さらば 燃えない脂肪の憂鬱 第3章:栄養代謝(糖質代謝と脂肪代謝) | 5

脂肪の消化・吸収・運搬プロセス

さて、いよいよ脂肪のお話です。

日常、私たちが食事で摂っている脂肪分は、ほとんどが化学的に安定した中性脂肪です。
次に、食事で摂った脂肪分が、どのように栄養として取り込まれるのか、即ち脂肪の消化・吸収のステップから見ておきましょう。

食物が胃から十二指腸に送られると、肝臓で生合成された胆汁が胆嚢から胆管を経由して供給され、脂肪を乳化します。

「乳化」という言葉は、よく聞かれる言葉ですね。
そう、洗剤や化粧品において油を水と混ぜ合わせるために使用する界面活性剤と同じ作用をするということです。
即ち、水と油が混じり合ったエマルジョン状態にするということですね。

これは、次のステップで膵リパーゼによって脂肪の分解を行うのですが、この作業をしやすくするための前段階として、出来る限り細かくしておこうというものです。

次に、膵臓から分泌される膵リパーゼの内、脂肪の消化を担当するステアプシンによって、最終的に、中性脂肪をモノアシルグリセロールと脂肪酸とグリセリンとに分解します。

十二指腸内で、
中性脂肪(トリアシルグリセロール=トリグリセリド)
 → モノアシルグリセロール(モノグリセリド) + 脂肪酸 + グリセロール(グリセリン)

この様子は、この後すぐにイメージとして捉えやすいようにマンガで解説いたしますが、その前段階として、一口知識を挟みましたので、生物も化学もあまり好きではない物理系の著者程度に理解するのはどうということはないものだと感じていただければ幸いです。

[一口知識]

「アシル」とは、「脂肪酸がエステル結合した」という意味を持ちます。
「モノ」「ジ」「トリ」は数字の接頭辞で、順に「1」「2」「3」の意味ですね。
これさえ知っておけば、どんな化学式もかなり簡単に理解できます。

この場合、

トリアシルグリセロール = グリセリンに3つの脂肪酸分子がエステル結合したグリセロール
ジアシルグリセロール = グリセリンに2つの脂肪酸分子がエステル結合したグリセロール
モノアシルグリセロール = グリセリンに1つの脂肪酸分子がエステル結合したグリセロール

どうですか?
理解しやすいですし、覚えやすいと思うのですが如何でしょうか?

グリセロールには結合できる基が3つしかありませんから、「トリ」以上はありませんが、ちなみに、「4」「5」「6」は「テトラ」「ペンタ」「ヘキサ」となります。

[一口知識]脂肪分解の化学表現

一般的に、中性脂肪(トリグリセリド)はリパーゼの作用によって加水分解され、最終的にグリセロール(グリセリン)と3つの脂肪酸に分解されます。

消化器では、膵リパーゼのステアプシンが、白色脂肪細胞ではプロテインキナーゼ(PKA)を起点としてHSL(ホルモン感受性リパーゼ)など様々なリパーゼが順次作動します。

脂肪分解の化学表現

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さて、十二指腸で中性脂肪はモノアシルグリセロールと脂肪酸とグリセリンとに分解されて小腸に入ってきました。

グリセロール(グリセリン)は、親水性しか持たないため、小腸上皮細胞からそのまま吸収されますが、モノアシルグリセロールと脂肪酸は、親水性と疎水性を併せ持つため(親水性のグリセロールに脂肪酸がくっつくわけですから当然ですね)、そのままでは吸収されません。

ところが、私たちの体は巧く出来ているもので、腸内に分泌された胆汁酸の作用で、外側は親水性を持ち内側が親油性を持つミセルと呼ばれるカプセルのような構造に包まれて、小腸上皮細胞に受け渡されることになります。

ミセルとして小腸上皮細胞に入ったモノアシルグリセロールは再びトリアシルグリセロール(中性脂肪)に合成され、タンパク質と結合して、カイロミクロン(キロミクロン)と呼ばれる大きなリポタンパク質を作り、リンパ管に吸収され、腹部、胸部、さらに左頸部下から鎖骨下静脈、心臓を巡って動脈に移り全身へ分配されるのです。

[注記]

但し、多くの脂肪酸はリンパ管→全身という経路を辿りますが、一部の脂肪酸(炭素鎖が短い脂肪酸)は、糖質(グルコース)やたんぱく質のアミノ酸と一緒に門脈経由で肝臓に向かいます。

脂肪酸も中鎖の脂肪酸は、親水性のグリセロール(グリセリン)と一緒にそのまま腸管で直接吸収され、ダイレクトに門脈経由で肝臓に送られます。
この経路があることも知っておいてください。

これら消化の概略をフローで表すと下図のようになります。

脂肪の消化フロー

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お待たせいたしました。
ここで、イメージとして直感的に理解できるようにしておきますね。

最初、化学式が出てくるので難しいと思われるかもしれませんが、後でこれらをイラスト的な記号に置き換えますので一気に理解が進みますよ。

グリセロール(グリセリン)分子と脂肪酸分子は下記のような構造をしています。

脂グリセロール(グリセリン)分子と脂肪酸分子肪の構造

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記号Rはアルキル基のことで、炭素Cを中心に水素Hが周囲に結合した形が鎖状に繋がった構造のものです。

さて、トリアシルグリセロールは、3つの分子が脂肪酸でエステル結合したグリセロールという意味でしたね。

脂グリセロール(グリセリン)分子と脂肪酸分子肪の構造

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即ち、グリセロールの3つの水酸基が脂肪酸のアシル基に置き換わった形になったものが、トリアシルグリセロール(中性脂肪)というわけですね。

種類は、脂肪酸の種類に応じて何種類もあります


さぁ、記号を使ってイラスト的に表してみましょう。

グリセロール(グリセリン)をグリセロール(グリセリン)で表し、脂肪酸を脂肪酸で表すことにすると、

トリアシルグリセロールは、トリアシルグリセロール

ジアシルグリセロールは、ジアシルグリセロール

モノアシルグリセロールは、モノアシルグリセロール


これらの記号で表現すると、腸管での脂肪の吸収は下記のような様子になります。

かなりイメージしやすくなったと思いますが如何でしょうか?

腸管での脂肪の吸収

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