クラミジア症のお薬について
クラミジア症のお薬 まとめ
クラミジア症の治療が必要な患者数は減少傾向にあると言われていますが、平成20年以降は、ほぼ横ばい状態。
性感染症の中では最もポピュラーな感染症であり、10人に2人程度感染していると言われています。
主には、性交渉を通じて主にクラミジア・トラコマティスという細菌に感染することで引き起こされますが、女性の場合は特に無自覚・無症状が多いため注意が必要です。
そのまま放置しておくと、女性の場合は子宮頸管炎から子宮内膜炎・卵管炎などの原因(男性の場合は尿道炎・精巣上体炎の原因)となることがありますし、将来をも含めての妊娠・出産にも影響が出る可能性や場合によっては咽頭や眼の炎症の原因となるケースもあります。
クラミジア症の治療薬には、マクロライド系抗菌薬あるいはテトラサイクリン系、フルオロキノロン系(特にニューキノロン系)抗菌薬が主に使われます。
マクロライド系は「ジスロマック」、テトラサイクリン系は「ミノマイシン」、ニューキノロン系は「クラビット」に代表されますが、おそらく、ジスロマック錠かクラビット錠の処方が多いのではないかと考えられます。
クラミジア症もご多分に洩れず、再発を繰り返す方は多いようですから、今までに医師に治療を受けた際に処方されたお薬で、効果があったお薬と同じもの、あるいはそのジェネリック薬を選ぶことで、費用や時間を節約しようと考えることは何も悪いことではないと思います。
その限りにおいて参考にしていただければ幸いです。
ジスロマック錠はクラミジア症治療としては、1日1,000mgの単回投与だけで約90%の感染が治ると言われるほど(実際にはもう少し低いようです)利便性と有効性が高いお薬で、おそらく第1選択薬とされている場合が多いと考えられます。
また、胎児に影響しない(催奇形性がない)とのこととは言え、「妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。」となっていますので、やはり医師の診断を仰がれるべきでしょう。
クラビットも同様ですが、やはり耐性を持つものが出てきて、あまりに多用すると効果効能がなくなってしまうことも頭に入れておかねばなりません。
すなわち、必要以上に予防的に服用することは耐性菌を生み出し、結果的に、違った抗菌剤を求めなければならず、抗菌剤の乱用に歯止めがかからなくなってしまいます。
良き医者は、今までのお薬履歴も参考にしながら、様子を見る投薬から始め、もし効き目がないようであれば、作用機序の違う系の抗菌薬に切り替えるなど、節度よく治療をしてくれると思います。
クラミジア症治療 内服薬
クラミジア症の治療は、マクロライド系抗菌薬またはフルオロキノロン系抗菌薬、あるいは両方の経口投与によって治療されます。
一昔前までは、ミノマイシンやビブラマイシンといったテトラサイクリン系抗菌薬も多く使われていましたが、効果にバラツキがあったり効果がないなどの事例も多く、使われることも少なくなっているようですので、ここでは除外致しました。
基本的には、主に下記の内服薬を投与します。
マクロライド系抗菌薬
- アジスロマイシン水和物錠 250mg,600mg(商品名:ジスロマック錠)
- クラリスロマイシン錠 200mg(商品名:クラリス錠)
テトラサイクリン系抗菌薬
- ミノサイクリン錠 100mg(商品名:ミノマイシン)
フルオロキノロン系抗菌薬
- レボフロキサシン錠 250mg,500mg(商品名:クラビット錠)
- シタフロキサシン水和物製剤 50mg(商品名:グレースビット錠)
いずれにせよ、あまり乱用されますと、耐性菌を生み出し、お薬の効果が消失していく可能性がありますので、ご注意ください。
元凶をお薬でやっつけることはもちろんですが、再発が頻繁なことにお悩みであるのであれば、予防としては、普段からプロバイオティクスで、少しでも膣内環境を良好にする努力もされてみることは必要ではないかと考えます。
※ちなみに、性感染が原因の場合はパートナーも治療しませんと、ピンポン感染で延々と続くかもしれませんからお気をつけください。
クラミジア症治療薬 一覧表
やっつけなければならない相手
細菌:クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)
内服薬
マクロライド系 | フルオロキノロン系 | |||
---|---|---|---|---|
有効成分 | アジスロマイシン | クラリスロマイシン | レボフロキサシン | シタフロキサシン |
内服薬 | ジスロマック錠 | クラリス錠 | クラビット錠 | グレースビット錠 |
メーカ | Pfizer(ファイザー) | 大正製薬 | 第一三共 | 第一三共 |
添付文書 | ジスロマック錠 250mg ジスロマック錠 600mg |
クラリス錠 200mg | クラビット錠 250mg / 500mg | グレースビット錠 50mg |
海外先発薬 | ジスロマック錠 | - | - | - |
海外先発薬 メーカ |
Pfizer (ファイザー) |
- | - | - | 添付文書 | ジスロマック錠 250mg (イギリス版) |
- | - | - |
ジェネリック薬 | アジー(Azee) Cipla (シプラ) |
クラシド (Klacid) Abbott (アボット) |
エルクイン(LQUIN) Cipla (シプラ) |
- |
※「アジー」「エルクイン」製造元のシプラ(Cipla)社は、ジェネリックで躍進するインド製薬業界で第4位にある超大手製薬会社です。
※「クラシド」製造元となっているアボット・ヘルスケア(Abbott Healthcare)社は、アメリカの巨大ヘルスケア&製薬会社アボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)のグループ企業。
どうやら、「クラシド(KLACiD)」に関しては、トルコの会社とのライセンス契約での製造販売ではないかと考えられます。
※詳しくは、それぞれのお薬のページをご参考ください。
医薬品 売上高世界ランキングと躍進するインドのジェネリック薬
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