大谷翔平選手の81マス曼荼羅チャートを真似する前に知っておくべきこと
智恵の金剛曼荼羅
メジャーリーグで衝撃デビューを果たした大谷翔平選手が大成した秘密として81マス(9×9マス)のテーブルがテレビで紹介されていましたが、本【帝都大学へのビジョン】本編に付属されている合格マップもまさにこのチャート『智恵の金剛曼荼羅』です。
曼荼羅チャートは、目標達成やアイデア発想などのシートとしてよく利用されるようですが、他には、例えば記憶するためのイメージや思考の整理としても使うことができるのではないかと思います。
他にはマインドマップが有名ですが、こちらは予想通り、如何にアーティスティックなマップにするかに神経が行っちゃってる人も多いようです。
一時期、某塾のマインドマップを利用するやり方がその中身だったという高校受験の勉強法がよく売れていたようですが、教育産業にして、こんな程度かという思いがしますね。
※ちなみに、【帝都大学へのビジョン】本編に付属されている「合格マップ」(PDF10ページ)はあくまで付属扱いです。
端的に言えば、勉強の仕方の本質・コアを短いワードにして曼荼羅チャートにまとめたものに過ぎないのですが、理解・納得された生徒さんには、日々の確認と持続性への鼓舞に大いに役立つものです。
※すなわち、この合格マップだけ見ても「ぬかに釘」。その背景と意味を深く心に沁み込ませていないことには何の用もなしませんので「付属」としての価値しかありません。
※「本編」及び「別冊:子育て18切符」のそれぞれの単品にも付属させております。
大谷翔平選手が高校1年生で埋め込んだ曼荼羅チャート
出典:スポーツニッポン
大谷選手は右図のように81マス埋め切って、これを毎日道標とし実践されたのでしょうね。
だからこそ、それは人生が一流に仕上がりつつあるのでしょうが、私たち凡人にはなかなかできることではありません。
花巻東高校で与えられたとはいえ、そもそも81マスを埋め尽くすことは16歳の少年にはなかなか出来ないものです。
その上、マスを見て頂ければ分かるのですが、「運」「人間性」も左右するからと、これらを大きな1マスに充てるという発想がスゴイじゃありませんか!
さらに、それを実現する課題として「ゴミ拾い」「部屋掃除」「思いやり」「感謝」等の言葉を埋めていくところに、彼自身の非凡さを感じずにはいられませんが、同時に親御さんの育て方が見て取れるのではないでしょうか?
確実に言えることは、まともな世界で名を馳せる人は、必ず親から、真っ当な躾と指導を受けいていますね。
アコギな世界やバブルの世界で名を上げるような御仁は、この限りではありませんが…。
子ども全員を東大理Ⅲにやったと自慢のどこかのお母さんが、子どもに手伝いなどさせてはならないと仰ってるのとは対照的ですね。
まぁ、家庭の手伝いしたことがないなんて、親子双方の神経を疑うような異常さだと思いますけど…。
東大理Ⅲを出たからといって一流とは限りませんし、下手をすれば四流と言われても仕方がない例だってあるかもしれませんよ。
形式や手法だけに目を奪われてはいけない
いずれにしても、曼荼羅チャートだとかマインドマップだとか、そういった形式や手法だけに目を奪われないことが最も大切なことです。
一流と呼ばれる人や二流の人がみんなそういったものを作って来たわけではありません。
ただ、一流であろうが二流であろうが三流であろうが、「明日は今日より向上しよう!」と頑張ってる人は、何らかの形でマスを作り、マスを埋めることに相当する作業を行い、何よりもそれを日々意識しながら頑張って来たことだけは間違いない筈です。
形式は違えど、どこかでは必ず目標に達する戦略を練り、計画的に日々を過ごしてきたことだけは確か。
そして、そういう人は日本のどこかにはたくさん存在するということに思いを馳せてみてください。
ですから、曼荼羅チャートだとかマインドマップだとかの形式が本質なのではないのですよ。
それを、巷で話題になっているからやってみようとかといった次元では、そのこと自体が本末転倒だということを忘れないで下さい。
本末転倒の最も適した例は、マインドマップに見られるように、マップの綺麗さや斬新さや芸術性を競い合ったり褒め合ったりすることです。
何のためにそれをやるのかの目的だけは、決して、常に忘れないで欲しいのです。
『見える化』の意味と効用
とは言っても、目標設定やアイデア創出のために『見える化』をしておくことは、常に課題を意識化させてくれたり、ついつい忘れがちな実践要素を意識化させてくれ、漏れを無くするためにはとてもナイスなアイディアであることは否定のしようがありません。
『見える化』というのはジャストインタイム(JIT)生産方式を組み込んだトヨタ生産方式の屋台骨の思想であり、総じて日本を技術立国にした立役者です。
だからこそ、その中には一つのことを達成するための深遠な経験値としての概念が含まれており、学ぶということに関しても、そこから得ることは多いわけです。
『見える化』やジャストインタイム生産方式の思想は、本【帝都大学へのビジョン】の方法論自体の中にも当然流れているというか、流さないことには学習方法論などは成り立たないと言っても過言ではありませんから、軽い説明とともに本質として採り入れております。
ですから、『見える化』という目的を果たすものであれば、別に曼荼羅チャートでなくてもマインドマップでなくても構わないのですね。
自分で分かりやすい表現であれば、マンガでもブロック図でもツリーでも構わないんですよ。
現に、今までの人はみんなそうやって課題を達成しようとして工夫をしてきたわけですから…。
ネット時代ですから、あなたが、このようになりたいと目標にしている人に一度質問されてみては如何ですか?
「マインドマップを作って暗記しましたか?」「曼荼羅チャートを作って自分の心を鼓舞されましたか?」と…。
ほとんどの人が「否」と答えるでしょう。
しかし、それぞれのやり方で暗記をし、習慣に定着するまでは何らかの形で自分を管理することはされていたはずです。
ただ、この金剛界曼荼羅形式のチャートは要点だけをしっくりとまとめることに適しており、しかも私たち凡人への 『見える化』には非常に適していると考えています。
素直に表現すれば、よほどの変わり者でない限り、自然とこういったテーブル形式やツリー形式にまとめようとするのではないでしょうか?
やはり、人の心の中ではシンプルな形式が一番分かりやすいですし、始動時に見える化しておくことは長続きすることに繋がることは、全てのことに共通しているように思います。
大谷翔平選手の81マス曼荼羅チャートだけでは不備な理由
大谷翔平選手の場合は、プロ野球8球団から1位指名を受けることを目標として、これを中央大マスの中心に設定し、その周囲8つの小マスに目標を達成するための課題要素を散りばめています。
さらに、その中央大マス中の周囲の8マスの要素は、全体の周囲の大マスの中心に入りますから、実質上は目標を含め課題要素とその実践方法を81-8=73個を決定するということになりますね。
全体の目標設定シートとしては申し分ないところですが、君が野球に秀でていたとして、且つ、自分自身で埋め込んだとして、大谷翔平選手とまではいかなくてもこのチャートだけでそれなりの成功を収められるでしょうか?
なかなかそうは問屋が卸さないのが世の常です。
例えば、「160Km/h」を達成するために「ピッチングを増やす」という実践要素が挙げられていますね。
これは、勉強法においては「覚えるべきことを全て記憶する」を達成するために「反復回数を増やす」を挙げることと似ています。
しかし、この言葉で達成できるでしょうか?そもそも、正しいことなのでしょうか?
正しい方法なのでしょうか?具体的には何回すればいいのでしょうか?
誰かさんが仰っているように7回読めば勝手に覚えているものでしょうか?
そうですね!実際にはチャートに明示されていない具体的な方法論こそが成否を左右します。
厳密に言えば、小マスである「160Km/h」を達成するための具体的な方法論、それも正しい方法論を挙げる個別の81(9×9)マスチャートこそが本当に必要なものなのですよ。
大谷翔平選手の場合は、最初から才能を見込まれていたこともあるでしょうが、やはり指導者や周囲が的確なアドバイスをしていたから、大枠の目標達成チャートだけで十分だったと言えなくもありません。
そうでなくとも、その方法論で給料を取っているコーチやトレーナーさんの情報はある程度共有されているでしょうし、この分野では誰彼なく無責任な情報を発信する人も少ないでしょうから情報に惑わされることも少なく、大きく間違えることもなかったと言えましょう。
しかし、勉強法の場合は勉強法で給料を取っているプロはいない(自称は除きます)上に、誰彼なくからの膨大な発信がありますから、このレベルのチャートだけでは「家に帰ったら復習しなさい」ぐらいのことしか表現できないのが現実です。
さらに、そもそも勉強の成績を上げるために同じように9×9マスの曼荼羅チャートを作ろうとしたときに、君は全てを埋めることができるでしょうか?
まず、埋めることが出来ないのではないでしょうか?
たとえ埋めることが出来たとしても、その実践方法までを表現することは出来ないのではないでしょうか?
それが出来ないから情報を捜し求めておられる筈ですよね。
本当のことを言えば、大谷選手のように自分でマスを作り自分で埋めることが本当のスタートラインに立つことなのですが、それは、今までやる気がなかった人が意を決して全体のプラン設計図を立案するステップなのです。
要するに、目指す目標を持って初めて意味ある全体の目標設定チャートが作れるということです。
その上で、厳密には、目標達成のための各課題要素を達成するための現実的方法論の個別チャートこそが最も重要な部分になるということなのですよ。
しかし、ここまでやることは大変な労力を要しますし、その割には、例えば1時間ごとの計画を練るのと同じぐらい非効率的なことになってしまいます。
大谷翔平選手のチャートで言えば、「160Km/h」を達成するために「ピッチングを増やす」なのですが、「ピッチングを増やす」というワードの背景には、彼自身の専門知識や何より指導者のアドバイスや管理が付随しているという前提があるから、これだけで十分なのですね。
ところが、「覚えるべきことを全て記憶する」を達成するために「反復回数を増やす」の場合は、「反復回数を増やす」というワードの背景には、あなた自身の知識が確固たるものでもないことに加え、指導者のアドバイスや管理もないという事情があるだけです。
ネットの情報を見渡すと、「何十回も繰り返せ」だの「7回読め」だの挙句の果ては「10回以上繰り返せ」だの「100回読め」だのとそれぞれの発信者の数だけの情報を目にすることになり、しかも「何をどのようにどれほど繰り返すのか」ということや繰り返しの本質がないがしろにされたまま、混沌の中に放り出されたままです。
大谷選手のように、周囲の優秀な指導者から適切なアドバイスを貰える環境ではなく、全然プロではない人々の無責任な発言や思い付きといった雑音の方が大きい環境だという認識だけは持っておかないとエライ目に遭います。
大谷翔平選手の曼陀羅チャートと同じように作っても、一つ一つの言葉の裏付けが全く相違するのです。
誰が、将来有望ともどうとも分からない君のために、心から有益なアドバイスを与えてくれますか?
さらに、勉強法に限らず世の中のノウハウ書は、たかだか偏った一つのマスだけをあてがって、「これをすれば目的が達成できる!」と大げさに叫んでいるものがほとんどです。
いかさま師ばかりが跋扈する世の中だからこそ、自分自身で勉強法が確立できない人には、やはり導火線となるような初期値を与えてくれる真の良き指導が必要です。
志望校合格ぐらいなら、大げさに考えることはありません。
各大マスに3つの根幹だけをピックアップしたチャートを毎日道標とすることで十分に成就できます。
付属した合格マップが、私たちの考える勉強法の最大公約数の表現であり、出来ない子にもできる子にも、万人がその器に応じて容量を増やしていけるための道標です。
いい加減、心ないおバカな守銭奴に騙されるお人よしだけは卒業しましょうよ!