不思議を売る男-ジュラルディン・マコーリアン
『人の手が作ったどんなものが、
それを作った人の手にかえられましょう。』
ジュラルディン・マコーリアン著
”不思議を売る男”-第2章:中国のお皿[大切なものの話]より
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2012.06.27著
ホームページを見直すために、このページを見直していたのですが、東日本大震災から1年以上経っている今とは言え、やはり、「人の命をなんだと思っているのか?」という思いは一層深まるばかりの昨今です。
おそらく、権力者たちの多くは、自分の手で何らかの価値を創造したことがない人間なのでしょう。
創造した物が、創造者・生産者の魂そのものであるということすら分らないのだと思いますね。
きっと当たり前のように、毎日の食事も己が特権かのように感謝することもないのでしょう。
昨日のニュースを見ていますと、とある大臣が「理屈どおりに行かないのは世の常」というような発現をしていました。
世間一般では、いろいろな行動の結果としてよく口にする言葉です。
これが、仮にも「理想の社会を実現させよう」とより良き社会を目指す者の言う言葉でしょうか?
本音が垣間見れる言葉ですが、権力側はいつもこの言葉を最後の切り札として持ち出してくるように見えます。
すなわち、最初からこの切り札を念頭に置いて、のっけから論理的に帰結する結論から行動しようという決意などは全くないように見えるのです。
立派な学校で勉強しようが、スポーツで名を馳せようが、こんな程度のレベルの大人にしかなっていないのですから、高等教育自体に欠陥があるのかもしれません。
自分たちの立場と派閥争いの感情でしか政を司っていないという公を司る者としては致命的な欠陥かと思えますが・・。
彼らは、人の命よりも物の方が大切であり、経済・金の方が大切だと考えていることは明らかです。
永田町に原発を作るというなら、誰もがその整合性に賛辞を贈ることでしょうが・・。
もし、凄まじい地震が再び起こり、不測の事態が起これば、彼らはどう言い訳をするのでしょうか?
その命運を握っているのは、当の彼らではありません。
彼らは、なーんにも自分では出来ない面々です。
なのに、軽々しく「責任を取れる」と言えるのですから大したタマです。
2000.09.02著
大金持ちの娘リウはリウの結婚式当日に父親の弟子で陶工のウン・ファンと駆け落ちします。
船で遠い国へ旅立とうと乗船を懇願した商船の船長は、ウン・ファンがリウのために渾身込めて作った柳の皿と二人の自由を引き換えに乗船をさせてやろうと脅します。
「私にとって価値があるものは、世界でこれひとつだけ」と言っていたリウにとって命より大切な一つの皿・・・。
リウは『どんなお皿が二つの心臓の運命にかえられましょう。・・』
とお皿を手渡すことを決意します。
すべての形あるものはいつかは滅び去ります。
”にんげん”をも含めて全てのものが・・・。
本当は、”もの”に価値があるのではなく、それを作り出した”手”の所有者である”にんげん”の営みというものにこそ価値があるということなのですよね。
”金”というものは、いつも”もの”にばかり目を向けたがらせますので、いつの間にか、作り出した人間の感性とか苦悩とか苛立ちとか品格などを一切慮ることなく感謝の念を忘れてしまうということに陥り、私たちは自らの感性を摩滅させているのかもしれません。
ちなみに、同書第11章”鉛の兵隊”は訳者もあとがきされているように、私も内容の濃い稀に見る珠玉の短編だと思います。
夏休みの読書は終わってしまいましたが、中学生以上の学生の皆さんはもちろんのこと、どのような皆様にもお奨めの1冊です。
不思議を売る男
エイルサが図書館で出会ったその男は翌日から、エイルサの母親の古道具店ではたらくことになった。はじめは不審に思っていたエイルサ親子も、その男の商売のうまさに魅せられていく。というもの、男は、まことしやかにそれぞれの古道具の由来を客に語ってきかせ、客をその品物に夢中にさせるのだ。エイルサ親子も、客同様、その謎の男の話にひきこまれていく…。
(「BOOK」データベースより)
短編集です。
この中にある、【鉛の兵隊】は是非一読をお勧めしたい短編です!!
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