ストラスブールの街並み

教えるとは希望を語ること

学ぶとは誠実を胸にきざむこと

フランスの詩人ルイ・アラゴンの「ストラスブール大学の歌」という有名な詩の一説で、上記は大島博光 氏の訳詩になります。

僕の場合は、訳詩から少し言葉を変形して自分の心に刻んでいますが、「黄金の言葉」として、もし興味があられましたら、当社の別サイトで記事としていますので、ご一読ください。

全詩に渡って心に染み入る素晴らしい詩ですので、大島 博光 氏の全訳詩へのリンクもしています。
大変アクセス数の多いページとなっています。


2018年3月追記

この記事を書いた時のランキングはARWU2012世界大学ランキングでしたが、現在公表されているARWU2016を見てみますと、やはり日本は全体的に下落傾向が見られるようです。

特に、大阪大学の下落が目立ち、それに替って名古屋大学だけが地位をかなり上げている様が伺えます。

なんだか、先般の「依然として国公立志向が強い中部エリア、私学志向が国公立志向を上回った関西エリア」というリクルートの調査結果と符合した結果が出ているとみなすこともできるのですが、大学進学がファッション性で選ばれるようになったという傾向が見られることからも、あながち相関がないとは言えないように感じられます。

実は、【帝都大学へのビジョン】を冊子版付で購入された方も中部エリアの方の方が関東よりも多いんです。

世界大学ランキング~ストラスブール大学~

ここでは、少し違う視点からお話を展開していきたいと思います。
と言うのも、先日ふと「ストラスブール大学は世界の大学でどのぐらいの地位にあるのだろう?」と疑問が湧き、世界大学ランキングを調べて見る機会があったことから記事にしようと考えたからです。

もちろん、フランスの高等教育にはグランゼコールと大学が並存していることはかねてから知っていたのですが、世界の大学の話題となるとなかなか耳にしないなとふと興味が湧いた次第です。

大島 朋光 氏の訳詩からも分かるように、ストラスブール大学(University of Strasbourg)は非常に歴史のあるフランス有数の大学です。
ゲーテやシュバイツァーや最近では2011年のノーベル医学生理学賞のジュール・ホフマン教授などを輩出し、ノーベル賞受賞者も特に化学分野で多いようです。

現在のARWU2012世界大学ランキングでは101-150位ランク、特に化学分野では世界17位、フランスの大学では3指に入る大学のようです。
(ちなみに、日本では北大・東北大・東京工業大が総合で101-150位ランク、化学分野では京大9位、東大11位)

但し、フランスの高等教育は他国のように単一ではなく、極めて少数の専門的エリート養成を目的とするグランゼコールと大学が並存しているために、大学ランキングではあまり脚光を浴びないという事情がありますね。

その証拠に、フランスでのランキングトップはグランゼコールの高等師範学校(Ecole Normale Superieure)でした。
下記で名前が挙がってきますルイ・パスツールも高等師範学校の出身です。

さて、総合で101-150位ランクとは言っても、やはりノーベル賞受賞者の数は多いようですね。
そこで、ストラスブール大学に関わる著名な偉人やノーベル賞受賞者をまとめてみました。

友達との会話のネタの一つとしてもお役に立つかもしれないこともありますが、こういう具合にちょっと違う視点で整理し、まとめ、出力しておくと、いろんなことが見えてくるということや、ここで出てきた偉人や業績を覚えるときにすごく記憶に定着しやすくなるということを感じてほしいのですね。

ストラスブール大学を母校とする偉人及び科学者

※()内はノーベル賞受賞・国籍・主な業績

  1. ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(国籍:独 詩人・自然科学者)
  2. エミール・フィッシャー(1902年化学賞 国籍:独 エステル合成法)
  3. マックス・フォン・ラウエ(1914年物理学賞 国籍:独 結晶によるX線の回折現象)
  4. アルベルト・シュバイツァー(国籍:独 アフリカにおける医療と伝道)
  5. ジャン=マリー・レーン(1987年化学賞 国籍:仏 超分子化学)
  6. ジュール・ホフマン(2011年医学生理学賞 国籍:仏 自然免疫の活性化に関する発見)

ストラスブール大学で研究経歴のある著名な科学者

※()内はノーベル賞受賞・国籍・主な業績

  1. ルイ・パスツール(国籍:仏 近代細菌学の開祖)
  2. ヴィルヘルム・レントゲン(1901年物理学賞 国籍:独 X線の発見)
  3. アドルフ・フォン・バイヤー(1905年化学賞 国籍:独 有機染料およびヒドロ芳香族化合物の研究)
  4. フェルディナント・ブラウン(1909年物理学賞 国籍:独 電位計・オシログラフ・ブラウン管の発明)
  5. マルグリット・ペレー(国籍:仏 キュリー婦人の助手→フランシウムの発見)
  6. ヘルマン・シュタウディンガー(1953年化学賞 国籍:独 高分子研究)
  • 僕でも知ってるシュバイツァーやゲーテもストラスブール大学出身だったんだなぁ!
  • いやぁ、ゲーテって自然科学にも精通していたんだ!
  • ストラスブール大学は物理と特に化学でとてもビッグな業績を出しているんだなぁ!
  • その意味で、ジュール・ホフマン教授の2011年ノーベル医学生理学賞受賞はストラスブール大学にしては初めてだったんだ!
    でも、ルイ・パスツールの伝統が脈々と受け継がれていたんだろうなぁ!
  • レントゲン写真のレントゲン、ブラウン管のブラウン、X線の回折のラウエ、物理学の大きな発見にストラスブール大学も大いに貢献していたんだ!
  • 物理系の受賞者名は全部知ってるけれど、やっぱり、化学系受賞者名は俺全然知らねぇなぁ!

これらの偉人の名前や業績が、自分で整理しまとめるという作業をすることによって、非常に印象深く捉えられるとは思いませんか?

ラウエのX線回折をまだ習っていないとすれば、習った時には、きっと、「ストラスブルグ大学でまとめたときに名前が挙がった人だ!」とより印象深く脳に刻まれる筈ですし、習っていれば「ストラスブール出身だったんだ~!」と、これも印象深く思い出されることによって、その際に内容を見直す作業も伴えば、きっと磐石の知識として定着していくことでしょう。

これが、【勉強の方法論】というものなんですね。

世界大学ランキング~日本の大学~

ハーバード、オックスフォードにケンブリッジと理系ではMITが世界の最高峰という常識ぐらいは知っていても、ランキングには頓着したことがないので、ストラスブール大学を調べるにあたって、結果、人生で初めて世界大学ランキングを調べることとなりました。

そうなると、ついつい日本の大学のランキングも気になったので、ついでに調べてみることにしました。
ARWU2012世界大学ランキングでは以下のような結果でした。

日本も自然科学・数学・技術分野では総じて優秀になったものですね。
特に物理と化学では世界の頭脳と言えるまでになったのではないでしょうか?

その分、社会科学や経済学は少し淋し過ぎる結果ではありますが・・・。

ルイ・アラゴンの言葉をかみ締めて、是非それぞれの道でそれぞれに応じて「学ぶ」ことを極めていって欲しいと願っています。

■総合ランキングTOP500

20位:東京大学

26位:京都大学

83位:大阪大学

96位:名古屋大学

101-150位:北海道大学

101-150位:東北大学

101-150位:東京工業大学

151-200位:九州大学

151-200位:筑波大学

301-400位:広島大学

301-400位:金沢大学

301-400位:慶応義塾大学

301-400位:神戸大学

301-400位:岡山大学

301-400位:東京医科歯科大学

301-400位:早稲田大学

401-500位:千葉大学

401-500位:長崎大学

401-500位:奈良先端科学技術大学院大学

401-500位:新潟大学

401-500位:徳島大学

■自然科学&数学 総合TOP200

9位:東京大学

17位:京都大学

46位:東北大学

51-75位:名古屋大学

51-75位:大阪大学

51-75位:東京工業大学

101-150位:北海道大学

101-150位:筑波大学

151-200位:九州大学

151-200位:早稲田大学

■数学 TOP200

21位:京都大学

51-75位:東京大学

76-100位:東京工業大学

101-150位:早稲田大学

■物理学 TOP200

7位:東京大学

32位:京都大学

43位:東北大学

47位:大阪大学

51-75位:東京工業大学

75-100位:名古屋大学

101-150位:首都大学東京

101-150位:筑波大学

101-150位:早稲田大学

151-200位:広島大学

■化学 TOP200

9位:京都大学

11位:東京大学

28位:東北大学

35位:名古屋大学

35位:東京工業大学

51-75位:北海道大学

51-75位:九州大学

51-75位:大阪大学

101-150位:筑波大学

■技術・エンジニアリング&コンピュータ科学 総合TOP200

23位:東北大学

35位:京都大学

41位:東京工業大学

51-75位:大阪大学

76-100位:九州大学

76-100位:東京大学

101-150位:北海道大学

151-200位:筑波大学

■コンピュータ科学 TOP200

101-150位:東京大学

■生命工学・農学 総合TOP200

30位:京都大学

33位:東京大学

51-75位:大阪大学

151-200位:北海道大学

151-200位:九州大学

151-200位:名古屋大学

■医学・薬学 TOP200

48位:京都大学

51-75位:東京大学

101-150位:北海道大学

151-200位:金沢大学

151-200位:慶応義塾大学

151-200位:大阪大学

■社会科学 総合TOP200

151-200位:東京大学

■経済学 TOP200

151-200位:一橋大学