[脳細胞を働かせてちょう題 09] 数字パズル
[例題シンキング]を参考にして以下の問題に挑戦してみましょう。
自然数とは正の整数のことです。
[例題]1,2,3の3つの数字を並べて1,2,3のどの数字でも割り切れる自然数を作る時、最小の自然数は?
[問題]
1) 1,2,3,4の4つの数字を並べて1,2,3,4のどの数字でも割り切れる自然数を作る時、最小の自然数は?
2) 1,2,3,4,6の5つの数字を並べて1,2,3,4,6のどの数字でも割り切れる自然数を作る時、最小の自然数は?
3) 1,2,3,4,6,7,8,9の8つの数字を並べて1,2,3,4,6,7,8,9のどの数字でも割り切れる自然数を作る時、最小の自然数は?
但し、各問とも
- 与えられた数字は必ず使う
- 与えられた数字は何度使ってもよい
ものとします。
まずは、以下の[例題シンキング]を見ることなく、例題から挑戦してみてください。
さて、少しヒントが必要でしょうか?
クリアできましたでしょうか?
[例題シンキング]
[例題]1,2,3の3つの数字を並べて1,2,3のどの数字でも割り切れる自然数を作る時、最小の自然数は?
- 2で割り切れる = 2の倍数 ⇒ 求める自然数は偶数である
- 3で割り切れる = 3の倍数 ⇒ 各桁の数字の和は3の倍数である
ⅱ検証:各桁の数字の和は1+2+3=6であるから3の倍数
⇒ どう並べようと3の倍数であることは保証された
ⅰ検証:偶数であるから1の位は2しか使えない
⇒ ○△2 ⇒ ○△は1,3の何れか
問検証:最小の自然数を求める
⇒ 大きな桁に小さい数を入れた方が小さい数 ⇒ ○=1,△=3
答えは132になります。
この問題を考えるにあたっての脳細胞の動きと解答はこちら⇒です。
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小学生で習うような倍数や約数のビューから一つずつ論理的に問題を解きほぐす比較的初歩的な作業を、まざまざと見せつけられることで、新弟子は師匠の思考の感触を我がものとし、その良きライバルとなるべく腕を磨いていくイメージを持っていただければよいかと思います。
小学生の問題、クイズ的問題と思われるかもしれませんが、大学受験でも整数に対するセンスが突破口となるような問題はゴロゴロしています。
小学生の時、丸暗記やテクニックではなく、しっかりと論理に基づいて教えられ身に着けた子は、以降の数学力も他の教科を学ぶ力も危なげなく伸ばしていくことでしょう!
高校生の君も、数学のセンスやひらめきが欲しいとお望みであれば、まずは整数をいろんな角度からスポットを当てて、論理的に組み立てていく訓練が大いに役立つことを知ってください。
簡単な整数の倍数・約数に精通するだけでも高校数学までのセンスは保証されます
さて、資料を読まれた諸君は如何でしたか?
【1,2,3,4の4つの数字を並べて1,2,3,4のどの数字でも割り切れる最小の自然数】ぐらいまではクリアできましたでしょうか?
例題より数字が一つ増えただけですが、それでも大変だったって!!
では、【1,2,3,4,5の5つの数字を並べて1,2,3,4,5のどの数字でも割り切れる最小の自然数】なる問題が抜けているのは何故なのでしょうか?
ここまでで、『最小公倍数』からアプローチしようとされた諸君は如何でしたでしょうか?
この辺りの、簡単な整数の倍数の性質や約数の性質に精通することが、実は算数や数学のセンスの核を形成しているであろうことは間違いがありません。
このセンスが無駄な計算地獄を回避する力を養ってくれます。
言われてみれば当たり前の理屈の積み重ねに過ぎなかったでしょ!!
積み重ねることによって偉大なことに見えてしまうだけなんだということなんです。
「なるほど」や「ふーん」で終わるのではなく、少し間を空けて、再度自分で考えて解いてみてください。
「なるほど」や「ふーん」ほどアテにならない感覚は無いことは、もう十分に経験済みのはずではありませんか?
整数の性質を自分で心に刻み込むほどの確認しながら作業をこなした子だけが他のライバルの一歩先を歩くことができます。