フラジール(Flagyl) 200mg | トリコモナス症治療薬

フラジールはトリコモナス症・細菌性膣炎の治療薬です

フラジール(Flagyl)は、メトロニダゾール(metronidazole)を有効成分とする細菌性膣炎やトリコモナス症に処方されているバクテリア感染、寄生虫感染の治療薬です。

本薬の開発は、フランスのサノフィー社の前身にありますが、現在では世界の製薬会社で作られています。

ご紹介するフラジールは、巨大企業であるアメリカのアボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)傘下にあるアボット・ヘルスケア(Abbott Healthcare)社が製造・販売する製品です。

有効成分であるメトロニダゾール(metronidazole)が、細菌および原虫のDNA合成を阻害し駆除します。

人畜共用のお薬として、犬・猫のジアルジア症の治療薬としても使われます。

日本では、塩野義製薬では「フラジール内服錠 250mg」、富士製薬では「フラジール膣錠 250mg」の2製品が処方箋薬となっています。

「日本薬局方」として、この2種しかなく、ジェネリック薬もありません。

尚、上記前者と同等品の富士製薬「アスゾール錠 250mg」は2017年に製造が中止されています。
塩野義は膣錠の製造を中止しているようですから、おそらく、塩野義と富士の間でテリトリー区分を協議されたのでしょうか?

使用者にとって最も迷うのは、本薬の有効成分の容量が日本で処方されるフラジールと微妙に違うこと、約数になっていないことへの対処だと思いますが、そのあたりは後述していますのでご参考ください。

誰一人として教えてくれる人は居ないと思いますので…。

「フラジール(Flagyl)」はトリコモナス症治療に有効なお薬として多くの方がその名前を知っておられることでしょう。(効果・効能は後述参照)

腟トリコモナス症治療薬の選択肢全体を知っておかれたい場合は下記をご参考ください。

フラジール(Flagyl)の製造メーカは、医薬品業界の再編・統合の流れによって変遷していますが、いずれもが巨大企業であることには変わりはありません。

ローヌプーラン(RHONE POULENC) → サノフィ・アベンティス(Sanofi-aventis) → サノフィ(Sanofi) → アボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)の流れとなっています。

サノフィ(Sanofi)自体は、本薬を製造・販売しているようですので、おそらくAbbott社へのライセンス供与あるいはOEM供給ではないかと推測されます。

Tidbits

製造元のアボット・ヘルスケア(Abbott Healthcare)社は、アメリカの巨大ヘルスケア&製薬会社アボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)のグループ企業(卸販売)で、インドのグジャラートにあります。

Abbott Laboratories社の医薬品としての売り上げは、全売り上げの半分以下のようですが、非公開のため、世界ランキングには掲載されていません。

しかし、それでも、世界ランキング10位前後に位置すると予測されていました。

その上、2013年に新薬事業として同社から完全に独立分社化されたアッヴィ(AbbVie) 社は、今や世界ランキング第8位に上って来ています。

但し、「フラジール(Flagyl) 200mg」もそのジェネリック薬も処方薬ですから、医師の処方なしには手に入れることはできません。

ですから、特に大した診察も必要なく、単に決まりきったお薬を服用するだけの場合は、健康保険が適用される大部分の方においては、処方箋だけを書いてもらって、国で承認されたジェネリック薬だけを処方箋薬局に取りに行くことが最も経済的と言えます。

ただ、「フラジール(Flagyl)」そのものや海外のジェネリック薬を個人輸入で入手することは可能です。

その利便性と、いちいち医師の処方を貰うのも面倒くさい気持ちが相まって、個人輸入に頼るニーズはかなり多いと見受けられます。

余談ですが、トリコモナス感染症は猫にも多く見られる原虫疾患で、症状として大腸性の下痢を発症することが多いとされます。

2歳くらいまでの子猫に発症しやすく、人と同様にトリコモナスに感染した猫の90%が無症状であり、無治療のまま2年以内に改善すると言われています。

猫に感染するトリコモナスの種類は、「トリコモナス・フィータス」と呼ばれる種類が最も多く、感染力も強いとされます。

ペットに関してのジアルジア症では、メトロニダゾールを有効成分とする『フラジール』をご紹介していますが、トリコモナスに感染した猫の場合は「チニダゾール(Tinidazole)」の方が有効であると言われています。

フラジール(Flagyl) 200mgでお薬代の比較

「フラジール(Flagyl)」は、日本では250mgとしてのみで処方されます。

尚、本薬は、200mgとして販売されています。

この相違によって、服用時に迷われる方も多いかと思いますので、「用法・容量」に日本で記載されている場合と、本剤と同一品または相当品と推測されますサノフィ社の場合を併記しておきますのでご参考ください。

価格比較をするために、とりあえずは1クールの総服用量のメドを見ておきますと、

  • トリコモナス症に起因する腟炎の場合:4,000mg~5,600mg
  • 細菌性膣炎の場合:5,250mg~7,000mg

ということになります。

本薬「フラジール 200mg」は、 1箱=200mg×90錠=18,000mgですから、ザックリですが3~4クルー分と考えることができます。

日本の「フラジール 250mg」で処方してもらうと、18,000mg÷250mg=72錠ということになります。

そこで、本薬「フラジール 200mg」 1箱=200mg×90錠を基準に比較します。

個人輸入の場合、2箱(場合によって3箱)以上になるとケタ違いに単価が下がる(2箱で約40%ダウン:本薬の場合は処方薬とほぼ同じ)ことも頭に入れておかれてください。

フラジール 250mg
250mg×72錠
=病院処方(塩野義)=
フラジール 200mg×90錠
=Abbott社=
=通販購入(個人輸入)=
イメージ

フラジール(Flagyl) 250mg

フラジール(Flagyl) 200mg

価格 保険適用:1,381円(非課税)
保険適用外:4,606円(非課税)
2,276円(税込み)
1,346円(2箱購入時単価)
詳細ページ フラジール200mg(メトロニダゾール)

※「病院処方:保険適用」は薬価×0.3 + 処方箋手数料・技術料etc(1回と仮定、及び1回800円と仮定)から算出。

※「病院処方:保険適用外」は薬価 + 処方箋手数料・技術料etc(1回と仮定、及び1回2,000円と仮定)から算出。

※薬価は2019年10月以降の薬価です。

  • フラジール内服錠 250mg:36.2円・・・塩野義製薬のみ
  • フラジール膣錠 250mg:36.9円・・・富士製薬のみ

※「病院処方」は受診が前提ですので、別途、検査費・診療費がかかります。

※「通販購入」は2箱以上での購入の場合、ケタ違いに単価が下がります。

※「通販購入」はショップや購入金額により送料がかかる場合があります。
(上記価格の参考としている「くすりエクスプレス」は全国無料)

※「通販購入」の価格は変動することがあります。
また、セールやセット販売がある場合には、さらに単価は下がります。

日本薬局方「フラジール(Flagyl) 250mg」の効能・効果

メトロニダゾール錠 250mg

【効能・効果】

  1. トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症)
  2. 嫌気性菌感染症
  3. 感染性腸炎
  4. 細菌性腟症
  5. ヘリコバクター・ピロリ感染症
  6. アメーバ赤痢
  7. ランブル鞭毛虫感染症

【用法・用量】

日本におけるフラジール 250mg(シオノギファーマ・塩野義製薬)の添付文書における用法・用量です。

  1. トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症)
  2. 通常,成人にはメトロニダゾールとして,1クールとして、1回250mgを1日2回10日間経口投与する。
    総服用量:5,000mg

  3. 嫌気性菌感染症
  4. 通常,成人にはメトロニダゾールとして1回500mgを1日3回又は4回経口投与する。

  5. 感染性腸炎
  6. 通常,成人にはメトロニダゾールとして1 回250mgを1日4回又は1回500mgを1日3回10~14日間経口投与する。

  7. 細菌性腟症
  8. 通常,成人にはメトロニダゾールとして,1 回250mgを1日3回又は1回500mgを1日2回7日間経口投与する。
    総服用量:5,250mg~7,000mg

  9. ヘリコバクター・ピロリ感染症
  10. ・・・省略・・・添付文書でお確かめください。

  11. アメーバ赤痢
  12. ・・・省略・・・添付文書でお確かめください。

  13. ランブル鞭毛虫感染症
  14. 通常,成人にはメトロニダゾールとして1回250mgを1日3回5~7 日間経口投与する。

フラジール内服錠 250mg 添付文書

サノフィ社「フラジール(Flagyl) 200mg」の用法・用量

上述しましたAbbott社の流れから見て、フランス最大の製薬会社サノフィ(Sanofi)社のフラジール 200mgと同等と推測されますので、参考のために、トリコモナス症と細菌性腟症への用法・用量に限って、比較対照のために下記に記載しておきます。

本薬は200mgが単位となりますので、日本の「メトロニダゾール錠 250mg」の用法・用量に合わせるために、ビルカッターを使って錠剤を分割して服用される方も居られるようですが、面倒くさいですね。

本薬の場合は、下記を参考にされてみてください。(服用総量は日本よりやや少なめ)

【用法・用量】

  1. トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症)
  2. 通常,成人にはメトロニダゾールとして,1クールとして、1回200mgを1日3回7日間経口投与する。
    総服用量:4,200mg

    または,成人にはメトロニダゾールとして,1クールとして、1回400mgを1日2回5~7日間経口投与する。
    総服用量:4,000mg~5,600mg

  3. 細菌性腟症
  4. 通常,成人にはメトロニダゾールとして,1クールとして、1回400mgを1日2回5~7日間経口投与する。
    総服用量:4,000mg~5,600mg

※サノフィ社の「用法・用量」では単会投与も記されていますが、日本では記載されていないためオミット致します。

フラジール(Flagyl) 200mg及びジェネリック薬の場合、使い方によって服用量・服用回数が違ってきますので、十分に添付資料で確認の上、正しく服用してください。

いずれにしても、安易な医薬品の使用は危険ですから、必ず服用規則を守りましょう。
初めての服用の場合は、まずは病院で処方してもらうことをおすすめします。

節約に適したケースでご利用される場合は、業者の選択には細心の注意が必要です。
歴史があって、長期間にトラブルや偽造品販売の前歴のない大手業者を選ぶのが無難です。

もう1点、怪しげな中小の業者から経口避妊薬やED関連、健康食品やサプリなどは買わない方が無難です。