糖化反応と化粧品と食べる幸せ

肌老化の原因として、『糖化』が深く関わっていることが解明されてきています。
と言っても、誰でもが老化してくるのは当たり前のことですのに、ことさら老化が恐ろしいことのように書き立てて必要以上に不安や「取り残されるぞー」感を煽るようなサイトが多いように見受けられます。
何も考えずに飛びつくのも如何なものでしょうか?
もちろん、ベルマン化粧品でも、『抗糖化』 というキーワードに着目し化粧品として現実化もしております。
特にエステ専売製品には、より先行して『抗糖化』が現実化されているのですが、皆さまのお目に留まる製品にも実はひっそりと仕込まれております。
何が、『抗糖化』に寄与する成分であり製品であるのかは後ほどお話しますので、まずは『糖化』についての基本知識を仕入れておきましょう。
食品や化粧品業界で使われる『糖化』とは、正式には『糖化反応』と呼ばれる用語の略称としているので、一般的に使われる『糖化』とは意味合いが違います。
そこのところを混同しないように区別しておかなければなりません。
さて、『糖化反応』とは、食事摂取され血中に吸収された糖のうち、フルクトース、ガラクトース、グルコースなどの単糖類が、体内にあるたんぱく質や脂質と酵素の働きに依ることなくランダムに結びつき、糖化たんぱく質とも言うべき生成物となって体内に蓄積する現象のことです。
もっと広義に言えば、上記のように生体内での反応だけではなく、タンパク質や脂質に砂糖を調味して調理する時にもこの反応は起こります。
この生成物はAGEs(Advanced Glycation End Products:糖化最終生成物)と呼ばれます。
味の素AGFではありません!
厄介なのは、酵素に依らずに気の向くままにアットランダムに糖化してしまうというところですね!・・・手の打ちようがない!!
ケーキやドーナッツ、清涼飲料水といったお菓子系もさることながら、ステーキや空揚げといった焼き物・揚げ物に特にAGEsが多く生成します。
これらAGEsを多く含む食品を摂取するということは、当然ながら体内に多くAGEsを招待するということになります。
問題は、この生成物AGEsが、
- 基礎的なレベルで分子と細胞の関係を阻害する
- 過酸化水素などの強い酸化剤を生成する
- 非常にゆっくりとしか排出されないので総体的に蓄積が進んでいく
- 特に、コラーゲンのように寿命の長いタンパク質と結合すれば長期間に渡りダメージを与える
という厄介な問題を孕んでいるということです。
そのメカニズムは、高血糖の状態では生体のタンパク質を非酵素的に『糖化反応』を発生させる反応が起こり、タンパク質本来の機能を損うことによって健康維持に障害を発生させるということのようです。
『糖化反応』が、単に老化の原因というだけならそれほど過敏に反応することもないとは考えるのですが、健康上の様々な障害に深く関与している可能性があるということのようですから、出来る限り無駄に『糖化反応』を起こさせない注意はしていきたいものです。
皮膚のレベルで言うと、『糖化反応』によってコラーゲンが糖と結合して変質し硬化し傷んでしまうことで肌の老化が進むということになります。
コラーゲンが傷むことで、現象としてコラーゲン線維の弾力性は低下し、皮膚の色はくすみ、シワやタルミやシミを生じてしまいます。
その上に機能としても、真皮の線維芽細胞の増殖機能やマトリックス成分合成能力が低下しターンオーバー時間(皮膚が生まれ変わるサイクル)が遅延することで、バリア機能や水分保持機能が著しく低下していきます。
お肌の敵には『酸化』『紫外線』『乾燥』に加えてこの『糖化反応』がいたということになります。
では、私たちはどのようなことに注意すればいいのでしょうか?
そこを考えていくと、結局、本質的には「ダイエット」で注意するべき点と大差がないことが分かります。
先ずは、血糖値が高いということがそのリスクを大きくするわけですから、現実的な注意点としては、「糖を必要以上に摂らない」ということですね。
このように言われると、ダイエットと同じように、全く糖質を摂らないようにする方が必ず居られます。
『糖新生』の知識をお持ちならまだいいのですが、それとて急激な糖新生を起こすと高血糖に陥り、それこそ大量の糖化反応を引き起こしてしまうという目論見とは逆の結果に繋がってしまうかもしれません。
どんなことでも『バランスの妙』というものを自分で獲得しなければなりませんね!
- 糖の摂り過ぎ注意!(摂らなさ過ぎも注意!)・・・糖質ジャストフィット理論
- 野菜や海藻など繊維質を先に摂る(ダイエットにも有効)ことで血糖値を抑制する
- もう少し絞り込むと低GI値の食品を優先的に食べる
これしか私たちに出来ることはありません。
もっと積極的に対策するとなれば、抗糖化成分を意識的に採り入れることですね。
但し、生体中の糖化反応は複雑多経路であるため、1経路の反応を阻害してもバイパス経路が活性化され、AGEsの生成を抑制することができないようです。
また、抗糖化成分に関しては、天然抽出成分においても100種類以上が報告されていますが、同じ尺度上でその効果度合いを比較することは容易ではないようです。
これらのことから考えると、複数の抗糖化成分を節度よく摂り入れる(もちろん化粧品・食品に使用して安全と認可されている成分が前提)ということが有効であると類推されるに過ぎません。
たった一つの成分を過剰摂取する危険性と同じく、やはりバランスの妙が最も大切だということではないかと考えます。
さて、抗糖化成分のメジャーなところでは、
- ローマカミツレ花エキス
- ヤマブドウ果実エキス
- トウモロコシ花エキス
- セイヨウオオバコ種子エキス
- オリーブ葉エキス
- チャ葉エキス
- サクラ葉
- セイヨウトチノキ種子エキス
- ヨモギエキス
- ルイボス茶
等においてAGEs生成阻害作用が報告されています。
こんな一部だけを見るだけでも、ベルマンにおいても特に『抗糖化』を標榜することなく使われている成分が多々あることが分かります。
さらに、ベルマン化粧品では積極的に『抗糖化』を主目的に謳っている成分として、
- バイオセルロースマスクに含ませる美容液成分に有機栽培国産バラから抽出のハイブリッドローズ花エキス
- ポルトゥール エッセンス[WH]にはセイヨウオオバコ種子エキス
- マニルカラムルチネルビス葉エキス・・・エステ専売品
- ナノ化カルノシン・・・エステ専売品
などがあります。
医療機器メーカ、アークレイ株式会社が機能食品素材部門として試験的に開発したローマカミツレ花エキス・ドクダミエキス、セイヨウサンザシ果実エキス、ブドウ葉エキスを原料とする混合ハーブエキスAGハーブMIXを基材とした養命酒の製品があります。
(AGハーブMIXはきちんと効果も計測された上で商品化されています)
『抗糖化』を目的として研究揮発された素材ですが、先ほど挙げました「野菜や海藻など繊維質を先に摂る(ダイエットにも有効)ことで血糖値を抑制する」ことに相当させる機能性食品と言えそうです。
きちんとした優良会社のコラボ商品であり、評判も非常に高いようですから、「なんだか内臓も血管もお肌も年齢以上に老化が進んでいるのではないか?」と不安になっておられる方には試される価値はあるかと思います。
その他、あまりお目にはかかりませんが、ワサビにも『抗糖化』の効能があるのではないかと感じることがあります。
私も、おかずがあまりない時や作るのが面倒な時など、ご飯にかつお節を振りかけて、その上にワサビを乗せ少々のお醤油をかけて混ぜ合わせて食べることがありますが、すごくヘルシー感があって意外に美味しいですよ。
とにかく、日々の食事が大切であることが全てでしょうね。
ステーキや空揚げやケーキやバターをAGEsが蓄積するからと断ってしまうのも、生きている幸せの半分を捨てるような愚かな話です。
糖化反応を全く起こさないようになんてできる筈がありません。
老化は必ずするものなのですから、「老化できるまで生きることが出来て幸せ」ぐらいの気持ちが必要ですね。
ただ、生きている限りは出来る限り健康に障害が出ないようにしたいし、できるだけ若々しく居たいですよね。
そのためには、欲望任せではなく自分の体と相談しながら、時には知識でセーブしながら毎日の食事を摂るということではないかと考えます。
繊維質のある野菜をたっぷり摂ってメインディッシュに手を付けるということが、健康にも美容にもダイエットにも最も良い効果をもたらす基本であることは間違いのないことだと体が教えてくれているのではないでしょうか?
お肌のケアにしても、ほぼ安全と謳われている天然成分の中から節度よく『抗糖化』成分を試してみられる気持ちでいいのではないでしょうか?
普通に含まれている成分でも『抗糖化』に寄与している成分もあるでしょうし、『抗糖化』の効能自体比較すべくもなく、実際には製造者側の良心に頼るしか術がないわけですから、やはり化粧品全体としての安全性や配合の妙というものの方に重きを置くのが正しいのではないかと思えます。
最後に重ねて申し上げておきますと、コラーゲンがダメージを受けたからといって、
コラーゲンを口から入れても、そんなに都合よくお肌のコラーゲンになるなんてことは期待できません。
ただ、一定の改善はもたらしてくれるかもしれないことは最近の研究で報告されていることは以前にお話しました。(下記関連記事参照)
しかし、水を飲んだらお肌の水分補給になるなんて誰も思っていないように、正直なところそれほど効率が良いものともまだ思えません。
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