高校数学 9月度前半実力テスト:偏差値60以上を目指すバロメータ

高校2年生の夏休みを終えた頃には、ある程度こなせるようにしたいレベルです。

解答例を与えると「そうかぁ」で終わってしまう子が多いのでご提供はしませんが、考えたプロセスを提示の上で答を知りたい諸君にはアドバイスします。

ALLコースご購入者様には、ブログでの閲覧以外に、購入者専用ページにて問題用紙及び1問1枚の問題・解答用紙をPDFファイルとしてご用意しております。
また、有料となりますが1セット単位で添削もご依頼いただけます。

基本的にMARCH以上を目指す受験生のバロメータとなるような、避けては通れない基本を鍛えるレベルの問題(易しくもなく難問でもない)となっています。

問題を見て、方針が立つかどうかのチェックとしてお使いいただくことで相当な実力が付くこと請け合いですので、一つの賢い使い方としてご利用ください。

もちろん、読んだだけで方針が立つケースから、問題を整理しながら書き出して方針が立つものまでケースバイケースですが、「あぁ、ほとんどの問題に道筋は付けられそう!」と思えるようであれば、偏差値65以上の難関大学に合格する可能性も大いに期待できます。

高校数学 今日の実力テスト9月度前半第1問

実力テスト9月度前半第1問

問題から、明らかに「対称式」の問題であることが分かりますね。

言葉すら知らないという諸君は、【数と式】に相当する単元で、「対称式」と「交代式」をじっくり勉強してみてください。

その前に、本問とは関係ない質問に対して以前に作成した下記資料をしっかりとなぞってくださいね。

特に、この問題に関しては、6~7ページの「もうひとつおまけ」の部分を、今なぞって、脳に刻み込んでおいてください。

この問題の本質に関係するような質問ではなかったのですが、
ほら!こんなところで役に立ってしまうことになってしまいましたよ!

式ばかりで、一番面白くないと感じる単元であることは同意します。

しかし、資料で述べたように、「a2+b2+c2は、(a+b+c)2と親戚関係にある」と理解していることだけで、本問はペンが走り出すのですね。

そして、そういったことを教えられない限り、このつまらない単元はつまらないままですし、暗記せねばならないというプレッシャーやストレスから解放してくれることもありません。

塾や予備校で講義を受けられても、まず、こういう風に教えてくれる講義は1割もないでしょうね。

ALLコース会員の諸君は、さらに【因数の頭に解宿る】の相当部分、「対称式」と「交代式」を、この際にしっかりとなぞって噛みしめておいてくださいね。

さらに、もう一つ興味深いことを呟いておきますよ!!
「a,b,cは、3次方程式 t3-pt2+qt-r=0 の解である。」

ここから突破しようとする君は、もはや神の領域に達しているかもしれないけれど、普通の君も、ほんの少しの時間でいいから呟きの意味だけは考えようとしてみて!

高校数学 今日の実力テスト9月度前半第2問

実力テスト9月度前半第2問

(1)は、明らかに「面積の公式」であることが分かりますね。

公式だからと言って、教科書の証明を見ないと思い出せないから、見直して今度こそ覚えようなんて了見の前に、一度式の意味と面積の意味を考えて、それが結びつくはずだという意識で考えてみてください。

「三角形の面積=底辺×高さ÷2」を知っていればいいんですよ。
それで、底辺にaを選んでしまうと、∠Aが真っ二つに割れちゃって利用しずらいから、底辺にbかcを選んで「高さは?」って考えてみましょう。

自然に、CあるいはBからお向かいさんの辺に垂直な線を下ろしているはずですよ!
これほど覚えやすい公式も少ないですけれど、即座に理由を人に説明できるぐらいにはしておいてくださいね。

(2)では、最終的に

  • 何故(1)の問題があるのか?を考えれば、進むべき道の方向性を照らしてくれること

までは知っておられると思うのですが、現実は「そう言われても・・・」と憤るのが普通ですね。

そこで、たいていは(2)を解くためのヒントになっている(1)は何を言わんとしているのか?
を考えるようにしてほしいのです。
それは、単なる記号の羅列ではなく、意味を日本語にしてみるということです。

「三角形の面積は、2辺の長さとそれを挟む角のsinのかけ算である」と言い直せますね。

では、挟む角は同じで、違う三角形を考えてみては如何でしょうか?
a×b×sinA の部分において、aとbが違ってくるだけではないですか?

「このことを、君は日本語でどのようにまとめられるか?」というところが、この問題をこじ開ける鍵です。
(2)で問われているのは面積の比のようですから、そういうこともヒントに加えることを経験しておきましょう。

「同じ角度を持っている三角形の面積の比は、その角度を挟んでいる2辺の長さの( )の比である。」

ALLコース会員の諸君は【はじめの一歩 三角関数】の該当部分を、面積を中心として、この際に噛みしめておいてください。

高校数学 今日の実力テスト9月度前半第3問

実力テスト9月度前半第3問

整式や関数f,gに対して、例えばg(x,y)などと変数に2文字入ると、それだけで意味が分からなくなる諸君は、本問でしっかり整式(多項式)や関数というものの意味を掴んでおくことをお勧めします。

本問題のような物言いに慣れることを、まずは目標にしてくださいね。

整式g(x,y)が正領域ということは、そのままg(x,y)>0ということであって、関数g(x)のときと同じように考えればいいのです。

xとyに適当な値を入れて、その結果、整式g(x,y)がプラスであれば正領域ということです。それだけのお話!

何も難しく考える必要はないんです。

g1(x,y)=x+y-3に対し、x=1, y=3の時は、結果が1ですから正領域ということになるだけです。

すると、もし点Pが(1,3)だったとすれば、点Pは、g1(x,y)=x+y-3の正領域にあるわけですから、f1(P)=+1に決まりますよね。

ここまでを、体でしみじみ分かるまで理解に努めてください。
それができれば、もう問題は制覇したようなものです。

さて、お次は、

fi(P)は、点Pがどこにあるかによって、3通りの値【-1,0,+1】の何れかに決まるということに注目です!!

1つの点Pは、f1(P)の値、f2(P)の値、f3(P)の値を上記の3つの値からそれぞれに決まりますが、それぞれ3つの値を足した結果が0になるのはどんな場合でしょうか?ということですね。

さぁ、言い換えてみましょう!
「【-1,0,+1】から、自由に3つをピックアップしたときに、合計が0になるのは、どんな時?」
順列の問題になりましたが、事実上は目の子勘定で済む算数の問題になっちゃいませんか?

7通りの可能性があることが分かれば、あとは3つのgi(x,y)に言い替えてやればいいだけになります。

ALLコース会員の諸君は【関数の正体を見破る】で、この際に関数の概念を復習もしておいてください。

関係するところで見直すと、以前モヤモヤしていたことが突然理解できたりする場合もありますよ。

高校数学 今日の実力テスト9月度前半第4問

実力テスト9月度前半第4問

放物線の方程式は、どんな形?

この問題で言えば、y=x2+mx+nの形になれば放物線だってことまではいいかな?

ここが出てこないようであれば、もっと基本を扱う補習講義をしなくちゃいけないね。

さて、与式の右辺が、この形になるためには何が必要?

xの3次式の分子をxの1次式の分母で割ると、答えは何次式?

そう、2次式だね。

でも、割り算には余りがつきものだよ!

余りが出たらどう?

せっかく2次式が出たけれど、余分な分数式がくっついて来ちゃうから、放物線にはならないね。

と言うことは、割り切れればノープロブレムってことになる。

では、割り切れるっていうことはどういうこと?

そう!「分子は(x+2)という項を含む形で因数分解できる」ってことだね。

ここまで来れば、使うものはただ一つ!(※※※※)ということになるんじゃないかな。

ここを越えたら、「放物線の頂点のx座標」って「放物線の(※)」のことであるって基本を問う問題が待ち受けているだけですね。

「数と式」及び「二次関数」の基本を問う問題ですから、しっかりなぞっておきましょう。

ALLコース会員の諸君は、モヤモヤしたところが残れば、【因数の頭に解宿る】【知っ得で知っ解く二次関数(放物線)】で、該当部分を復習しておいてください。

高校数学 今日の実力テスト9月度前半第5問

実力テスト9月度前半第5問

ある図形を対称移動したときに、その方程式はどのように変わるか?

基本的な線対称と点対称で、その変換を、この際にまとめておきましょう。

x軸に関して対称
すぐに思い浮かぶのが横に寝かせた放物線x=y2+k
この特徴は、yでも-yでも同じ値をxはとるということ。
すなわち、yを-yに入れ替えても同じ方程式になっちゃうはず!
y軸に関して対称
すぐに思い浮かぶのが放物線y=x2+k
この特徴は、xでも-xでも同じ値をyはとるということ。
すなわち、xを-xに入れ替えても同じ方程式になっちゃうはず!
原点に関して対称
すぐに思い浮かぶのが直線y=ax
この特徴は、xの時はyをとり、-xの時は-yをとるということ。
すなわち、xとyをともに-xと-yに入れ替えると同じ方程式になっちゃうはず!

さて、残りも同じように考えていけるのじゃないかな?

最後の(f)だけが少し思案しなければならないだろうけど、考え方は同じだから少し粘ってみて!

ここまでをしっかりしておけば、あとは実際の式に当てはまるかどうかをチェックするだけになる!

「面倒くさい!」と思うかもしれないけれど、絶対に取りこぼしてはいけない問題だし概念だよ。

高校数学 今日の実力テスト9月度前半第6問

実力テスト9月度前半第6問

おそらく、数学の中で一番ワケが分からないのが複素数というか虚数なのではないでしょうか?

数は実際には物差しのように一次元の直線上にしか存在しないけれど、二次元平面に拡張して遊んだのが複素数。

君たちが、手始めに理解する第一歩は「ある複素数にiを掛けることは、90度回転させた位置に移動すること」だと確かめてみること。

1にiを掛けるとiになり、iにiを掛けると-1になると習ったはずだけれども、これは、いずれも90度回転した位置に移動したと考えれば複素数のイメージが少しはつかめるんじゃないかな。

今は、それでいいんじゃないかな?!って思う。

役に立つのか立たないのかは、理工系に進んだ人なら徐々に分かってくると思いますよ。

例えば、フーリエ変換やラプラス変換(僕は愛犬に”ラプラス”という名前を拝借してます)などでは、難しい微分方程式を代数方程式に帰着させるために役立っています。

先ずは、x3-1=0という見慣れた3次方程式の左辺は因数分解できるよね。

見ただけで、x=1がこの方程式の実数解であることも分かるはずだから、公式を思い出さずとも(x-1)で割ってやればいいのですからね。

すると、x3-1=(x-1)(x2+x+1)=0ってことだから、ωは「x2+x+1=0」の虚数解だということになります。

ということは、ωには「ω2+ω+1=0」の関係が独自に成り立っているってことになります。

この隠れている独自の関係を出してこれないと問題解決には至りません。

これを出してくることが出来た後、

  • ωが独自で持つ関係式
  • 問題で与えられたx,y,zとωの関係式

の二つの式を利用して、問題のx,y,zに関する分数式からx,y,zを排除し、ωだけの式に置き換えなさい。

ということになっているわけです。

ここまでは、代数的な処理ですが、まさに(2)で回転の意味をしみじみ感じる機会を与えてくれる問題になっていますよ。

回転が真骨頂だから、自ずと三角関数やベクトルとの親戚関係の濃さを見つめ直してみてくださいね!