イマチブは犬の肥満細胞腫と消化管腫瘍へ作用が期待されるグリベックのジェネリック薬です

通常、抗がん剤は、腫瘍の種類や病状・ステージなどによって様々なクラスから最適なものが処方されます。

代表的なものとしては、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチンなどがあります。

ただ、癌細胞以外の正常な細胞にも作用してしまいますので、副作用には充分の注意を払って投与されなければなりません。

その一方で、近年は、がん細胞の増殖に関わる分子だけを阻害する「分子標的薬」が犬猫でも使われるようになりました。

イマチニブ(メシル酸塩)を有効成分とするグリベック(Glivec)やトセラニブ(リン酸塩)を有効成分とするパラディア(Paradia)といった抗がん剤です。

正常な細胞に作用しない分、副作用が少ないことが最大のメリットと言えますが、残念ながら、どんな癌にでも有効であるわけではなく、まだ一部の癌でしか効力が報告されていないようです。

とは言っても、犬の癌では最も多いと言われる肥満細胞腫で効果が種々報告されているようですので、この点では大いに期待されています。

イマチニブは、人間では慢性骨髄性白血病の治療薬の第一選択肢とされていますが、犬の肥満細胞腫と消化管腫瘍への作用が期待されています。

イマチブは、そのイマチニブを成分とするグリベック(ノバルティスファーマ)のジェネリック薬です。

グリベックを処方されている飼い主さんはもちろん、急に愛犬が癌になってしまった場合にも、この記事を、あるいはジェネリック薬が存在することを頭の片隅に置いておいていただければ、選択の幅が広がるかと思います。

癌で身罷った柴犬 京ちゃんへの思い

我が家のラプラス号が散歩デビューした頃に、散歩途中で「柴犬って飼うのは難しいですか?」って尋ねられた女性が居られました。

そして程なく、ラプラス君よりも約4歳年上のお姉さん「京ちゃん」を譲り受けられ、散歩でよくお会いするようになりました。

その京ちゃんが、2018年の夏、突然歩けなくなり、7月の終わりか8月の最初頃に亡くなってしまったのです。

6月ごろに急に歩くのがおぼつかなくなり、かかりつけの動物病院の紹介で大阪の大きな動物病院に連れていかれて検査したところ、頸椎の辺りにできた癌が原因だったようです。

お話を聞いた限りでは、おそらく第1頸椎部付近だと推察されますが、脳に近い所で切除手術は困難と診断されたようです。

「花より団子」だった京ちゃん。
私とラプラスを見つけると飛んでやってきて、突進しまくりのラプラス君なんか、いなせにかわして、「おやつ~」とお座りしていた京ちゃん!
さぞかしつらかったでしょうね。

人間のがん治療は一定進歩してきましたが、ペットのがん治療はまだまだこれからといったところでしょう。

でも、少しでも可能性があるなら諦めないで頑張ってあげてください。

京ちゃんにはお見舞いのおやつを用意して、娘と一緒にお伺いしたのですが、その時にはすでに亡くなっていて、驚いてしまいました。
京ちゃんの在りし日を思い浮かべながら合掌することしかできませんでした。

イマチブ 特長

  • イマチブは、本来は人間用医薬品です。このお薬は必ず獣医師の処方箋・指示のもと服用して下さい。
  • イマチブは、c-kitという細胞膜にある受容体に作用する分子標的薬で、犬の肥満細胞腫と消化管腫瘍への作用が期待されています。
  • 腫瘍細胞に発現している変異したc-kitに作用し、腫瘍の進行を遅らせる効果があります。
  • 正常細胞には作用せず、c-kitに変異のある腫瘍細胞のみに作用するので、従来の抗がん剤に比べて副作用が少なく安全性の高いお薬です。
  • 腫瘍の全身転移例や広範囲で切除できない例など、外科的治療や放射線治療が困難な例にも適用されることがあります。
  • 投薬料など、最初は獣医師の処方を仰いでください。(ペットくすりでは獣医師による無料相談が受けられます。)

イマチブ 副作用

  • 重篤な副作用は少ないとされていますが、消化器症状(嘔吐、食欲不振)や白血球減少がみられることがあります。そのような症状がみられたときは速やかに獣医さんの診察をお受け下さい。
  • 投与期間中は定期的に獣医さんの診察を受け、健康状態をモニターして下さい。