さらば 燃えない脂肪の憂鬱 第1章:Wの憂鬱と期待の星B | 8

白色と褐色 脂肪細胞それぞれの生い立ち

白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞 それぞれの生い立ち

実は、白色脂肪細胞褐色脂肪細胞は、同じ「脂肪細胞」という名前を持ちながら、その生い立ちは全く違うことが分かってきました。

なんと!
白色と褐色は、母親(細胞生物学では「前駆体細胞」と呼びます)が違ったんです!

この項は、少し難しくなりますので、白色脂肪細胞褐色脂肪細胞は生い立ちが違ったということ、褐色脂肪細胞は筋肉と兄弟だったということだけ、話のネタ程度に頭に留めていただいて、読み飛ばしていただいても結構です。

後半は少し難しいですが、要するに、従来は白色脂肪細胞褐色脂肪細胞は同じ前駆細胞から発生すると考えられていましたが(普通、誰でもそう考えますよね)、実は違ったというお話なんですね。

言い方を変えると、褐色脂肪細胞白色脂肪細胞と兄弟ではなく、むしろ筋肉と親戚関係にあるという結果になったわけなんですね。

褐色脂肪細胞は脂肪の貯蔵者ではなく、筋肉・内臓と同じく脂肪の消費者だったことを思い出していただければ頷ける結論ですね。

褐色脂肪細胞は、白色脂肪細胞と同じ脂肪前駆細胞から何らかのシグナルで分化したものであると考えられて来ましたが、今まで、筋肉細胞の前駆細胞のマーカーであると考えられていたMyf5遺伝子を発現する筋芽細胞から生成することが分かったのです。

すなわち、Myf5を発現する筋芽細胞のみが、筋肉細胞になるか褐色脂肪細胞になるかの分化の可能性があり、それはPRDM16を発現すれば褐色脂肪細胞となり、発現しないものは、おそらくミオゲニンの作用によって筋肉細胞となると予測されているのです。

兄弟ではないことを理解するためも兼ねて、次に、発生の流れを簡単なフローで示しておきますね。

発生初期白色脂肪細胞 ; BMP2,BMP4 の発生シグナルによって成熟白色脂肪細胞に

褐色脂肪細胞前駆細胞 ;

Myf5 を発現する筋芽細胞 → BMP7 の発生シグナルとコントロールによって

→ PRDM16 を発現させて → 褐色脂肪細胞に

→ PRDM16 を発現させずミオニゲンによって → 筋肉細胞に

たんぱく質の略号が出てきて難しく見えますが、興味があれば勉強されてください。
難しいアルゴリズムですが、ともかく、出生の元が同じでないことは分かりますね。
むしろ、PRDM16の都合によって、筋肉になったり褐色脂肪細胞になったりしています。

BMP-7とは、骨形成タンパク質7(Bone morphogenetic protein 7)のことで、その名前通り、骨組織を誘導する因子として見つかったものですが、腎や神経に対する強力な再生作用も持っており、褐色脂肪細胞の分化促進によってエネルギー恒常性も調節していることが、明らかになりました、

面白いことに、このBMP-7は白色脂肪細胞の分化には決してタッチしないのです。
BMP-7は、ジンクフィンガータンパク質PRDM16などの褐色脂肪調節因子や脂肪形成転写因子のスイッチをオンにし、ミトコンドリア生合成を促進しる作用を持っています。

2007年、ハーバード大学教授 Bruce Spiegelman 博士の研究によれば、マウスでBMP-7を異所発現させると褐色脂肪の量が増え、エネルギー消費が増加して体重が減少するが、白色脂肪の量は増えないという実験結果も得られたようです。

褐色脂肪細胞の生成に関するメカニズムを解明することで、もし褐色脂肪細胞を増やしたり活性化させる方法に繋がれば、肥満治療にも大きな成果をもたらすことができそうになってきたというわけですね。

実は、褐色脂肪細胞は骨格筋系列から誘導された筋肉の兄弟分だったというわけですから、脂肪を持った筋肉細胞=脂肪筋細胞と呼ぶ方が相応しいとも言えますね。

褐色脂肪細胞の近傍でBMP-7が何故存在するのか?
PRDM16の発現を制御するBMP-7の何が、その運命を決定付けるのだろうか?
PRDM16が筋細胞になるか褐色脂肪細胞になるかの選択決定権を持っているのか?

まだまだ、そのあたりのメカニズムの詳細は分かっていないようです。
研究者の皆さんにとっては、実に面白そうなテーマですよね。

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理に適ったサプリでも、まず即効的な効果は期待できません。

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