「1日2Lの水」と「食前の0.5Lの水」

2010年ヴァージニア

さて、2010年に何があったかのお話に移りましょう。

実は、2010年にヴァージニア工科大学のBrenda Davy博士が、食欲を簡単にコントロールする方法の効果を一つの臨床データが確認したとして、低カロリー食を摂る中高年の被験者に対して、食事前の水摂取が体重の減少に寄与したという2008年の研究成果を挙げて、第240回アメリカ化学会(ACS:American Chemical Society)総会で発表したんですね。

1日3回の食事の前に各2オンスの水を摂取(即ちトータルでは6オンス≒1.5L)すると、飲まなかった群の被験者に比べて約2kgの減量効果が確認されたという報告です。
研究の詳細は次回にまとめますが、2つの重要なポイントを先に挙げておきますね。

まず、1日の水分摂取量ではなく食事前の水摂取量がクローズアップされるという点です。
“1日当たりの8×8” ならぬ “食事前の8×6” ということなんですね。
しかも、水分ではなく水と明確に規定されているところが2番目のポイントです。

ですから、これを、「1日1.5Lの水を飲む」や「1日1.5Lの水分を摂取する」という言葉に変形して摩り替えてしまうと、全く研究成果を正確に伝えないことになります。

全く意味を成さないどころか、端から捻じ曲げられてしまうことになりますが、世間は平気でこれをやっちゃいます。

この研究に先立って、同博士は、2007年には、若年層に関して、食事の水摂取がエネルギー摂取量を減らすことができるという報告をジャーナル“obesity(Silver Spring)”に発表されていたようで、結果は同じであったと書かれています。

さて、信じていいものでしょうか?
この発表は、世の中が世の中ですから「どうせウソっぱち」と軽く無視された方も多かろうと思います。

端から無視するほど商業的なものではなさそうですが、実は、こういった学術的な説ですら、その妥当性とともに利害関係の有無などの背景等も詳しく精査しないと分かりませんから、真実に最も近いところを見極めるのは私たち素人にはとても難しいことです。

専門家による論理的な追証や反証が示されない限り、真偽は分からないというのが本当のところだということは頭に置いておきたいものです。

ただ、この理論に対する反証は、2012年9月現在のところ見つけられませんでした。

【食欲のコントロールが出来ればダイエットは半分以上達成できたも同然】
これが、ダイエットにおける大前提であることは既に述べて来ました。

その意味で、現段階では、食事前に2cup即ち約480mlの水を飲むことでダイエットできる可能性があるという説を試してみる価値はあると考えます。

私自身の中では、理論的にも合理的であると考えますし、根拠無しに一人歩きする「1日2Lの水」を遵守するよりは賢明な試行と考えています。

とは言っても、自分自身の場合になると「食べるときは、最初に野菜からガッツリ食べる」ということさえ習慣化していれば、まず肥満になることはないと考えますので、特に「食前の水」に意識はいきませんが、野菜をあまり食べない方には良い方法になるかもしれませんね。

ただ、注意しなければならないのは、食前に普通の水を飲むということであり、決して、人口甘味料の入った飲料ではないということなんですね。
私は、肥満の根本原因の一つは、飲料も含めた加工食品の過剰摂取にあると考えています。

これを試すにあたって要する費用は水道代ぐらいですから、別に出費するという感覚でもありませんし、1日のトータル摂取量から見ても、約1.5Lの摂取は、結果的に多少摂り過ぎになるような人にとっても、さほど問題になる数値ではないと考えられます。
(次々回にお話させていただきます)

先ほども申し上げましたように研究の詳細は次回にまとめますが、その前に留意点的に今回のまとめをしておきましょう。

摩夢化 計子の留意点的まとめ

  1. ダイエット目的として食事前の水摂取は試してみる価値はある。
    但し、水であり味の付いた飲料としての水分ではないという点が重要です。
  2. このトライアルの本意は、1日の水摂取量を規定するものではないという点が重要です。
    ここを勝手に解釈したり捻じ曲げてはなりません。
  3. アメリカ社会での通俗説 “1日当たりの8×8″、日本で言うところの「1日2Lの水」という通俗説は、ダイエットに特定する場合はもちろんのことですが、健康との関係においてすら根拠はまだありません。
  4. ましてや、「最低限2Lの水を飲めば健康によい」とか「水をたくさん飲むほどダイエットできる」という言い換えなどはなおさら注意しなければなりません。
  5. Brenda Davy博士も但し書きしているように、過剰な水分摂取は、稀に水中毒や低ナトリウム血症に陥る可能性があることを知識として持っていなければなりません。

次回は、Brenda Davy博士の「食前の水摂取」についてお話させていただきます。

本講座は、引き締まった美しい体を作るシェイプアップ(一般的に「ダイエット」と呼ばれているもの)に関する正しい理論と手法を、誰にでも分かりやすく紐解くことを目的としています。

ご存知の方は少ないかもしれないWとB(読まれていく内に正体を現します)にスポットを当て、世にある多くのダイエット手法とは代謝的に全く別の根拠によるアプローチをご紹介しますが、ダイエットの本道は【過剰にならない一定の糖質をジャストインタイムで摂取する】ということ以上でも以下でもないということをバラシておきましょう。

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