バブルの時のお金はどこに消えた?
2000.09.16著
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私が今、お世話になっている大手環境機器企業さんに入っている清掃業者の女性従業員の方が課長さんとの雑談の中でこんなことを呟かれました。
「いったいバブルの時のお金はどこに行ったんでしょうね?」
誰もが感じ誰もが不思議に思うこの現象?
しかし、誰も大声で叫ばないし、どこのシンクタンクも答えは出さないし、どのマスコミも掘り下げて書くこともありません。
まるでタブーを扱うかのように、あるいは誰かを庇うかのように・・。
底力は無い民族とはいえ、高度成長時代から優れた利用技術と勤勉という民族性を駆使して、一流のお金持ちの国になって来たのは確かだと思うのですが・・。
そして、国民の生活レベルにも確かに還元されて来ましたよね。
そして先般のバブルがあったわけなのですが、この時のお金はあくまで”バブル”即ち”幻想”そのものなんですよね。
稼ぎ出した「お金」なんて最初から「無い」わけです。
動いていることによって「沢山ある」ように見せかけ、私たちは単に錯覚させられただけなのです。
もちろん、その雰囲気に牽引されて持続的に富が蓄積されていく実質的な部分が増えたことも確かでしょうが、ふざけたマネーゲームでただ単にお金が移動しただけという部分が、あまりにも大きかったということなんだと思います。
そんなゲームで実質的な富が蓄積されるなら誰も苦労しませんよね。
しかし、悲しいかな、「苦労しないで富を蓄積したい」という人間の本能がそのまま服を着て大手を振って歩き出したという事は確かです。
結果的に、資金力のあるゲーム好きのふざけた金儲け主義者が、苦労しないで、より弱いゲーム好きから合法的にお金を巻き上げたにすぎないのだというのが本当のところではないでしょうかね。
それを、どの国の政府も公式な経済活動として認めているわけです。
先般、仕事の打ち合わせの為、滋賀の草津へ行ったときに乗ったタクシーの運転手さんがよく喋る方で、10年前にマンションを買ったことや、今、嬉しいことに息子が2世帯住宅を建ててくれるという状況になったが、処分するにも処分出来ない程の価格の下落だし、ローンも元金はちょっとしか減っていないし・・・損したら真水を注いで貰えるどこかさんやその当時に金で金を稼ぎ逃げした人はよろしいけど、私たち庶民は耐えるしかおまへんなあ。
といった具合に話しておられました。
「いったいバブルの時のお金はどこに行ったんでしょうね?」という問いは、取りも直さず、「いったいバブルの時に巻き上げたお金をどこにやっちゃんたんでしょうね?」ということを問うていることなんだと思いますですね。
こういったふざけたゲーム好きは決して社会還元なんてことは考えませんから、次のゲーム”IT投資”にでも参加して更に同じようなゲームをやりたくてウズウズしている筈です。
やはり、この辺は、生まれ持った稟性に依存してしまうのでしょうか?
インターネットを見ていても、「初心者でも簡単にできるマネーゲームとしての投資に参加しませんか。」などといった文句が堂々と歩き回っているのですからたいした生命力ですよね。
私たちの社会や個人そのものの生活と密着した経済をこのようなマネーゲームとしてしか見ない風潮、そして結局はマネーゲームを奨励している国家のありようこそが、平和ボケした日本を象徴しているように思います。
まじめだけが取柄の庶民がコツコツと蓄積した蓄えを、石潰し息子が食いつぶしてしまう
といったイメージが浮かびます。
”子ども可愛さのあまり”のように、石潰し文化を容認する土壌がある限りは、いつまでたってもバブルは密かに出番を待っているのだと言えるのではないでしょうか?
社会的にも、それぞれの個人、私たちの中にも・・・。
バブルの時のお金はどこに消えた? ver.2007
この間、沢山のバブル好き人間が現れては自滅していきましたね。
特に小泉政権下では、【品格の無いバブル】が実は公認されてきたことがはっきり形になって現れ、政府自体が実はバブルが好きで好きでしようがないということが証明されたということです。
体裁よく言えば、金融資本主義が好きで好きでしようがないということでしょうか。
法律スレスレにうまくやってくれさえすれば、政府も万々歳だったわけです。
上手くやらなかったら、こいつらに責任を取らせておけばよいのです。
『聞いちゃったといえば聞いちゃったんだよねぇ』という言葉が流行りましたが、
『こういう事態が起こり得ることは、分かっちゃってたと言えば分かっちゃってたんだよねぇ』と密かに思っている輩たちが居ないとは言わせません。
分かってなかったと言うなら、これはこれで大変な問題です。
議員なんて、そんな程度の頭脳で出来ちゃう無能の集まりということになりますし・・・。
でも、言っちゃうと司法のお裁きも待っているかもしれませんものね・・・。
ペテン師の国 ヤクザの帝国 バブルの暗黒編―政・官・財・ヤクザが日本を吸い尽くす
テレビ・新聞―洪水のような報道で真実はかき消される。
コミックというシンプルな表現だけが真実を体感できる―。
今の日本の混乱の原点はバブルにある。
あの時、日本は何かが変わった。
バブルはなぜ起きたのか?
バブルは放置しておくべきだったのか?
なぜ、ヤクザが表社会に進出してきたのか?
6千8百億円の税金を投入した住専問題・3千億円のカネが闇に流れたイトマン事件の真相は?
カナダ人ジャーナリストが見た“泥棒国家”日本の真の姿―。
(「BOOK」データベースより)
大げさな説明文と思われるかもしれないが、彼らが庶民が稼いだ実体経済を吸い尽くしていることだけは紛れもない事実でしょう。
検証バブル 犯意なき過ち
最初のバブルに関しては『犯意なき過ち』で済ませることは出来るだろう。
しかし、全く本質はなおざりにされたままである。
実体のある営みで苦労したことのない官僚、政治家は経済と言えば、バブルしかイメージできないのだろう。
『コツコツとした実体ある経済などは奴隷にやらせておけ。優秀でバカだから間違いも少ないから安泰・安心。 我らが使命は一攫千金でGDPに寄与するスターを育てるのだ。』というのが正直な腹の中だろう。
「失われた10年」の原因になったバブルの膨張と崩壊。
官僚、政治家、日銀、経営者は、当時どのように判断し、行動したのか。
その真の責任者は誰なのか―。
日本経済新聞社が膨大な取材と綿密な跡づけ作業で、「道を誤った」日本経済を冷静に検証した力作。
(「BOOK」データベースより)
エンデの警鐘「地域通貨の希望と銀行の未来」
官僚・政治家・日本経済のリーダーには少なくとも、目先のGDPや銭勘定経済学の研究ではなく、 【未来ある経済】に関する研究をしてもらいたいものである。
エンデの経済は、素人である私には難しい部分も多々あるが、『何かおかしい!』ということは、エンデを読まずとも漠然と分かる。
経済の原点自体が、人間全体の幸せから外されていることも明々白々に分かる!
内橋克人氏も言われているように、『堅気の仕事で真面目に働いているのに貧しいとか、相対的に豊かではないなどという 社会は、システム自体が狂っている』のである。
もっと言えば、作為的に狂わされているということ以外には考える余地がないのではないか。
【経済学】などと仰々しくたいそうなこと以前に、【何のための経済か】の原点に立ち戻って考え直して頂きたいものだ。
一人一人の人間のためではなく、国家のGDPアップが優先と思うなら、正直にそう言えば良いのだ。
口では『一人一人の人間のため』と言いながら、みかけのGDPアップにしか目が行っていないというような具合では、人間として最も醜悪であろう。
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