新型コロナウィルス症 covid-19治療薬について概要
新型コロナウィルス症 covid-19に対する治療薬は、ある程度絞られてきてはいますが、それでも、まだこれといった決め手になるお薬は絞り込まれていないように見受けられます。
そこには、それぞれの国家や組織、企業に「何某かの思惑」というバイアスがかかって、真に科学的な探求であるのかどうかが見えにくくなっている状況があるのではないでしょうか?
基本的に、治療薬は、主に重症・中等症に対してウィルスの炎症を抑制する対症療法としての抗炎症薬と、軽症・中等症に対して使われるウィルス自体の活性や増殖を抑制するための抗ウィルス薬に大別されます。
日本で承認されている新型コロナウィルス症 covid-19治療薬
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レムデシビル(Remdesivir)
※抗エボラ出血熱治療薬
(改良開発中)※エボラ出血熱治療としては効果が低かった
※RNA複製(RNA依存性RNAポリメラーゼ活性)阻害薬
細胞内でSARS-CoV-2のゲノムの複製と遺伝子の転写を担うRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)を阻害することによって、その増殖を抑えます。※体内で代謝を受けてその活性型GS-441524三リン酸に変化することによりウイルスRNA産生を抑制する(プロドラッグ)
※ファビピラビル(アビガン)との相違
レムデシベルが点滴静注であるのに対しファビピラビルは経口
レムデシベルの適応レベルが重症・中等症Ⅱに対しファビピラビルは軽症・中等症Ⅰ -
商品名 ベクルリー点滴静注用100mg
(Gilead Sciences:ギリアド・サイエンシズ)
添付文書目的 ウィルスの増殖を抑制 適応レベル 重症・中等症Ⅱ・中等症Ⅰ 用法・用量 通常、成人及び体重40kg以上の小児にはレムデシビルとして、投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注する。 日本 2020年5月7日特例承認 海外 2020年10月22日
FDA: Sers-CoV-2の正式治療薬として承認WHO:「ほとんど効果がない」として推奨していない
薬価 ベクルリー点滴静注用100mg 63,342.00円
(2021年8月4日収載)
治療1回(成人5日間)当たり約38万円
- デキサメタゾン(Dexamethasone)
※合成副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)製剤
※炎症やアレルギー症状を改善する作用や、免疫反応を抑える作用などさまざまな働き
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商品名 デカドロン錠 0.5mg / 4mg
日医工
添付文書目的 ウィルスの炎症を抑制(対症療法) 適応レベル 重症・中等症Ⅱ 用法・用量 デキサメタゾンとして6mg 1日1回 10日間 日本 2020年07月17日、承認済み薬の「重症感染症」として適用
厚労省:新型コロナウィルス症診療の手引き 第2版以降現在第5版)掲載海外 2020年6月17日
イギリス:緊急承認
FDA:EUAには指定していないが、適応外使用として認可
NIH:治療ガイドラインで推奨
IDSA:治療ガイドラインで推奨薬価 デカドロン錠4mg 29.90円
(2014年6月20日収載)
治療1回(成人10日間)当たり約450円
- バリシチニブ(Baricitinib)
※酵素JAK(ヤヌスキナーゼ)を阻害し免疫反応に関わるサイトカインの働きを抑える。
※JAKは細胞内でサイトカイン受容体に結合し、その刺激を細胞核に伝える重要なキナーゼです。
※通常は、関節リウマチ治療薬として多く使われ、ケースによってはアトピー性皮膚炎にも使われます。
※特定のサイトカインを細胞外でブロックするのではなく、どのようなサイトカインであっても受容体を通して細胞内に入ってきたサイトカインの刺激(炎症を起こそうとする刺激)を細胞核に入れないように遮断します。
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商品名 オルミエント 2mg / 4mg
日本イーライリリー
添付文書目的 ウィルスの炎症を抑制(対症療法) 適応レベル 重症・中等症Ⅱ 用法・用量 通常、成人にはレムデシビルとの併用においてバリシチニブとして4mgを1日1回経口投与する。
なお、総投与期間は14日間までとする。日本 2021年4月23日、承認済み薬の適応追加承認
「SARS-CoV-2による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)」海外 2020年11月19日
FDA:レムでシビルとの併用でのEUA承認
2021年8月2日
FDA:単独使用でのEUA承認薬価 オルミエント錠 2mg 2705.9円 / 4mg 5274.9円
(2017年8月30日収載)
治療1回(成人10日間)当たり約53,000円
- 抗体カクテル療法
(monoclonal antibody cocktail)※抗SARS-CoV-2モノクロナール抗体
※カシリビマブ・イムデビマブの2種類の抗体
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商品名 ロナプリーブ 点滴静注射セット300 / 1332
リジェネロン・ファーマシューティカルズ
Regeneron Pharmaceuticals, Inc.
日本での販売:中外製薬
添付文書目的 ウィルスの作用活性を抑制 適応レベル 中等症Ⅰ・軽症 用法・用量 通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、カシリビマブ(遺伝子組換え)及びイムデビマブ(遺伝子組換え)としてそれぞれ600mgを併用により単回点滴静注する。 日本 2021年7月19日、「コロナ感染症の重症化リスクを持ち、酸素投与を必要としない」入院患者を対象として特例承認
入院患者に加え、宿泊療養施設での投与が可能。(8月13日追加)海外 FDA:2020年11月21日、入院や死亡のリスクを約70%減らすとして緊急使用許可(EUA) 薬価 2.5mL×1バイアル(カシリビマブ300mg・イムデビマブ300mg) 点滴静注
(未収載:厚労省より医療機関への配分配布)
治療1回当たりの価格は現段階では不明:
数万円~25万円と考えられるが、当面は公費で賄われ、患者負担はない
その他期待されているcovid-19治療薬
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トシリズマブ(Tocilizumab)
※ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクロナール抗体
※インターロイキン-6 (IL-6) の作用を抑制し免疫抑制効果を示す分子標的治療薬
※サイトカインの一種であるインターロイキン-6 (IL-6) の作用を抑制し免疫抑制効果を示す分子標的治療薬(細胞外において、IL-6が細胞膜にあるIL-6受容体に結合することを阻害します)
※通常、関節リウマチ、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎、成人スチル病、キャッスルマン病に伴う諸症状に用いられることが多い薬です。
※COVID-19の重症化の症状、急性呼吸窮迫症候群(ARDS: Acute Respiratory Distress Syndrome)の要因である「サイトカインストーム」=サイトカインの過剰産生において、IL-6と関連が大きいことも明らかになっていますから、重症・中等症Ⅱに対する適切な対症療法と考えられます。
※にも拘らず、現状ではSars-CoV2に対しては、著効は認められないという結論、無効か効果が限定的という結論も多く見受けられます。
※同じ作用機序を持つお薬に「サリルマブ(Sarilumab) :商品名 ケブザラ」があります。
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商品名 アクテムラ
中外製薬
添付文書目的 ウィルスの炎症を抑制(対症療法) 適応レベル 重症・中等症Ⅱ 用法・用量 Sers-CoV-2に対するイギリスでの治験:体重90kg以上で800mg、体重65kg以上90kg未満で600mg、体重40kg以上65kg未満で400mg、体重40kg未満で8mg/kg 日本 covid-19への使用は保険適応外使用となります。
厚労省:新型コロナウィルス症診療の手引き 第2版以降現在第5版)海外 FDA:緊急使用許可(EUA)
2021年6月25日薬価 アクテムラ点滴静注用 80mg 4ml 14919.00円 / 200mg 10ml 36572.00円 / 400mg 20ml 73298.00円
治療1回(60Kg体重)当たり約109,870円
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モノクロナール抗体医薬
バニラニビマブ(LY-coV555)※新型コロナ感染症から回復した患者の中和抗体(ウイルスの増殖を抑えるタンパク質)をもとにつくられた抗体薬(注射薬)
※新型コロナウイルスは表面にあるスパイクタンパク質(鍵)が、ヒトの細胞表面にあるACE-2受容体(鍵穴)と結合することで細胞内に侵入し、感染しますが、バムラニビマブはウイルスのスパイクタンパク質に直接作用し、ACE-2と結合するのを阻止します。
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商品名 バニラニビマブ
イーライリリー
添付文書目的 ウィルスの作用活性を抑制 適応レベル 軽症・中等症に対して期待 用法・用量 バムラニビマブ 700mg として単回静脈内注入。
体重40kg未満の患者には推奨されません日本 未承認 海外 FDA:バニラニビマブ単剤に緊急使用許可(EUA)
2020年11月9日
FDA:エテセビマブとの抗体カクテル療法に緊急使用許可(EUA)
2021年2月9日
FDA:バニラニビマブ単剤の緊急使用許可(EUA)取り消し
2021年4月16日薬価 未収載
- イベルメクチン(Ivermectin)
※抗寄生虫駆除薬
※サイベコウィルスに特異的な遺伝子ORF6が自然免疫の誘導を阻害していることはすでに明らかになっています。
※そのORF6の作用を直接にターゲットとするイベルメクチンが、実は最も有効ではないかと直感するのは私だけでしょうか?
※簡単に言えば、
1. SARS-CoV特異のアクセサリー蛋白質ORF6がインポーチンと結合することで、インターフェロン-α/β, -γ(IFN-α/β, -γ)のシグナル伝達兼転写活性因子STAT1と結合してSTAT1の核内移行を阻害し、インターフェロンの産生を抑制します。
2. STAT1の機能を阻害された宿主細胞は、その補償をするために他のサイトカインを分泌しようとして、サイトカインストームに陥る一因となります。(MERS:急性呼吸器症候群)
3. イベルメクチンはORF6がインポーチンと結合することを阻害し、STAT1の機能を正常に復活させます。 -
商品名 ストロメクトール
MSD(Merck 日本法人)
添付文書目的 ウィルスの作用活性を抑制 適応レベル 軽症に期待 用法・用量 治験の例-イベルメクチンとして体重1kg当たり約200μgを2週間間隔で2回経口投与する。 日本 2020年5月18日 適応外使用の承認
厚労省:新型コロナウィルス症診療の手引き 第2版以降現在第5版2021年2月9日 東京都医師会(尾崎治夫会長)が、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、主に自宅療養者の重症化を防ぐために、イベルメクチン及びステロイド系の抗炎症薬デキサメタゾンの緊急使用を提言。(「いずれもが、副作用が少なく、かかりつけ医のレベルで治療ができる。」)
海外 WHOは推奨していない 薬価 ストロメクトール錠 3mg 652.6円
(2021年8月4日収載)
60Kg体重の人治療1回(2回経口投与)当たり約5,220円
- ヒドロキシクロロキン(Hydroxychloroquine)
※免疫調整剤
※クロロキン(日本では未承認)の代謝物
※抗マラリア治療薬
※通常は、関節リウマチ・皮膚エリテマトーデス・全身性エリスマトーデス治療薬として使われます。
※細胞表面に存在し、自然免疫の作動に関与するToll様受容体(toll like receptor)TLR9へ作用することで、インターフェロン産生を抑制し、ウィルスを細胞内に侵入させない作用をします。
※Sars-CoV2に対する投与症例で、重篤ないし生命を脅かす副作用の報告が増加している旨で注意喚起をSanofi自体が行っています。(2021年4月)
※結論的に、トランプ元大統領の根拠なきデマに踊らされただけで、Sars-CoV2に対しては、ほぼ無効か効果が限定的という結論に収束していると見なせそうです。
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商品名 プラケニル
サノフィー(Sanofi)
添付文書目的 ウィルスの作用活性を抑制 適応レベル 軽症に期待 用法・用量 Sars-CoV2に対しては、ほぼ無効であるとのコンセンサスに達しているため、承認された効能以外では使用しないこと 日本 海外 FDA:2020年5月18日 クロロキンとともに緊急使用(EUA)承認
FDA:2020年6月15日 クロロキンとともに緊急使用(EUA)取り消し:効果が限定的 o r無効薬価 プラケニル錠 200mg 420.00円
- ファビピラビル(Favipiravir)
※抗インフルエンザ治療薬
※新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る)としては承認済みも、Sars-CoV-2に対してはまだ未承認
※RNA複製(RNA依存性RNAポリメラーゼ活性)阻害薬
細胞内でSARS-CoV-2のゲノムの複製と遺伝子の転写を担うRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)を阻害することによって、その増殖を抑えます。※催奇形性のリスクがネックか?
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商品名 アビガン
富士フイルム富山化学
添付文書目的 ウィルスの作用活性を抑制 適応レベル 軽症・中等症Ⅰ 用法・用量 通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与する。総投与期間は5日間とすること。 日本 日本:2020年12月21日承認見送り-富士フイルム(富士フイルム富山化学)が新たに臨床試験中(2021年8月現在) 海外 インド・中国・ロシアでは後発薬を承認。
インド・インドネシアで緊急使用が認められている。薬価 アビガン錠200mg
未収載(保険適応外)
- ナファモスタット(Nafamostat)
※急性膵炎治療薬
※セリンプロテアーゼ(蛋白分解酵素)阻害剤:ウイルスの細胞内への侵入を抑制
※Sars-CoV-2が細胞表面の受容体ACE2に結合した後、細胞膜との融合で直接侵入するためにはウィルスを開裂させる蛋白分解酵素TMPRSS2(II型膜貫通型セリンプロテアーゼ)のアシストが必須となるため、これを阻害して細胞内に侵入させなくする薬剤。
※即ち、最上流で阻止する方法である一方、別の侵入経路の場合には対処できないというデメリットはあります。(細胞膜直の侵入は阻止できるが、エンドソーム経由の心中の場合は阻止できない)
※TMPRSS2は上気道でSars-CoV-2の侵入に寄与していることが分かっていますが、面白いことに、今までは男性ホルモンであるアンドロゲンに応答して前立腺癌特異に発現している遺伝子としての側面がクローズアップされていました。
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商品名 先発薬:注射用フサン
鳥居薬品(製造販売権:日医工)
後発薬:ナファモスタット メシル酸塩
扶桑薬品工業etc多数
注射用:添付文書
吸入製剤:第一三共は2021年6月に安全性への懸念により開発中止を決定目的 ウィルスの細胞内への侵入を抑制 適応レベル 軽症 用法・用量 ※医療者による注射液の調製が必要につき割愛。添付文書参照
日本 有効な治療薬としての候補には上っているが、その後の進展は見られない。
東大病院にて2021年7月より臨床研究開始海外 緊急使用・承認は特にありません。 薬価 注射用 100mg 794.00円
- カモスタット(Camostat)
※急性膵炎治療薬
※セリンプロテアーゼ(蛋白分解酵素)阻害剤:ウイルスの細胞内への侵入を抑制
※Sars-CoV-2が細胞表面の受容体ACE2に結合した後、細胞膜との融合で直接侵入するためにはウィルスを開裂させる蛋白分解酵素TMPRSS2(II型膜貫通型セリンプロテアーゼ)のアシストが必須となるため、これを阻害して細胞内に侵入させなくする薬剤。
※即ち、最上流で阻止する方法である一方、別の侵入経路の場合には対処できないというデメリットはあります。(細胞膜直の侵入は阻止できるが、エンドソーム経由の心中の場合は阻止できない)
※TMPRSS2は上気道でSars-CoV-2の侵入に寄与していることが分かっていますが、面白いことに、今までは男性ホルモンであるアンドロゲンに応答して前立腺癌特異に発現している遺伝子としての側面がクローズアップされていました。
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商品名 先発薬:フオイパン錠 100mg
小野薬品
後発薬:カモスタット メシル酸塩錠 100mg
日医工etc多数
添付文書目的 ウィルスの細胞内への侵入を抑制 適応レベル 軽症 用法・用量 ※COVID-19患者を対象とした治験の場合
カモスタットメシル酸塩として600mgを1日4回経口投与する。日本 有効な治療薬としての候補には上っていますが、その後の進展は見られません。
2021年6月11日、小野薬品工業から、臨床第三相試験において、主要評価項目の「新型コロナウイルスが陰性化するまでの期間」を達成できなかったとの発表がありました。海外 緊急使用・承認は特にありません。 薬価 100mg 20.20円
- シクレソニド(Camostat)
※吸入ステロイド喘息治療剤(プロドラッグ)
定量噴霧式エアゾール剤※シクレソニド吸入剤
※Sars-CoV-2が特に肺胞上皮細胞内で増殖し、炎症を起こしながら、細胞外の免疫細胞マクロファージが高度に活性化されることで、肺胞局所でさらに過剰な炎症を引き起こすことを抑制します。
※ウィルスにコードされたNSP15エンドリボヌクレアーゼの活性に作用し、効率的なゲノム複製を抑制します。
※2020年2月のダイヤモンド・プリンセス号の患者に対する軽症~中等症患者3名への治療で良好な改善が見られています。
※TMPRSS2は上気道でSars-CoV-2の侵入に寄与していることが分かっていますが、面白いことに、今までは男性ホルモンであるアンドロゲンに応答して前立腺癌特異に発現している遺伝子としての側面がクローズアップされていました。
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商品名 オルベスコ
帝人ファーマ
添付文書目的 ウイルスの細胞内への侵入を抑制&ウィルスゲノム複製の抑制 適応レベル 軽症 用法・用量 ※気管支喘息 成人の場合
通常、成人にはシクレソニドとして100~400μgを1日1回吸入投与する。
なお、症状により適宜増減するが、1日の最大投与量は800μgとする。
また、1日に800μgを投与する場合は、朝、夜の1日2回に分けて投与する。日本 有効な治療薬としての候補には上っていますが、その後の進展は見られません。
国立国際医療研究センターを中心とする研究グループでは、その研究結果からは、無症状・軽症のCOVID-19患者に対する投与は推奨できないとの見解が表明されています。海外 緊急使用・承認は特にありません。 薬価 100mg 20.20円
- ロピナビル・リトナビル(Lopinavir・Ritonavir)配合剤
※抗エイズ治療薬
※抗ウィルス化学療法剤
※HIVプロテアーゼ(酵素)阻害剤:感染性をもつ成熟ウイルスへの移行を阻止
※Sars-CoV2に対しては、ほぼ無効か効果が限定的という結論に収束していると見なせるようです。
本薬の可能性について研究されることも少なくなったと見受けられます。 -
商品名 カレトラ
アッヴィ(AbbVie)
配合錠:添付文書
配合内用液:添付文書目的 ウィルスの作用活性を抑制 適応レベル 不明 用法・用量 ※配合錠
通常、成人にはロピナビル・リトナビルとして1回400mg・100mg(2錠)を1日2回、又は1回800mg・200mg(4錠)を1日1回経口投与する。
なお、体重40kg以上の小児にはロピナビル・リトナビルとして1回400mg・100mg(2錠)を1日2回投与できる。
本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。※配合内用液
通常、成人にはロピナビル・リトナビルとして1回400mg・100mg(5mL)を1日2回食後に経口投与する。
通常、小児には、体重7kg以上15kg未満で1kgあたり12mg・3mg、15kg以上40kg以下で1kgあたり10mg・2.5mgを1日2回食後に経口投与する。
最大投与量は400mg・100mg(5mL)1日2回投与とする。日本 治療薬としての候補には上っていたが、その後の進展は見られない。 海外 緊急使用・承認は特にありません。 薬価 カレトラ配合錠(ロピナビル200mg・リトナビル50mg) 319.00円
カレトラ配合内用液(1mL中 ロピナビル80mg・リトナビル20mg) 150.10円
その他、インターフェロンβ1(多発性硬化症治療薬)、回復患者血漿製剤などが治療薬として期待されています。
そして、何よりも塩野義製薬が2021年年内承認を目指している経口治療薬はイベルメクチンとともに大いに期待されます。
これらに関しては、重要度に応じて順次追記して参る予定です。
- WHO:World Health Organization=国連保健機関
- FDA:Food and Drug Administration=アメリカ食品医薬品局
- NIH:National Institutes of Health=アメリカ国立衛生研究所
- IDSA:Infectious Diseases Society of America=アメリカ感染症学会
- CDC:Centers for Disease Control and Prevention=アメリカ疾病予防管理センター
- NHS:National Health Service=イギリス国営 国民保健サービス
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