Q:2008年9月

すでに一昔前のご相談ですので、差し障りのない部分だけ引用させていただきました。

HPでのコメントやマニュアルの分析ありがとうございます。
本日はガリレオ先生にご相談したくメールをしました。
自分にとってどのマニュアルがより適切かということです。

現在、私には公立中に通う中2の娘がおります。
HPでおっしゃっているように私も家庭での学習習慣はとても大切と考えていますが、現在、娘には全くその習慣がありません。
宿題が出れば渋々やりますが、学校でも塾通いを前提としているからか、ほとんど宿題は出ないようです。
(因みに塾には5~8月まで通いま したが止めました)

来年は3年生となり高校受験となります。
ネットを見ているとよさそうなマニュアルがいくつかありますが、どんなによいものでもやらなければ意味はありません。
これらの中には「やる気がない子供をやる気にさせる仕組みが入っている」のだと謳っているものがあります。

先生が読まれておられるのであれば、以下のものはそれぞれ (1)どのような違いがあるのでしょうか、また(2)実践可能度(理屈だけではなく具体的行動に移せる内容か)はどのようなものだと判断されますか?

・・・以下省略・・・

当時の回答内容をweb要に最適化編集したものです

最初に、「やる気がない子供をやる気にさせる仕組みが入っている」に関してですが、こういう宣伝は言葉半分に聞かれておく方が宜しいかと思います。

これは、一般的には、保護者にとっても指導者にとっても最も難しい課題です。
何故なら、「やる気」というのは取り巻く環境の総体の問題だからです。

なのに、環境全体を最適化したとしても、それだけで「やる気」が生まれるものではないからです。
しかも、環境が好ましくないからといって決して出てこないものでもないからです。

どういう意味での「仕組み」という言葉なのかは分かりませんが、この性質の問題は「仕組み」だけで解決できるようなものではありません。
「こうすればああなる」という方策は多々あれども、必ずそれが功を奏するとは言えないものです。

確かに、理に適った勉強法を会得することは「やる気」に対しても大きなプラスの影響を与えます。
逆に言えば、「やる気」を励起させる本質を伴っているのが理に適った勉強法と言えます。

これは、もう「仕組み」などという曖昧な言葉で表すような代物ではありません。

さて、ご質問を拝見いたしまして、

・塾に通われていない
・娘さんは、おそらく、やり方が分かっていないか あるいは、やってもできないと思い込んでいる
・したがって、何をどうやっていいのか分からないまま なんとなく日常が過ぎていく

こんな感じに捉えさせていただきました。

であるとするならば、ある程度やることのレールが敷かれて それに沿ってやっていくだけという具体的なところまでノウハウ化されたものでスタートするのがベストと考えます。

そういう意味からアドバイスさせていただくと、「○○○○○」はお勧めできると考えます。

実践可能度からはこちらが一番でしょうね。

当方は、社会的には勉強を教えるプロではありませんが、過去の指導経験から、そのあたりのどこにでも居る講師よりははるかにプロだという自信は持っております。

私が具体的なステップを書いたとすれば、「○○○○○」にある程度似たものになろうかとと思います。
このマニュアルは具体的に「こうしなさい」と使う参考書とステップがプログラム化されているのですね。

要するに「手取り足取り」で全てが規格化されていることであり、裏返せば、「勉強するとはどういうことか?」の本質は書かれていません。
これは、ネットでのビジネスチャンスに目を付けた「にわか(自称)プロ」による商品だから仕方がないのかもしれません。

本当は、そここそが大切で、具体的なやり方などは人それぞれに違ってきて当然のものです。
まぁ、詐欺師よりはよほど真っ当ですし、「手取り足取り」してもらわないと何もできない時代になってしまったとも見れますので、試してみる価値はあるかと思います。

ともかく、家庭で学習しないということは、勉強面では致命的です。
娘さんの場合には、何もせずに日々を過ごすよりは、信じて、まずはそのまま実践してみることが最適と思われるケースだとお見受けいたしました。

学校の宿題も無いとのことですので、まず、一つの教科を毎日1時間実践してみることから始められたらよいのではないでしょうか。
(学校でも塾でも、本当に勉強の仕方は教えないようです。先生や指導者が本当の勉強の仕方を知らないのか、塾の場合なら、それを言ってしまうと商売あがったりになってしまうからでしょうか?…)

一方、「○○○○○○○」の場合は、勉強不振の原因が、保護者がガミガミ言うことや家庭内の不和などの環境に大きく依っている場合の方が適していると考えます。
こちらは、具体的なカリキュラムというものは提示されていません。
どちらかと言うと、親の子育て書の色彩が強いようです。(著者の○○先生に確認済み)

もちろん、親の上手な働きかけや反応が大切な場面も多々ありますから、子どもと接する上で恒常的に意識しておきたいこととしての子育て論として保護者さんが読むには役に立つ方も大勢居られるでしょう。

「○○○○○○」は的を得ているのですが、どちらかというと教える指導者側がこのような系統化を意識して、 指導順序や指導方法に工夫をこらさなければならないものであり、生徒側としては、個々の単元がある程度しっかりと出来ていて初めて実戦できるものだと思います。

これが自分で出来る子はかなりハイレベルな子です。
そしてさらに一層自分でハイレベルになっていきます。
けれども、普通の子が読んでも、「ではどうすりゃいの?」で終わってしまうポイントでだと思います。

最後に、「○○○○」は全教科に通用されるような勉強法ですが、英語を中心に、勉強のスケジ ュールの立て方とか、暗記の仕方とか、勉強する上での留意点が記載されているようです。

したがって、やはり自力での展開がある程度必要になることは言うまでもありません。
また、ここに挙げたマニュアルの執筆者は、全て「にわか(自称)プロ」と見受けられますので、その点だけは頭に置いてください。

指導者としての実績は不明ですが、これから社会的に学習関係のプロとして専心しようという気持ちだけは見えますから、詐欺者と同列に扱うことは不要でしょう。

家庭学習=自学学習は勉強することの全てと言って過言ではありません。

これが出来ていないことには、学校での時間、塾での時間は浪費以外の何ものでもなくなってしまいます。