【帝都大学へのビジョン】ご活用の皆さんには医学部志望の受験生が多いようです。
そこで、医大・理系の入試問題も加えて着眼点を記していきたいと思います。
時には『ポリア風』に、時には『点と線のメモ書き風』に・・・。
詳しく解説しているとキリがありませんので、問題は解かないで着眼点だけメモしておく形で進めます。
尚、web上では、数式は基本的にテキストベースで書かせてもらいます。
さて、三角関数の問題であることは一目瞭然だよね。
この問題のカタチを見る限り、基本中の基本が詰まってそうな予感。
別に医学部受験生でなくとも、三角関数と式変形の感覚をチェックしておくに無駄ではないだろうね。
で、α,βの値は角度として考えればいいということになる。
1) 問題は、与えられた条件から(α+β)なる角度を求めよということだ。
考えられるのは、
① 与えられた条件から、αとβをそれぞれ求めて足してやる?
等式が1個しかないから無理だよね・・。
② (α+β)を直接求める?
三角関数で(α+β)と来れば、加法定理が思い浮かぶ。
思い浮かばなきゃダメ!
三角関数には数々の公式があるけれども、ほとんどが加法定理を母親とする。
そう教えておいたはずだね。・・・『三角関数 はじめの一歩』
それぞれのαとβは分からなくても、(α+β)さえ分かればそれでいい。
これは、sin(α+β)が分かればいいということであり、あるいはcos(α+β)が分かればいいということであり、あるいはton(α+β)が分かればいいということになるよね。
問題には、tanばかりが条件として与えられている。
だから、tanで考えてやるのが合理的。
「sinとcosの加法定理は出てくるけど、tanの加法定理は忘れた!」なんて言わせない。
tan=sin/cosなんだから出て来ない言い訳にはならないよ。
分母・分子ともにsinとcosが入り混じって式がやたら長いって?
分数は、分母・分子ともに同じ値や式で割ってやっても値は変わらない。
分母・分子ともに、cosαcosβで割ってやれば、見事にsinとcosは消えるはずだよ。
ton(α+β)=tanα+tanβ/1-tanαtanβ になるだろ。
今や、三角関数すら普段使わない僕のようなおっさんだってすぐに導ける!
ここで条件をはめ込んでやると、ton(α+β)は不定形になるね。
値が不定になるようなtanを持つ角度は限定されるよね。
αとβのそれぞれの定義域は指示されているから、(α+β)の範囲も自ずと決まる。
だから、(α+β) は○しかあり得ない。
あとは解答の書き方だけ!
2)条件にγが追加されて三つ巴になったということね。
そこに、今度は三角関数ではなく角度の和自体が条件となった。
- α,β,γ のそれぞれの変数に関して、お互いに平等である。
即ち、どの2つを入れ替えても式は同じ・・・対称式!! - 3つの角度の和がπ/2
残念ながら三角形の内角の和ではないが、それがどうした!
書き直せば、γ=π/2-(α+β)これを見れば、γに関する三角関数はα,βによって全て表現できる!
よって、変数がα,βだけの式に変身させることができる。
どうやら、【対称式】という意識はここでは必要なさそうだね!医科歯科大を受験するレベルであれば、これぐらいのことは、すぐに分かるようにみっちり研究しておいて。
さて、(0±Θ),(π/2±Θ),(π±Θ),(3π/2±Θ) の三角関数は単なるΘで表せることを知らないとか、
その公式を暗記で覚えてるなんてことはないだろうね!あとは変形していけば答えに辿り着く。
3)頭をよぎる断片メモ
- 条件は2)と同じ・・・おそらく2)の結果を利用する可能性が高いだろう
- 「とりうる値の範囲を求めよ」・・・不等式の形で出てくる
- α,β,γの対称式だった
- 2)の形を利用するとすれば、3)は○○するに違いない。・・・でないと出てこないじゃん。
- おぉ!それぞれ単体で正が言えるじゃん。
- 対称式で不等式に関係して、しかも正・・・○○○○が使えるな!
- しかし三つ巴で使うと嫌な形が残って意味なさそう!
- 対称式の2つずつに適用すれば3つ出てくる・・・時々見かけるよな!
こんなところで、書き進めていくと何だか出てきそうだと思いまーす…。
■関連資料
帝都大学への数学vol.02 三角関数初めの一歩
教学社
志望校攻略に欠かせない、大学入試過去問題集「赤本」。最近7カ年収載。
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