コラーゲンやヒアルロン酸を経口摂取するってどうなの?

プロリン/アミノ酸

先日、『有機べにふうき緑茶』を販売するにあたって調査していると、『青汁』とブレンドした上に『コラーゲン』まで配合してある商品を見つけたので、調査を進めると、なんと『コラーゲン』を配合した『青汁』の沢山出ていること!

なんと!青汁のトップクラスのメーカさんもこぞって販売。

そもそもが世間知らずなもので、相当驚いてしまいました。

ご参考までに
青汁のシェアートップクラスをご存知でしょうか?
2012年のシェアーでは次のような会社が並んでいました。

  1. アサヒ緑健
  2. キューサイ
  3. テレビショッピング研究所
  4. ヤクルトヘルスフーズ
  5. ファンケル
  6. やずや
  7. 山本漢方製薬

『コラーゲン青汁』止まりであれば、まぁご愛嬌と受け取ることもできます。

ただ、『べにふうき緑茶』と『大麦若葉』ではちょっとご愛嬌とも言えないのでは?
と思ってしまったついでに、コラーゲンヒアルロン酸についても流しておきたいと思います。


ともかく、コラーゲンが含有されていることに対し、コラーゲンを摂取するとそのまま自分のコラーゲンになると誤解させるような宣伝が多いですが、そうではないですよね。

「生物」嫌いでも、おかしな話だと直感できるほどケッタイな話です。

■コラーゲン

コラーゲンは、体内に最も多く含まれるたんぱく質の一種で、皮膚や骨、関節などのあらゆるところに存在している重要な成分です。

ただ、コラーゲンを摂取しても、そのまま体内中のコラーゲンになるわけがありません。
摂取すると体内でアミノ酸やペプチドに分解されて吸収されます。

したがって、当然のことながら、経口摂取での美容効果は期待できないと考えるべきです。
化粧品のような経皮摂取の場合ですら、極めて低分子化されたコラーゲンでないと吸収も難しいわけです。

【低分子コラーゲン】と謳われているものでも、経皮摂取の場合はどの程度の低分子かで判断せねばなりませんが、経口摂取の場合はこの問いですら意味をなしません。

それに、コラーゲン(タンパク質)ばかり食べていると、当然、栄養が偏り代謝のバランスが崩れてしまいますよね。

したがって、コラーゲン生成に必須なアミノ酸ヒドロキシプロリンを多く含むコラーゲンを摂取するとしても、通常の食事摂取よりは非合理的だと言えるでしょう。

下記に該当する方はコラーゲンの摂取を控えた方がよいとされています。

  • 妊娠中の方
  • タンパク質アレルギーに該当する方(当然)
  • アトピー性皮膚炎の方

アミノ酸に分解された後、体内でどのように使われるのかは体のみ知るのです。
その内のいか程が再びコラーゲンに合成されのるかは不明です。
(どのタンパク質をどれくらい合成するか決めているのはDNA情報)

普通に食べ物からタンパク質摂るのと同じ意味しかないじゃん!
逆に、「コラーゲン!コラーゲン!」と血眼になってしまう方が居れば、「そんなにタンパク質たくさん摂って大丈夫?」にならないかと心配してしまいます。


これと同じようなことが当てはまるものとして、化粧品でよく使われるヒアルロン酸があります。
ベルマン化粧品を販売していますからお店ページでも書かせていただいておりますが、これも経口摂取には意味がありません。

何度も書いて申し訳ないのですが、
当店ベルマン・ド・ボーテでも、過去に何度も【コラーゲン】【ヒアルロン酸】配合のサプリの販売を依頼されたこともあります。
(もちろんベルマン社がそんなものを依頼するはずはありません。他の健康食品ベンダーです。)

が、提供された製品も全て廃棄し、もちろん一切販売したことはありません。
有毒とも言えませんが、摂取しても何の意味もないことが明からだからです。
その上、安全性に関してはリスキィな点が見受けられるからです。

経皮摂取に関しては、少なくとも安全性には特に問題はないと考えられ、真皮にまで到達することは難しいにしても、分子量の大きな『ヒアルロン酸』においても一定の効果がみられる報告は見受けられます。

また、株式会社ヒアルロン酸研究所 浅利 晃 博士よりご案内いただいた「あるサイズのヒアルロン酸オリゴ糖は皮膚真皮まで浸透し、表皮および真皮における高分子ヒアルロン酸の産生を誘導する」という研究からも、今後はさらに期待できるのではないかと考えています。

青汁に関してなら、私も自家製のものをいくらでも飲んできました。
そして、市販の青汁でも、飲んで弊害があったという話は身の回りでは聞きません。

従いまして、青汁に関しては適切な量の摂取であればおそらく安全と思われますが、それでも、市販青汁製品の摂取者の2.4%で便秘や軟便などの体調不良が起こったという報告もあります。
どんな自然のものでもそうですが、そういう可能性もあるという点は頭に入れておいた方がよさそうですね。

基本は日常の食事ですから、あまりサプリに頼ることがないようにしたいものですし、頼るにしても、意味のないものならともかく安全性だけは自分の体と相談して間違いのない判断をされてください。