花に寄せて-星野富弘と三橋節子
2000.09.30著
花に寄せて
詩:星野富弘
1. たんぽぽ
いつだったか
きみたちが空をとんで行くのを見たよ
風に吹かれて
ただ一つのものを持って
旅する姿が
うれしくてならなかったよ
人間だって どうしても必要なものは
ただ一つ
私も 余分なものを捨てれば
空がとべるような気がしたよ
3.しおん
ほんとうの ことなら
多くの言葉は
いらない
野の草が
風にゆれるように
小さなしぐさにも
輝きがある
2012.10.28追記
人生には100冊の本とたった5冊の詩集があればいい。
体育教師として、宙返りをしていた際、どうしたことか頭から落下。
そのまま頸随(けいずい)損傷で首から下の体の自由を失った星野富弘さん。
多くの方はご存知のことと思いますが、それ以来、口で絵と詩を描かれておられます。
この、「花に寄せて」は合唱曲や組曲にもなっています。
全詩は、是非、実際の詩集で味わってみて下さい。
星野さんは僕の中では、画家である故三橋節子さんとオーバーラップするのです。
もう随分昔のことになりますが、梅原猛氏の「湖の伝説」にて始めて知ったお名前だったのですが、やはり鎖骨腫瘍のため右腕切断をされた後、その短い命(享年35歳)を終えるまでの2年間、左手で書き続けられたということでした。
確か、「三橋節子 その愛と死」といったようなサブタイトルが付されていたように記憶がありますが、間違っていたらごめんなさいです。
湖の伝説―画家・三橋節子の愛と死
この本を読んだ当時、たまたま、学生時代の仲間のOB会が、羽衣伝説の地、湖北余呉湖にて行われ、家族ぐるみにて参加した際に、代表作「三井の晩鐘」などを思い浮かべながら三橋節子なる画家に思いをはせたこともありました。
星野さんのこの「花に寄せて」の最後は「ばら・きく・なずな」。
体の自由を失った星野さんの母に対する思いを通して滲み出る切なさに思わず涙が溢れるような詩です。
そして、三橋さんのお嬢さんのお名前が「なずな」さんということも、何かしらオーバーラップしてしまった理由でもあります。
折りしも、現在NHKの朝の連続テレビドラマの「私の青い空」の主人公も「なずな」ですね!
ちなみに、「なずな」の花言葉 ⇒ すべてをあなたに捧げます。
さしずめ、弊著「完全数の謎」(算数ライブラリー)にてご紹介している友愛数・恋愛数のお花版といったところですね!(2011年現在、「帝都大学へのビジョン」に収録)
僕自身、35歳の頃、左腕に激痛が走り、痛みと痺れがどんどん広がり、ほとんど左手が動かせない状態を体験しました。
納期を守る為の徹夜もしょっちゅうというような日常の中での、頚椎の変形によるもので、完治するまでに2ヶ月以上要しました。
「怖いもの知らず」が始めて味わった「老い・病への不安」でした。
人の体は強くもあり、もろくもあります。
もろくも崩れたとき、
その崩れた後だこらこそ「美しくあろう」という姿にこそ人間の真の強さと品性が宿るのかもしれません。
五体満足の僕が、今ここにあるのは単なる偶然に過ぎません。
「君たちが五体満足であることも単なる偶然に過ぎません。」
妻にも子どもたちにもそう語る日々が多いこの頃です。
僕に仏教というものを教えてくれた一つが梅原 猛氏の数々の著作でした。
「梅原日本学」とも呼ばれますが、氏の仏教に関する著作は非常に分かりやすいです。
今、己が【仏】というものを見つめ直さなければならない時代。
是非読んで頂きたい【梅原 猛】です。
僕も、阿月ヒカリさん(現在は阿月まりさん)の書かれたように「人間は高まれば高まるほど、限りなく仏に近づくものだ。」なる言葉をを思い出しつつ、仏に近づくために生きようと常々意識しています。
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