さらば 燃えない脂肪の憂鬱 第3章:栄養代謝(糖質代謝と脂肪代謝) | 7

脂肪細胞における脂肪分解プロセス

さて、今度は肝心の中性脂肪が分解されるメカニズムです。

脂肪細胞に貯蔵した中性脂肪を使うときは、消化器での吸収と同じように分解してやらねばなりませんが、このときは膵リパーゼなどはありません。

ここでは、第3章|4で出てきましたグルカゴンアドレナリンの刺激があって初めて作動するシステムがあります。

下にプロセスの流れ図を示しましたので、これと対照しながら、図以下に説明しました芸術的な脂肪分解プロセスをご堪能ください。

脂肪分解 系統図

↑クリックで拡大↑

グルカゴンアドレナリンの刺激により脂肪細胞特有のタンパク質リン酸化酵素(Protein Kinase A;PKA)が活性化されることで、ホルモン感受性リパーゼ(HSL)が脂肪滴にアクセスするところから脂肪分解の一連の芸術的な作業が始まります。

  1. 例えば、空腹時には血糖値が下がると分泌されるグルカゴンが細胞膜表面にあるリセプターに結合します。(第3章|4で説明しましたね)
  2. アデニル酸シクラーゼが活性化することで、cAMP(サイクリックAMP)の濃度が上昇します。
    ここは、細胞内に入れないグルカゴンが、アデニル酸シクラーゼを揺すぶって、cAMPに自分のメッセージを代わりに伝達してもらうと考えれば分かりやすいです。
    その意味で、cAMPはセカンド・メッセンジャーという役名を持っています。
  3. PKA(プロテインキナーゼA)が活性化します
  4. 活性化すると種々のたんぱく質をリン酸化する作用を持つPKA(プロテインキナーゼA)がペリリピンをリン酸化させ、ATGL(脂肪細胞特異的TGリパーゼ)を作動させます。
  5. 同時に、PKA(プロテインキナーゼA)HSL(ホルモン感受性リパーゼ)をリン酸化させることで、HSLが脂肪滴に近づいていきます。
    (ペリリピンがリン酸化されないと、HSLは脂肪滴に近づかない。)
  6. また、ペリリピンがリン酸化されることで、もともと行動をともにしていたCGI-58なる
    タンパク質がペリリピンから離れ、ATGL(脂肪細胞特異的TGリパーゼ)を活性化。
  7. MGL(モノグリセリドリパーゼ)が作動することで、トリグリセリド→ジグリセリド→モノグリセリドと分解されてきた脂肪が、最終段階として、完全にグリセロールと3つの遊離脂肪酸に分解します。
  8. 血中に放出され全身行き(脂肪細胞の場合) アシルcoA行き(通常細胞の場合)

如何でしょうか?
芸術的ともいえる仕組みで、脂肪は分解されていくのですね。

白色脂肪細胞の脂肪滴より分解された脂肪酸は、遊離脂肪酸として血清アルブミンと結合して筋組織など各器官に運ばれ、そこで脂肪酸トランスポーターによって細胞内に取り込まれた後、エネルギー源として使われます。

この辺りをもっと理解される上で、著者のレベルでも非常に分かりやすい論文があります。
興味があられれば読まれてみてください。

[参考文献]

兵庫県立大学 大学院 生命理学研究科 / 大隈 隆 博士

本講座は、引き締まった美しい体を作るシェイプアップ(一般的に「ダイエット」と呼ばれているもの)に関する正しい理論と手法を、誰にでも分かりやすく紐解くことを目的としています。

ご存知の方は少ないかもしれないWとB(読まれていく内に正体を現します)にスポットを当て、世にある多くのダイエット手法とは代謝的に全く別の根拠によるアプローチをご紹介しますが、ダイエットの本道は【過剰にならない一定の糖質をジャストインタイムで摂取する】ということ以上でも以下でもないということをバラシておきましょう。

誰にでも理解しやすいようにまとめてはいますが、一方で、医学系・看護系の大学新入生レベルには今後の勉強の基本予習・イメージ作りとしても有益ではないかと思います。

講座の内容をPCに書籍として保存しておかれませんか?

  • 何度も訪れて順次閲覧していただいている方
  • 一度に長時間にわたってページを順次遷移して読んでいただいている方

まことにありがとうございます。

よろしければ、下記内容をPDF電子書籍の保存版としてPCでご覧になりませんか?

邪な業者と分かりつつ心動かされたときに、思い出して読まれると、冷静な心で判断ができるお役にも立つと思います。

根も葉もないことを面白おかしく書いているわけではなく、理系の心で精査に精査を重ね、スタッフだった女性の実践的な生活習慣の理論検証とエビデンスに基づいて、数か月を要してまとめ上げた書籍ですので、印刷して普段の心がけとしてお手元に置いていただき、初心に帰るきっかけとしての意味でご利用いただければ幸いです。

ほとんどが女性の方とお見受け致しますので、とっておきの特典をお付けしますので、ワンコインでPCに保存されておいては如何でしょうか?

■ご提供内容

  1. 【保存版】代謝とダイエット~さらば燃えない脂肪の憂鬱~ PDF180ページ
  2. 資料1:肥満指標と基礎代謝 PDF7ページ
  3. 資料2:必要エネルギー・摂取エネルギー PDF3ページ
  4. 美姿・美脚になれる!!バレリーナこれだけレシピ PDF76ページ
    後半32ページは1.の第4章と同じ
  5. スペシャル特典:刺繍・和風デザイン スタンプ(透過png画像、及び、LINEで使っても透過する透過gif画像:320×320)| 文字付:44点、文字無し:47点
    さすがに、その元となる用途無限大の大画像はお付けできません m(__)m
もう一つの知られざる世界!

理に適ったサプリでも、まず即効的な効果は期待できません。

しかし、最短で痩せる医薬(抗肥満薬)なら2種あります(世界一の製薬会社が提供するお薬と日本のバイオ・サイエンスに手を出した大企業のお薬でしかも承認薬)。

そして、もう一つ、日本一の製薬会社 武田製薬が承認を得ながらも(世界有数の製薬会社依存ですが…)、製造権の持ち腐れで日の目をみなかった「オブリーン」も、世界ではそのジェネリック薬は販売されています。

当社が家電販売、特に施主支給家電で一世を風靡した時、卸元の担当者が「ニーズがあるから、その署品は存在する」とはよく言ったものです。

なるほど、便のお漏らしを気にせねばならず、片やお薬への依存性が発生しますから、よほど病的なメタボリックでない限りおすすめすることは出来ない肥満治療薬ですが、世の中のご立派なクリニックは平気で、それほどでもない肥満程度の患者にも使っているようです。

ある意味、新型コロナの非常事態宣言で、あまり外出できない今こそ、臆病だった方には、試してみる唯一のチャンスかもしれませんね。

先発薬はさすがにお高いですが、ジェネリックも数種ありますので、自己責任覚悟で入手されるなら参考にされてください。