■第4章:食欲と食事の処方箋

6.食欲の適正コントロール(1)不必要な食欲

ほとんどの肥満は、要するに食べ過ぎに起因して起こったことは明白です。

日常の活性とは不釣合いに食べ過ぎて来たのだということを素直に受け入れましょう。

もっともらしい理屈で真実を煙に巻かれてはいけません!

あちこちで見かけるキャッチフレーズのように、「食べるほど痩せた」人や「意志が弱いから痩せた」人など決して居ないことに目覚めましょう。

では、ここまでの結論を発展的にまとめておきましょう。

真にダイエットが必要な人にとって、食欲と食事の面からダイエットに必要なことは、

  1. 不必要な食欲を捨て、本物の食欲で美味しく食べること
    1. 意外にカロリーの高い間食や飲料の摂り過ぎに注意しよう。
    2. 食事量を1割程度減らすことから始めてみよう。
    3. 極端な食事制限を決してしない!
  2. 糖質をジャストフィットするように摂取すること
    1. 理想的な糖質ジャストフィットの摂り方を理解しよう。
    2. 理想からずれる場合の方が普通である現実を補正する術を心得よう。
  3. 食欲をコントロールするために
    1. 咀嚼してゆっくり食べよう!
    2. バランスのよい食事、和食中心の食事をしよう!
    3. 食べる順番を変えよう!
    4. 【食前の水摂取】という方法!

Ⅰ)不必要な食欲を捨て、本物の食欲で美味しく食べること

  1. 意外にカロリーの高い間食や飲料の摂り過ぎに注意しよう。
  2. まずは消費エネルギーとバランスを取る摂取レベルに近づくためには、不必要だと思われる食欲に対して反応しないようにすることが最も近道です。

    小さなことのように見えますが、これは大きな前進に繋がる根っこの自己変革です。

    僕の例でお分かりいただけるように、たった1つのお菓子をやめておくこと、たった1本の清涼飲料水をやめておくだけでも、積もり積もって大きな成果となって現れます。

    今あなたが手にしたバウムクーヘン、どうしても食べなければならないものですか?
    本当にお腹が空いているから食べたいのですか?

    甘いものが欲しい気持ちはよ~く分かります。

    もし、今食べるのであれば、この後の食事は本当にお腹が減ったなと思う時間に食べるようにしてください。

    間食したため、それほどお腹が空いているわけでもないのに、食事の時間だからと義務的に食べることは避けましょう。

    また、食後に甘いものを食べる二重の幸せは断念しましょう。

    さもなくば、今は断念して、食後に幸せを感じてください。
    (食前に甘いものという説は、本物の食欲に従順である人には合理的な効果が期待できるでしょうが、偽の食欲に支配されている人には、あまり効果は無いかもしれません。)

    あなたにとって、どちらがいいかの問題です。

    どうしても2回の幸せを感じることが譲れないのであれば、趣味でも結構ですから、生活活性を上げるための毎日の習慣を何か付加していかなければ辻褄が合いませんよ。

    とは言っても、あまり気持ちに負荷をかけると挫折します。

    頑張ろうという意識が強ければ強いほど、食欲への執着が高まるものです。

    相反するようで難しいのですが、自分の自然な欲求にちょっと待ったを掛けて、「それってどうなの?」と自問自答する癖を付けるぐらいのところから始めることです。

    「これって、今どうしても食べる必要ってないよな!」とか「今これを食べなくても死なねぇじゃん!」とか、自分にブツブツ言う言葉を見つけて、常々ブツブツ言うようにすれば、それだけでも大きな進歩に繋がります。

    これらが出来るようになると、通常の食事に関しても、本当にお腹が空いて食事が待ち遠しいという状態(真の食欲)を作ることができます。

    実際に、空腹を感じている時間は、「脂肪を燃やしている最中」なんです。
    そのようにプラス思考で眺めると、空腹もありがたいことだと感じれます。

    不必要なものを食べないことは末永く引き締まった体を維持するための第一歩です。

  3. 食事量を1割程度減らすことから始めてみよう。
  4. 間食はあまりしないし市販の飲料もほとんど飲まないので、その意味での不必要な摂取はないと思われる方や不必要な摂取はしなくなったけれど、まだ肥満傾向が残る方は、食事量を1割程度までを目安に減らすことを心がけましょう。

    1割程度までという基準は、筆者の例のように多くの方は、必要摂取量の1割~2割程度のオーバー摂取が積もり重なって肥満の原因を作って来たのではないかと予想されることとバランスを大きく崩さない範囲での調整が重要との2点から判定したものです。

    運動や生活活動レベルを上げることは、その気になり面白いことを見つけさえすれば何とかできますが、一番厄介者の「食欲」に処するのはなかなか困難を極めるんですね。

    ですが、これができなければ、せっかく運動しても無に帰する結果を招きますから、とにかく気持ちをリセットすることがダイエットの大前提なのですね。

    実際には、日々の積み重ねのステップ・バイ・ステップで習慣付けて行くしかないのですが、ダイエットのスタートとともに気持ちをガラッと切り替えておかなければ、これがなかなかできません。

    ですが、気持ちを切り替えて始動すれば意外に簡単に「偽の食欲」は分かるものです。

    今まででも本当は薄々分かっておられたはずなのかもしれません。

    世の中の食べさせよう食べさせようとさせる力が日常化している中、満腹の感覚が相当上がっていますので、腹八部目が実は本当の満腹レベルなんだということを体で覚え直すように心がけることが必要なんですね。

    食事の欲望を我慢させるのではなく、本来の正常なレベルに戻してあげるのです。

    栄養とエネルギーの代謝から、食事の摂り方は実にシンプルな答えが出てきます。

    プロローグで先に結論として述べた端的な結論を呼び出してみましょう。

    「食事制限」という言葉の曖昧さを放置して、決して食事を抜いたりしないこと。

    現実に肥満しているのであれば、

    • 「お米はがっつり食べましょう」ではなく、「お米は普段より軽めに食べましょう」
    • 「脂肪もがっつり食べましょう」ではなく、「脂肪は控えめに食べましょう」

    これらを総論的にありきたりの言葉でまとめると、「炭水化物は普段よりやや軽い目に摂り、脂肪は無理しない範囲で減らす」

    食事前にこれらのことを思い浮かべていただければ、意外に適切量は分かるものです。

    見せ掛けの食欲を抑制するために「もっと機械的にやる方法はないか?」と思われた方は、Brenda Davy博士によって、その根拠を示された【食前の水摂取】(3回の食事前に各約500mL )という方法は試されてみる価値があると思います。

  5. 極端な食事制限を決してしない!
  6. 食欲のコントロールは最も重要な要素ではありますが、かと言って、極端な食事制限は、骨や筋肉を衰えさせ、基礎代謝を減少させるだけで体脂肪を減らしてくれません。

    基礎代謝が落ちた分リバウンドし、その結果さらに食事制限し、生きる力自体を削っていくという負のスパイラルに陥る場合すらあります。

    【摂取エネルギー<消費エネルギー】の人がこれをやると覿面です。
    ダイエットする必要もない人が、細身に憧れ過ぎると危険というわけです。

    脳の栄養は、たんぱく質から摂るブドウ糖が主ですから、ごはんを主食としてしっかり摂ることは自然に則ったことです。

    既定のブドウ糖の量を超えるとインスリンが、中性脂肪が多くなるとレプチンが、それぞれ満腹中枢を働かせ、摂食を抑制しようとしてくれます。

    本来の食欲は、この信号に依拠しています。
    この信号に従い、食事を終わればジャストフィットです。

    極端な食事制限をすると、常にブドウ糖が不足した状態となり、脳に必要な血糖を補うため筋肉や肝臓のグリコーゲンが分解され、グリコーゲン1に対して水3分子が体から抜けるのです。

    すなわち、筋肉を減らして脳への栄養に変え、その際に、体から脱水して体重が急激に落ちていきますが、脂肪が抜けて体重が落ちたわけではありません。

    しばらくすると、体重の減り具合が鈍くなりますが、筋肉の衰えによって基礎代謝が減るからと考えられます。

    ここでやめると、リバンドで体重が増え以前より内臓脂肪がもっと増えてしまいます。

    食事を三食きっちり食べていたから肥満になったのではありません。

    ただ、消費エネルギーに不釣合いに食べ過ぎだったからこそ肥満になったのです。

    偽の食欲と向き合って「腹八部目+バランス」を強く意識してください。

    .2項で掲げたように、まずは1割減までを目安に食事量を減らしましょう。

    食事制限で痩せたはいいけど、萎える筋肉=落ち行く基礎代謝
    萎える筋肉。落ちる基礎代謝。・・・あなたは、人間やめますか?


本講座は、引き締まった美しい体を作るシェイプアップ(一般的に「ダイエット」と呼ばれているもの)に関する正しい理論と手法を、誰にでも分かりやすく紐解くことを目的としています。

ご存知の方は少ないかもしれないWとB(読まれていく内に正体を現します)にスポットを当て、世にある多くのダイエット手法とは代謝的に全く別の根拠によるアプローチをご紹介しますが、ダイエットの本道は【過剰にならない一定の糖質をジャストインタイムで摂取する】ということ以上でも以下でもないということをバラシておきましょう。

誰にでも理解しやすいようにまとめてはいますが、一方で、医学系・看護系の大学新入生レベルには今後の勉強の基本予習・イメージ作りとしても有益ではないかと思います。