さらば 燃えない脂肪の憂鬱 第1章:Wの憂鬱と期待の星B | 9

肥満対策における褐色脂肪細胞の活性化手法

肥満対策における褐色脂肪細胞の活性化手法

そろそろ、
「理屈はいいから、結局何をすればいいのよ!」という声が聞こえてきそうですね。

確かに、様々な研究の実証や理論により、褐色脂肪細胞を増やすことあるいは活性化することで、脂肪を燃焼させること、すなわち、エネルギー消費を増やすことができ、肥満を解消する、あるいはダイエットをするという方向性が見えてきます。

おそらく、何となく直感しておられる方も多いのではないかと思います。
先ほどのシステムとしての代謝の流れ図で気が付かれた方もおられるでしょう。

「熱」という言葉を第一キーワードとしてピックアップされた方、いらっしゃいますか?
かなり論理の筋がいいのではないでしょうか?

そして、方法論としては「寒冷暴露」という言葉にリンクしていきます。
学術用語は堅い言葉ですけれど、要するに「寒さに身を晒す」という意味ですね。

「寒冷暴露」によって交感神経が刺激され、ノルアドレナリンを放出し・・・
と読んでいくと、

① 冷水シャワーという方法

すぐに思い浮かぶのは、冷水シャワーですね。
褐色脂肪細胞にしかない特異な熱産生の機能を活性化させ、脂肪を燃焼させる手段として、冷シャワーを浴びるという方法が大きくクローズアップされてきます。

都合のよいことに、褐色脂肪細胞の存在部署は、肩甲骨の間であり首周りであり脇の下ですから、まさにシャワーを浴びてくれと訴えているかのような分布ですよね。

筆者は、海外のWebを調べてみたのですが、日本よりははるかに認知度も高く人気があるように見受けました。ジェームスボンドの影響かもしれませんが・・・。

ただね、「寒冷暴露」という手法には、筆者には一つの疑問があったんです。
寒冷馴化が褐色脂肪細胞を活性化するとするならば、寒冷地の人ほど肥満は少ないはず?
ところがですね、調べてみると、日本においては全く逆の傾向があるんですね。

例えば、児童での例なんですけれど、政府統計では「寒冷地ほど肥満児出現率が高い」という統計結果が出ています。

これは、
寒冷暴露 → 褐色脂肪細胞活性化 → 熱エネルギー産生(エネルギー消費) → 抗肥満
の構図に矛盾するではないか?

そうですね。
しかし、極寒であればあるほど寒冷からの防御が強くなるという傾向が生じるのは自然の理ですね。
どうやらこの辺りに罠がありそうです。

日本でも北海道や東北などの寒冷地では、冬場はガンガンと暖かくすることを北海道で勤務した友人に聞いたことがあります。
そして、外界は寒いが故にどうしても活動活性が落ちてしまいます。

その上に、昨今では、室内でゲームをしたりパソコンに向き合う時間が圧倒的に増えていますから、それが逆に原因の一つに挙げられるのではないかとの意見も見られました。

都会でも、低学年から高学年に進むにつれて肥満度は上がっていきます。
寒冷地と都会の子どもの肥満度の差が縮まっている様が伺えます。

平均して、中学生の間が一番肥満度の谷となるのは、きっとクラブ活動も含めて生活活動が最も活発な時期だからと分析できそうですね。

寒冷地は、逆に、総じて生活活性が落ちるという面が確かにあるでしょう。

せっかく褐色脂肪細胞が多くても、防御した環境の快適さの中に身をおいては、宝の持ち腐れになるどころか、活性を退化させることにもなりかねないという結果とも見えます。

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のFiona Johnson博士は、冬場の快適な暖房生活が肥満要因の可能性があると発表されています。

1911/1/25 Medical News Today

この疑問に一定の納得をした後、筆者も、これを10月からお風呂に入った際に、出る前の最後に冷水シャワー試したのですが、かなり冷える日でも、冷シャワーの後、洋服を着てくつろいでいると、しばらくすると背中がポッポと温かくなっていることが明らかなレベルで実感できました。

冷水シャワーを浴びると、熱産生が行われているのは紛れもない事実のようです。
これが褐色脂肪細胞のある場所なのかとその分布を実感できましたね。

それに加え、何ともいえない爽快感とシャキット感がずっと維持されます。
普段、どれだけダラダラしているのかが身にしみて分かりましたね。

ただ断っておきますが、夏場とは違いますし、筆者はもう若くはないですから、いきなり冷シャワーはビビります。
ヒートショックで心臓麻痺にでもなったら大変ですからね。

ですから、お湯と水の混合割合を調整しながら、お湯から徐々に水に近づけていったことだけ申し上げておきましょう。

もし試してみようと思われましたら、夏場冬場問わず、また、老若男女に関係なく、お湯から徐々に水に近づけるという方法で試されてみてください。

筆者は、これで全然問題なく最終的に完全冷シャワーにもっていけましたし、そこまでせずとも、ちょっと温水も混ざっているぐらいの水でも十分同じ効果を感じることができました。

これに加え、筆者は冷温水シャワーを交互に行うことが、さらに効果的だと実感するようになりました。

ちょうど、スポーツにおけるインターバルトレーニングが体を逞しくするように、環境の変化Δ(デルタ)こそが私たちの神経系統を鍛えるのではないかとの仮説が最も合理的だと考えています。
残念乍ら研究の肝要にはありませんので証明は出来ませんが…。

後述しますが、自律神経を鍛えることはダイエットにとっても重要な要素の一つです。
この場合、体が順応した後は、冷水と温水を切り替える際も、あまりゆっくりではなく、ある程度の速さで切り替えることが最も効果的と予想されます。

よく似たものとして、「乾布摩擦」・「冷水摩擦」・「寒中水泳」などが思い浮かびます。
いまどきは、死語かもしれなませんが、どれもが昔ながらの健康増進法です。

そして、「乾布摩擦」や「冷水摩擦」・「滝打ち行」・「寒中水泳」などは、確かに「体を引き締める」という大きな要素であることは想像するにやぶさかではありません。

■ある学校の方針

著者は冬場の「乾布摩擦」は子供の頃に経験しています。
また、何を隠そう中高6 年間は、毎日学校で2 時限目と3 時限目の間に、15 分でしたでしょうか上半身裸でグランドを走らされていました。

雪が降ろうが風が強かろうが雨以外の日は毎日です・・・。
それに加え、上半身裸・裸足でトイレ掃除もありましたね。

こう言えばどこの学校か分かってしまいますね。
(ちょうど小学校6年生の12月に親父を亡くした筆者は、戦争で満足に勉強できなかった親父の生前の願いということもあって、ここなら間違えても落ちないと言われてこの学校に進学したのですが。)

こんな光景を見ると、「何と野蛮な!」「何と不潔な!」と思う方が居られるかもしれませんね。
現に、当人にとっては決して嬉しいものではありませんでした。

過ぎ去りし過去となってから、苦々しく思い出すのか、今となってはよかったなと思い出すのかは人それぞれでしょうが、意外に、ほとんどが後者のようですね。

別に積極的に自慢するようなことではありませんから外で話したことはありませんが、OBの中には自己アピールとして濫用している人もいるようです。
ただ、自分の中では今の肥やしになっている面は多々あると思っています。

ですから、ただ単に、「何と野蛮な!」と思われるのでしたら、それはある意味、文明病にかかっているのかもしれないという可能性をも考えてみることも必要だと思うのです。

こういう体験もあり、今行っている冷水シャワーの後の身が引き締まる感覚を思い出すと、「寒さに身を晒す」ということの効用がしみじみ分かるのです。

② 乾布摩擦・冷水摩擦という方法

知らない人も多いのかと想像できますが、昔ながらの健康増進法なんですね。

皮膚を綿100%のタオルで軽く5~15分程度往復摩擦させることで、体がポカポカ暖まってくることが感じられるはずです。
そして、摩擦自体の刺激により、皮脂が次々と排出されることになります。

特に冬は、先ほど述べた寒冷暴露が刺激として付加され、より発熱が活発になるでしょう。
夏場は冷水摩擦に切り替えると、効果が大きくなると予想されます。

部位は全身に適用できますが、せっかくですから、褐色脂肪細胞の存在部位である首筋から背中には必ず行うようにすれば効果的ですね。

同時に手を往復させることで、普通のエネルギー消費も加味され、何とも一石三鳥の効果が見込めると考えます。

女性の場合、この方法は少し抵抗感があるかもしれませんが、自宅でこっそりやるわけですから、よければ試されてみてください。
理論から考えるとシャワーより効果は大きいのではないかと予想しています。

言い忘れましたが、冷温水シャワーの場合もシャワーを手に持って自分で小刻みに動かしてくださいね。

但し、乾布摩擦・冷水摩擦もアトピーの方や何らかの疾患を持っている方はやめておかれた方が無難でしょう。
必ず、お医者さんに相談されてください。

ついでに、方法というわけではなく生活習慣に属することなんですが、寒冷暴露に関係するものとして、自然に浮かび上がってくることがあります。

  • 冬でも、許容できる範囲で薄着で暮らすこと
  • 暖房ばかりに頼らないで「寒さ」を感じること

この2点に気をつけることで、褐色脂肪細胞が今までよりも多く活躍してくれることでしょう。

逆に、全くこれらに留意しないでぬくぬくと暮らすばかりでは、なによりも自律神経が完全に退化してしまうことでしょう。

ワキガで悩む人が増えているのも、結局、自分の体温を自分で調整できないようになってきているということに大きな原因があるのです。
プロローグで述べた、「ぬくぬくと暮らすことが肥満をここまで進行させて来た」と繋がってきましたね。

③ 香辛料を摂取するという方法

寒冷暴露の他には、このような方法があります。
あなたもすでにご存知かもしれませんね。

辛いものを食べることによるダイエットの効用は誰もが何となく感じられているのではないでしょうか?
というか、体の中が燃えていることは誰もが経験されていることでしょう。

その立役者は、カプサイシン(CAP:capsaicin トウガラシの辛み成分)です。
実際、「カプサイシン・ダイエット」としてご存知の方も多いかと思います。
バラエティを挙げれば、キムチダイエットや生姜湯ダイエットもありますね。

学術の世界でも、例えば、京都大学大学院 人間・環境学研究科 森谷 敏夫 教授が、カレーの効用に関する実験をされていました。

カプサイシンは脂肪分解を促進すると同時に、褐色脂肪細胞での熱産生を促進することを、カレーと擬似カレーと高脂質食で比較された実験で裏付けたデータとして出しておられます。

その他にも、下記のような論文もご参考ください。

[その他参考文献]

2003年 京都大学大学院 人間・環境学研究科 森谷 敏夫 教授

2003年 早稲田大学大学院 人間科学研究科 呉 泰雄 氏 博士論文

筆者は、別に意識せずとも定期的にカレーは食べていますが、それは、たいていの方も同じではないでしょうか?

ダイエットに効果的だからといって、毎日食べていたのではやはり栄養バランスの面でも歪になるでしょうし、何よりあまり頻繁になると飽きてきますから、意識せずに普通に取り入れられていればよいと思います。

むしろ、筆者は、例えばお鍋のときにポン酢の上に七味を振りかけたり、野菜などのサラダに七味を振りかけるようになりました。
日常的に、七味を食卓に採り入れられるのもよいかもしれません。

筋肉や内臓を動かすこととは関係なく、ただ単に熱を産生することでさないでエネルギーを消費するもう一つの道。
それを褐色脂肪細胞が担っていました。

カプサイシンが何故褐色脂肪細胞を活性化するのかは分かりませんでしたが、古来の健康法の知恵は、体温を下げればそれを上げるためにエネルギーを消費するといういたって当たり前のシェイプアップとしての方法論にも繋がっていたのです。

本講座は、引き締まった美しい体を作るシェイプアップ(一般的に「ダイエット」と呼ばれているもの)に関する正しい理論と手法を、誰にでも分かりやすく紐解くことを目的としています。

ご存知の方は少ないかもしれないWとB(読まれていく内に正体を現します)にスポットを当て、世にある多くのダイエット手法とは代謝的に全く別の根拠によるアプローチをご紹介しますが、ダイエットの本道は【過剰にならない一定の糖質をジャストインタイムで摂取する】ということ以上でも以下でもないということをバラシておきましょう。

誰にでも理解しやすいようにまとめてはいますが、一方で、医学系・看護系の大学新入生レベルには今後の勉強の基本予習・イメージ作りとしても有益ではないかと思います。

講座の内容をPCに書籍として保存しておかれませんか?

  • 何度も訪れて順次閲覧していただいている方
  • 一度に長時間にわたってページを順次遷移して読んでいただいている方

まことにありがとうございます。

よろしければ、下記内容をPDF電子書籍の保存版としてPCでご覧になりませんか?

邪な業者と分かりつつ心動かされたときに、思い出して読まれると、冷静な心で判断ができるお役にも立つと思います。

根も葉もないことを面白おかしく書いているわけではなく、理系の心で精査に精査を重ね、スタッフだった女性の実践的な生活習慣の理論検証とエビデンスに基づいて、数か月を要してまとめ上げた書籍ですので、印刷して普段の心がけとしてお手元に置いていただき、初心に帰るきっかけとしての意味でご利用いただければ幸いです。

ほとんどが女性の方とお見受け致しますので、とっておきの特典をお付けしますので、ワンコインでPCに保存されておいては如何でしょうか?

■ご提供内容

  1. 【保存版】代謝とダイエット~さらば燃えない脂肪の憂鬱~ PDF180ページ
  2. 資料1:肥満指標と基礎代謝 PDF7ページ
  3. 資料2:必要エネルギー・摂取エネルギー PDF3ページ
  4. 美姿・美脚になれる!!バレリーナこれだけレシピ PDF76ページ
    後半32ページは1.の第4章と同じ
  5. スペシャル特典:刺繍・和風デザイン スタンプ(透過png画像、及び、LINEで使っても透過する透過gif画像:320×320)| 文字付:44点、文字無し:47点
    さすがに、その元となる用途無限大の大画像はお付けできません m(__)m
もう一つの知られざる世界!

理に適ったサプリでも、まず即効的な効果は期待できません。

しかし、最短で痩せる医薬(抗肥満薬)なら2種あります(世界一の製薬会社が提供するお薬と日本のバイオ・サイエンスに手を出した大企業のお薬でしかも承認薬)。

そして、もう一つ、日本一の製薬会社 武田製薬が承認を得ながらも(世界有数の製薬会社依存ですが…)、製造権の持ち腐れで日の目をみなかった「オブリーン」も、世界ではそのジェネリック薬は販売されています。

当社が家電販売、特に施主支給家電で一世を風靡した時、卸元の担当者が「ニーズがあるから、その署品は存在する」とはよく言ったものです。

なるほど、便のお漏らしを気にせねばならず、片やお薬への依存性が発生しますから、よほど病的なメタボリックでない限りおすすめすることは出来ない肥満治療薬ですが、世の中のご立派なクリニックは平気で、それほどでもない肥満程度の患者にも使っているようです。

ある意味、新型コロナの非常事態宣言で、あまり外出できない今こそ、臆病だった方には、試してみる唯一のチャンスかもしれませんね。

先発薬はさすがにお高いですが、ジェネリックも数種ありますので、自己責任覚悟で入手されるなら参考にされてください。