受験生の悩みから見えてくることとは?(3)

■誰暗記することに悪戦苦闘をしていませんか?

東京大学 安田講堂

「暗記すること」は勉強には不可欠な要素です。
むしろ、「知識を定着させること」と捉えるべきなのですが、「暗記する」という言葉のイメージが一人歩きして大いに誤解されているようです。

人間、意味の無いことを「記憶」することは絶対にできないようになっています。 逆に、理解した途端に、記憶が非常にスムーズに行わるようになっています。

それなのに、理解することが難しそうなので「丸暗記」しようとすることで、反って効率を悪くしたり、全く記憶ができなかったりで、自分は「頭が悪い」などと 思ってしまったりしているのです。

「暗記」自体が目的になってしまって、理解することこそが暗記にとって最も効率的な促進剤であることが見失われています。

理屈で説明できないことの暗記には、記憶術に頼る手がありますが、その記憶術と言えども、何らかの意味づけ、印象付けを行って初めて記憶を可能にするわけですから、全くの「丸暗記」ほど意味の無いものはないということを肝に銘じなければなりません。

エビングハウスの忘却曲線も知らなかった時代、 英単語の暗記のために僕自身が編み出したのが「重ね塗りの反復トレーニング」と名づけている方式です。

覚え方に関しては、イメージ化という方法もあるでしょうが、例えば、英単語の場合は、それ以上に非常に覚えやすい性質を持っていますから、これを利用して覚えることです。
英単語に記憶術を使うなんてことは愚の骨頂です。

そして、実は、君にとって覚え方以上に大切なことがあります。
それは、何よりも反復の時系列に関する正しい知識を持つということです。
この知識がないことには、暗記作業はすべて徒労に終ってしまいます。

「重ね塗りの反復トレーニング」で、僕は英単語6000語を記憶しました。
そして、日本史など暗記科目は全てこの方式で記憶しました。
その定着率や我ながら恐るべしと感じます。

受験から、はるか月日を経た今、それも、普段英語を使わない今でも、並みの受験生よりは知っているかもしれません。
その定着率は漸減した今でも7割以上キープしているのではないかと思います。

「知識を脳に定着させる」ことは全学科に共通しています。
「重ね塗りの反復トレーニング」はあらゆる勉強・自己啓発に有効な手法です。

今、君がしている勉強に採用するだけでも地力が蓄積されていきます。
そして、あるものとセットにすることで、さらに・・・。