プチ機械設計者講座002「アルミとステンレスを知っておく」
アルミとステンレスの素材の寸法も決まっている
前回は、鉄に関してSS400とSPCCのお話をしました。
実は、これだけでは鉄に関しては基本中の基本に過ぎません。
これに加えて、型鋼と呼ばれるものとパイプ(角や丸)さらには、硬鋼に類する材料が重要な役割を果たします。
これらのお話は、もう少し先でお話することにします。
今回は、鉄の次によく出て来る材質、アルミニウムとステンレスに関するサイズのお話をします。
それぞれは、用途によって使い分けられますが、基本的には、
ステンレス・・・腐食の可能性があるところ
アルミニウム・・・強度的に問題が無く軽量化したいところ
に使うということが最大公約数になります。
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先ずは、ステンレスですが、腐食する雰囲気のところにSS400などを使うと、見事に腐食してきます。
ものすごく分厚いパイプなどでも、やせ細って最後には折れてしまいます。
ステンレスは、材料自体も加工も高くつきますが、腐食雰囲気がある必要な部位には必ず使わなければなりません。
ステンレスは主にSUS304(サス サンマルヨンと呼びます)という材質が使われます。
ほとんどがこのSUS304です(圧倒的な流通量)ので、とりあえずバカの一つ覚えで結構です。
その他のSUS303とかSUS430とかで指示された場合は、その都度調べてみて下さい。
現場では、『サスにして』とか『ステンでいこか』などと言います。
サイズに関しては、
SPCCやSS400のように、1.6mm,2.3mm,3.2mm,4.5mmなどという中途半端な厚みはありません。
1.5mm,2mm,2.5mm,3mm,4mm,5mm・・・と10mmまでは1mm飛びのキリのよい並びとなります。
こちらも、フラットバーがありますが、SS400のフラットバーとはサイズが相違しますので、注意して下さい。
一致するものも多いですが、微妙に相違する場合も多いですので、都度確認して下さい。
確認しているうちに頭に入って行きます。
次はアルミニウムです。
こちらはご存知のように軽い!ですね。
同じ大きさなら鉄の3分の1以下の重さになります。
鉄ほどの強度が不要で軽くしたい場合に使います。
さてサイズですが、こちらも鉄とはちと違います。
そして材質も多岐に渡りますので、SUSのように「バカの一つ覚え」というわけにはいきません。
しかし、大まかに次のように理解しておくだけでほとんど事足ります。
A2017
切削性が良いためよく使われます。
平板と丸棒があります。
A5052とA5056
耐食性が必要なときに使われます。
平板はA5052。丸棒はA5056です。
板状の部品なのに「A5056」と材質欄に書いちゃうと間違いですよ。
同じく、棒状なのに「A5052」と材質欄に書いちゃうと間違いです。
A6063
角棒やフラットバーはこちらです。
また、型鋼やパイプもこの材質になります。
アルミのフラットバーと来れば、「A6063」です。
それでは、下記にA6063フラットバーの寸法を記します。
鉄のSS400と違って、19mmやら32mmやらの数字は出てきません。
キリのいい数字になっていることがお分かり頂けると思います。
厚み | 幅 | コメント |
---|---|---|
3 | 10,12,15,20,25,30,35,40,50 | |
4 | 10,12,15,20,25,30,40,50,70 | |
5 | 10,12,15,20,25,30,35,40,50,60,70,100 | |
6 | 9,10,12,15,20,25,30,32,35,40,50,60,75,100 | よく使うところです。 |
8 | 15,20,25,30,32,35,40,50,60,75,100 | よく使うところです。 |
9 | 20,30,40,50,60,75,100 | よく使うところです。 |
10 | 15,20,25,30,35,40,45,50,60,70,75,100,120,125,150 | よく使うところです。 |
12 | 20,25,30,40,50,60,75,90,100,120 | よく使うところです。 |
13 | 25,40 | よく使うところです。 |
15 | 20,25,30,40,50,60,75,100,150 | よく使うところです。 |
20 | 25,30,40,50,60,70,80,100,150 | よく使うところです。 |
25 | 30,35,40,50,60,80,100 | このぐらいの厚みからは、少し頻度は減ってきます。 |
CADソフトは自分が使いやすいとか気に入ったというだけでは選べませんよね。
クライアントがあってこその仕事ですから、クライアントの機種に合わせることが第一となります。
基本的には、建築・土木系も機械系も、AutoCadもしくはAutoCad LTは必修科目の領域でしょう。
建築・土木系では無料のJw-cadを使うところも多いと聞きましたが、やはり大手をクライアントとして持つ場合は、そういうわけにはいかないでしょうね。
機械系の場合は、昔は使用ソフトも本当にバラバラで分散していましたね。
でも、徐々にAutoCadにシフトしてきている傾向が強いように見受けられます。
その中で、フォトロン社の図脳Rapidを使っているところは多いのではないでしょうか?
僕も、中堅の会社のある部署に出向していたときに使わせてもらいました。
これから仕事を探す場合も、クライアントを探す場合も、AutoCadの経験があれば、門戸が広がりますね。
機械系も、やはり使い方に慣れると最も使いやすいのがAutoCadだと実感します。
僕も、最後の方はAutoCad LTしか使いませんでしたからね・・。