細菌性膣炎 | 種類・原因・対策 | デリケートゾーン(2)

膣炎が治らない!

「膣炎が一向に治らない」あるいは「膣炎がすぐに再発する」とお悩みの女性は多いようです。

医療機関で治療をされる場合がほとんどでしょうが、(1)でも述べましたように、抗生物質(例:クロマイ・フラジール)による治療にも限界があることを裏付けるかのような現象です。

実は、抗生物質で症状が一時的に緩和されても、半数以上の女性で頻繁に再発するのが現実。

これは、抗生物質は膣内の細菌バランスに影響を及ぼすため、再発リスクが高くなったり、耐性菌が出現するリスクが高まることがあるからです。

また、現実には誤診も多いようですよ。
まぁ、盲腸ですら診断できない医者も少なくないぐらいですから、細菌性膣炎と他の炎症を見分けて正しい診断を下せる医師も、意外に少ないのではないかと思います。

デリケートゾーンの悩み

膣炎は生命に危険が及ぶような病気ではありませんが、放置していても自然に治ることはあまりありませんから、どう転んでも「しつこい」病気と言えるかもしれません。

細菌性膣炎は、膣付近にいる大腸菌・ブドウ球菌・溶連菌などの細菌によって引き起こされることが一般的で、とりもなおさず、膣内の自浄作用が弱まっていることを示すものと言えるでしょう。

膣炎は不快で嫌なものですが、(1)でも申し上げたように頭の固い日本では『灯台下暗し』に気付かないだけであって、治療は可能です。

適切な治療によって快適な生活を過ごせるようなる可能性は大きく拡がっているのです。

膣炎の症状

膣炎とは膣の炎症で、成人女性の1/3が罹る、とても一般的な病気で、成人女性に加えて、幼児や老人でも見られることがあります。

膣炎にかかると膣の組織は赤くなり、腫れて、かゆみ等の症状がみられます。

また、おりものが増え、悪臭がしたり、痒みや、やけるような感覚を感じます。

膣炎の種類と原因

膣炎の種類

膣炎の種類は下記のように種々ありますが、最も一般的な原因は細菌感染によるものです。

  1. 細菌性膣炎:40~50%
  2. カンジダ症:20~25%(真菌)
  3. トリコモナス:5~20%(原虫)
  4. その他:15~20%

性交が原因かどうかの質問が多くあるようですが、これは一概には言えることではありません。

性交が原因の場合もあれば、性交を全くしていない状態でも起こります。

膣炎の原因

膣炎の原因は大きく分けて3つの要因に分類されます。

医学的な原因
  • 抗生物質の使用(他の病気の治療で使用した場合)による、膣内善玉菌の消失
  • 経口避妊薬の使用
  • 膣の頻回の洗浄
  • 妊娠、直近の出産
  • 肥満や糖尿病
物理的な原因

膣の粘膜の損傷・外部からの悪玉細菌等の侵入

  • 新しいパートナー
  • タンポンの使用
  • きついスラックス
免疫機能の低下

睡眠不足・ダイエット・ストレス疾病などによる感染に対する抵抗力低下

  • 免疫(体力)の全般的な低下
  • 過度のストレス(睡眠不足、過労)
  • 栄養不良(食事のバランスが悪い場合等)
  • 重篤な疾患

これらの原因に名を連ねている項目に関連するような行為は出来るだけ避けてください。

予防に勝る対策はありません。

膣炎の問題点

  • 細菌性膣炎が増加してきている(生活様式や性生活への意識の変化)
  • 約半数は無症状で悪臭を発する場合がある
  • HIVに感染しやすくなる
  • 妊婦には早産のリスクを高める
  • 子宮内膜炎や卵管炎の引き金になる可能性

細菌性膣炎の対策

細菌性膣炎の治療には抗生物質(多くの場合は、膣錠)が使用されます。

メトロニダゾール、あるいはクロラムフェニコールの膣錠、及び外用薬・内服薬が処方されますが、近年では、基本的にメトロニダゾールが第1選択薬となりつつあります。

実際、抗生物質で高い効果が期待できますが、その一方で、悪玉菌だけでなく善玉菌も殺す場合があります。

そうなった場合に、どちらが先に再生するのか?

運よく善玉菌が再生してくれればいいのですが、如何せん、これは神のみぞ知るところです。

(1)でも述べましたが、現実として細菌性膣炎の再発率は50%を超えています。

欧米では、抗生物質療法を補うものとして、エビデンスの認められた方法として乳酸菌(プロバイオティクス)を積極的に用いる方法が大きな効果を上げています。

その背景には、【膣内の乳酸菌の役割】に注目した鋭い着眼があります。

頭の柔軟性に欠ける日本では、まだあまり知られておらず、その点では後進国と言えるのかもしれません。

【重要】膣内の乳酸菌の役割

健康な女性の膣内には多くの種類の常在菌が存在していますが、その大部分(75~95%)を占めているのがデーデルライン桿菌という乳酸菌の仲間です。

貴女はすでにご存じのことと思いますが、これは膣を感染から守る善玉菌です。

膣内の上皮細胞が女性ホルモンのエストロゲンの作用で分裂を促進されると、上皮細胞から離脱し、ここに蓄えられたグリコーゲンは糖化酵素によってブドウ糖(グルコース)に代謝され、このデーデルライン桿菌はブドウ糖から乳酸を作ります。

その際に、殺菌作用を持つ過酸化水素をも産生することが分かっています。

ここで、勘の鋭い貴女なら気付かれたかもしれませんが、先に紹介した【インクリア】は、最終形の『乳酸』を注入するわけですから、この過酸化水素水の産生には寄与しないところが弱点になるのではないかという疑問が湧きますよね。

この疑問は、正直なところ、『膣炎症・おりもの異常における乳酸注入と乳酸菌注入の効果差』の研究でもない限り分かりません。

ともかくも、この乳酸のおかげで膣の中はpH4~5くらいの弱い酸性状態が維持され、病原性のあるカンジダや細菌(感染症を起こす悪玉菌)が酸に弱いため、膣内を酸性環境に維持することで感染を防ぐ自浄作用を果たしています。

さらに、仮に病原菌に感染したとしても殺菌作用の強い過酸化水素がやっつけるという二重の防護壁を築いてくれていると言えます。

また、デーデルライン桿菌という「先住民」がいるお陰で新参者が侵入しにくい状態になるということも言えるかもしれません。

ですから、善玉菌であるデーデルライン桿菌が優勢であるバランスを崩さなければ、自浄作用によってトラブルが防げるわけですが、上記のような原因でバランスが崩れると一転して「しつこい」慢性的な病気、症状に陥ってしまうのですね。

最近(2017年)では、デーデルライン桿菌が、ジカウイルスや単純ヘルペスウイルス2型の感染を防ぐ可能性が高いとの研究までアメリカの学会で報告されています。

デーデルライン桿菌は、ものすごく大切な乳酸菌だということですね。

この、『灯台下暗し』的着眼方法を、日本に初めて導入したしたのが「ラクトフローラ」です。

2017年には、遅ればせながら目をつけて後追いする大手通販も出てきました。

また、似て非なる商品もチラホラ見受けられますが、実際の口コミを読まれれば、その差は歴然とするのではないかと思います。

「インクリア」に関しましては追って詳細を記して参りますが、ラクトフローラと決定的な違いがあることは先ほど述べました。

その違いが、どれほどの効果差なのかは、これも先ほど述べましたように確定は出来ません。

ただ、理論的に考えていきますと、今は

  • 治療的な目的が強ければ強いほどラクトフローラが適しているということ
  • 特に病気ではないと診断された場合や美容的な目的も考慮される場合にはインクリアも候補としてもよい

という認識が最も最大公約数の選択ではないかと考えています。

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プロバイオティクス(Probiotics)は価値があるかも

世の中に出ているサプリメントは、概ね7,8割がいい加減なものですが、やはり2割程度は、なるほどサプリメントとしてして実の伴った価値が認められる製品はあります。

その一つが、プロバイオティクス(Probiotics)です。(但し、商売になるからと新規参入して起ち上げたような販売技法だけの素人会社には気を付けてください)

国際品質管理基準のGMPやFDA(アメリカ食品医薬品局)、国内では厚労省に認可されたような確かな製品を選ばれるようにしてください。

世界では、医療現場でも常識となっている「膣プロバイオティクス」に関しては、下記のページをご参考いただくと、よくご理解いただけると考えます。

一般的な細菌性膣炎予防のために特化した女性用としてのプロバイオティクスでは、ラクトバチルス・クリスパタス LbV-88、ラクトバチルス・ガセリ LbV-15ON、ラクトバチルス・ラムノサス LbV-96116と、臨床的に選択されて世界のコンセンサスを得た4種類の最適な膣内菌株の内3種を含むベスト6種が配合された下記の製品は、ラクトフローラと同様に価値ある製品です。

定評のある「ラクトフローラ」に含まれる、ラクトバチルス ラムノサス、ラクトバチルス ガセリの2種が含まれている以外にも、エビデンスのある他1種も含まれていることからも、同製品の経口服用タイプと同等以上の効果が見込めるかもしれません。(その通り、使用者の評価も高い)

総合的なプロバイオティクスとしては、ラクトバチルス ラムノサス Lr-32、ビフィドバクテリウム・ラクティスBL-04、ラクトバチルス・パラカセイ Lpc-37、ラクトバチルス・プランタラム Lp-115、ラクトバチルス ガセリ Lg-36など15種の善玉菌を配合した、オーストラリア No.1 プロバイオティクス(善玉菌)は十分にお勧めできる製品です。

ただ、通常的な気持ちとしては、「腸内環境を整える」「便秘改善(何をしてもダメだった頑固な便秘症の私も、唯一ガセリだけは効いています!)」「一般的な健康維持・促進」のためにというスタンスでご利用いただければ間違いはないと考えます。

ニュージーランドの自然で育まれたマヌカハニーやTEA TOTAL社のハーブティなどとともに健康でブリリアントな生活にお役立てください。