さらば 燃えない脂肪の憂鬱 第3章:栄養代謝(糖質代謝と脂肪代謝) | 6

細胞における脂肪合成プロセス

さて、全身にカイロミクロンの形で送られた脂肪分を取り込んで、各器官はエネルギーに使ったり、余剰分は再び合成して中性脂肪として貯蔵したりします。

中性脂肪として貯えられるのは何も白色脂肪細胞だけではありません。
確かに、白色脂肪細胞は長期的にたくさん貯蔵しておく、まさに中性脂肪倉庫としての細胞なんですが、通常の細胞も小さな脂肪滴を作り一時的に中性脂肪を貯えることはします。

この点は誤解の無いようにしてくださいね。
ただ、ダイエットのターゲットになるのは白色脂肪細胞だということです。

【第3章|2:糖質の消化・吸収・運搬プロセス】にてご提示した図をもう一度見てみましょう。
今度は脂肪の立場で眺めていただくと、糖質との絡み合いも少し整理されますね。

※どんな学習もそうですが、文章をなぞりながら図に落とし込んでプロセスをイメージで整理することが学びのポイントです。

脂肪合成 系統図

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※3

白色脂肪細胞に貯蔵される中性脂肪は、食事で摂った脂肪分に由来するだけのものではなく糖質から肝臓で合成された脂肪由来もあるというのが通説ですが、僅かしかこの能力は無いという学説も有力と思われることから、点線の枠組みで囲んでいます。
(先ほどの※2と同じ)

※4

肝グリコーゲンは、食間や運動時など血中グルコースが不足した場合に、グルコースに分解され、血流に乗せて必要な組織に運搬分配されるのであって、中性脂肪を作るために出てくるわけではありません。

カイロミクロンとして血中を運ばれた脂肪は、各組織の毛細血管の内皮細胞で、リポタンパク質リパーゼ(LPL)により、再び遊離脂肪酸とグリセロールに分解され、遊離脂肪酸が細胞内に取り込まれアシルCoAに変換されます。

脂肪細胞の場合、アシルCoAは、GLUT4によって取り込まれたグルコースと結合して、最終的に中性脂肪に合成され、脂肪滴に貯えられることになります。
通常の器官細胞の場合は、ミトコンドリアへ向かいエネルギーとして消費されます。

本講座は、引き締まった美しい体を作るシェイプアップ(一般的に「ダイエット」と呼ばれているもの)に関する正しい理論と手法を、誰にでも分かりやすく紐解くことを目的としています。

ご存知の方は少ないかもしれないWとB(読まれていく内に正体を現します)にスポットを当て、世にある多くのダイエット手法とは代謝的に全く別の根拠によるアプローチをご紹介しますが、ダイエットの本道は【過剰にならない一定の糖質をジャストインタイムで摂取する】ということ以上でも以下でもないということをバラシておきましょう。

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