたねぇじゃん…
これで構わなねぇんだよ。
少なくとも、抽象的だったf(x+y)=f(x)+f(y)なる式の意味が具体的になったろう!
そのことが大事なんだね。
ここで、どの関数かの目星がついたのであれば前途有望だし、つかなかったとしても、この先を読んでくれれば、必ず目星がつくようになるはずだ。
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理系の諸君には、(常)微分方程式を解いて、直接、関数の正体をあらわにすることが今の知識で充分出来るところも見学してもらえる構成としています。
本題執筆の主な底意は、
- 日本語で理解しておけば、全てが好循環になってくる
- 記号に惑わされた経験こそが惑わされない力を育んでくれる
- 何かを具体的に想定すれば、たとえ間違っていても問題の理解は一歩進む
※本Web上では、数式・記号は特殊記号を除いて、msimeの通常テキストベースで記載しております。
よって、少し見難い場合もありますがご容赦ください。
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