トマトを食べていれば痩せる?

トマトを食べていれば痩せるというのであれば、一人当たりのトマト消費量世界トップのリビアの肥満度が世界のトップクラスということはなかっただろう。
トルコにしてもイタリアにしても然り…。

トマトが赤くなれば医者は青くなる

トマトには沢山の栄養素が含まれていることは皆さんご存知のことと思います。

カロテン・ビタミンC・ビタミンB1,B2,B6・ビタミンE・レコピン・水溶性食物繊維(ペクチン)・・・

そして、2年ほど前に話題となった13-oxo-ODA(13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸)

話題となった当時には全国でトマトやトマトジュースが売り切れになったそうです。

でも、どんな野菜や果物にしろ『沢山の豊かな栄養素が含まれています』と謳われないものってあるでしょうか?

まぁ、この言葉で飾られない野菜や果物は無いと言っていいほど殺し文句として使われていますね。
ですから、必要以上に特別なものと考えると、たいがいは思わぬ落とし穴に嵌ります。

トマトと言えばレコピンだけど…

さて、トマトと言えばレコピンを想起する方がほとんどですね。
レコピン抗酸化力が非常に強いと言われており、この点は広くコンセンサスを得られています。
このことから、美容や健康面での効用は想像するにやぶさかではありません。

レコピンは分子量 536.87 のカロテノイド(最も有名なのはβ-カロテン)の一種です。
水にはほとんど溶けない脂溶性で、赤色の色素を持っています。

トマトが赤いのはこのレコピンの色素に由来します。
当然、レコピンは着色料としての用途も多いわけです。
トマトの他には柿、スイカ、ニンジン、パパイアなどに多く含まれます。

トマトを生で食べる場合、レコピンは非常に吸収率が悪いと言われます。
これは、水にはほとんど溶けない脂溶性であることからも予測できますし、分子量から見ても吸収されるかされないかの微妙なラインにあると考えられますから、間違いはないことだと考えられます。

農研機構の長尾 昭彦 博士の文献から参考にすると、リコペンやβ-カロテンを効率的に最大限吸収するには、

  • 加熱調理
  • 加熱加工調理は固い細胞壁などの構造を破壊することによって食品マトリックスからのカロテノイドの遊離を促進する

  • 油と同時に摂ることで吸収も高くなる
  • 摂取された油脂はカロテノイドを溶解することによって消化管内でカロテノイドを分散しやすくする
    油脂の摂取は胆汁の分泌を促進することによっても分散を促進する

  • ミキサーで細かくする
  • こちらは、一般的に言われているのみで根拠は不明です。(参考文献には記載はありません)
    加熱処理と同じく固い細胞壁などの構造を破壊することによって成分の分離が促進されると考えられているようですが、僕自身は、ミキサーで分子量を小さくできるのかどうかは素朴な疑問として懐疑しています。

【参考文献】

長尾 昭彦 博士 / 農研機構【独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構】

一時大ブームとなった13-oxo-ODAにレコピンも加わって混沌!

さて、レコピンのお話は一旦横に置いておいて、2年ほど前に話題となった13-oxo-ODA(13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸)の話題を見ておきましょう。

トマトに含まれる13-oxo-ODA(13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸)に脂肪燃焼効果があるというのは、講座の方の参考文献としても名前が出ています京都大学の河田照雄教授が2012年に発表したものです。

ここから【トマト・ダイエット】が脚光を浴びたわけですが、まず一つ目の問題として、この話題に乗じてレコピンがダイエットに効果がある」と謳った商品が何故か未だに溢れていることがあります。

レコピンには脂肪を蓄積する細胞が増えるのを抑制する働きがある」とかレコピンは糖質の吸収を抑える」などという類の言説が実に多く見られます。

レコピン抗酸化作用のコンセンサスを得てこそいますが、ダイエット効果に関してはどこにもその根拠は見当たらないにも拘らずです。

問題は、結論付けるにはデータが少ないとかいう次元ではなく、そのような根拠は全くないにもかかわらず謳われ続けているということです。

トマトに含まれる13-oxo-ODAにダイエット効果があるというのなら話は分かりますが、レコピンにダイエット効果があるというのは美容をダイエットにすり替えた巧妙な作り話としか考えようがないですね。

レコピンはその抗酸化作用によって日焼け予防メラニン生成抑制の効用があることは理論的にも頷けることですが、ダイエット効果という点ではお話にならないと考えるべきでしょう。

さらに、レコピンは脂溶性ですから、体内に蓄積します。
同じカロテノイドの代表格β-カロテンの大量摂取が発がんを誘発する可能性があると言われているのと同様に、闇雲にレコピンばかりを摂り続けることのリスクは想定しなければならないのではないでしょうか?

さて、脂質代謝異常ラットを使った実験で得られた13-oxo-ODAのダイエット効果を人間に換算にすると、トマトなら毎食2個、トマトジュースなら毎食200ミリリットル(独立行政法人科学技術振興機構の計算?)ということですから、これを受け入れたとしても、なかなか現実的には無理の感が否めませんね。

しかも、13-oxo-ODAは不飽和脂肪酸ですから、こちらも過剰に摂取すると逆に肥満に繋がったり、動脈硬化などの健康上の問題を引き起こす可能性は予感しなければならないでしょう。

やはり何でも言えることですが、日常的にも不飽和脂肪酸は油の形で摂取しているわけですから、効用のある栄養素を摂らんがために他の食材で摂取していることを考慮しなかったり、含まれる他の成分が過剰摂取になってしまっていたりしては何をしていることやら分からないことになります。

もちろん、トマトを1日に2個や3個食べたとて全く問題はないでしょう。
僕なんかは子どもの頃は採れたトマトを冷蔵庫に冷やして1個丸かぶりで数回食べることもあったと思います。

野菜全般は食べ過ぎたとてそれほどリスクが伴うとは考えにくいことですが、それでもトマトにこだわりすぎてそればかり1日に6個も食べ続けるということは避けるというのが普通のバランス感覚ではないでしょうかね。

むしろ、講座での一つの結論でもありますが、野菜全般を前菜として摂取することによって無駄な食欲を抑制できるという点でのダイエット効果は大いに利用するべきだと考えます。

その中でトマトの比重を多めにしてみようかというレベルで検討されるのが最も合理的だと言えるのではないでしょうか?

ここいらで少しまとめておくと、レコピンに関しては、

  • その強い抗酸化力日焼け防止メラニン生成抑制に効果があるだろう
  • トマトは加熱処理をして且つ油(健康に良いとされるオリーブ油がベター)と一緒に摂取することが有効
  • 但し、コラーゲンの合成促進や肌改善を目的とする場合は加熱するとビタミンCが少し減少してしまうので、そのまま摂取が最も効率的
  • 糖尿病患者への血糖値を下げる効果が認められた例はあるも、ダイエット効果の有効性を示す例は皆無
  • 闇雲にレコピンばかりを摂り続けることのリスクは想定しなければならない

以上により、美容面での効用は認められると考えられるも、ダイエット面での効用は期待できないと考えるのが妥当であり、誇大な宣伝文句に吊られて、過剰摂取になってしまうことがやはり最も危険でしょう。

13-oxo-ODAに関しては、

  • あくまで脂質代謝異常ラットを使った実験で脂肪燃焼の亢進が認められたという研究結果。
  • 人への肥満防止の効用は期待されるが、それには諸条件の設定や人間換算への合理性が必要
  • 特にトマトジュース中に多く含まれる
  • トマトを加熱調理した方が効率的との記事が散乱していますが、その根拠は不明(レコピン研究結果の流用?)
  • 過剰に摂取すると逆に肥満に繋がったり、動脈硬化などの健康上の問題を引き起こす可能性は予感しなければならないでしょう

以上により、ダイエット面での効用は期待されるも、未知数がまだまだ多い感は拭えません。

僕もトマトは大好きで食べますが、今や昔のように食べ放題ということはあり得ません。

でも、僕たちは日常的に活性酸素による酸化ストレスにみまわれているわけですから、抗酸化作用を持つレコピンやビタミンC、ビタミンEを豊富に含むトマトを食することはとても体にいいことですし、むしろ体が欲しがるといった体の要求に応じて食することが自然な姿ではないでしょうか?

そんな時に、2個食べようが3個食べようが、何の問題も問題もないでしょう。

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当社が家電販売、特に施主支給家電で一世を風靡した時、卸元の担当者が「ニーズがあるから、その署品は存在する」とはよく言ったものです。

なるほど、便のお漏らしを気にせねばならず、片やお薬への依存性が発生しますから、よほど病的なメタボリックでない限りおすすめすることは出来ない肥満治療薬ですが、世の中のご立派なクリニックは平気で、それほどでもない肥満程度の患者にも使っているようです。

ある意味、新型コロナの非常事態宣言で、あまり外出できない今こそ、臆病だった方には、試してみる唯一のチャンスかもしれませんね。

先発薬はさすがにお高いですが、ジェネリックも数種ありますので、自己責任覚悟で入手されるなら参考にされてください。