■第4章:食欲と食事の処方箋

7.まだまだ肥満の正体は本当には分かっていない!

さて、近年、日本人の脂肪の摂取量比率は、やはり増えてきています。

そこで、「脂肪摂取量は肥満に関係しているのか?」という疑問が浮かび上がります。

厚生労働省の調査結果によりますと、日本においては、エネルギー摂取量に占める脂肪エネルギー摂取比率が30%を超える人が、20歳以上女性では約3割、20歳以上男 性では約2割と、女性の方が摂取比率が高いのですね。

脂肪エネルギー摂取比率の過去5年間の推移は、男女ともそれほど差はありません。
また、総じて、脂肪エネルギー摂取比率は、女性の方が男性より高い結果が出ています。

にもかかわらず、次の図を見てください。

脂肪エネルギー摂取比率データ

逆に、男性の肥満比率(BMIでの判定)が驚異的に増加している現象が見られます。

この問題は、すでに性差による相違として述べたところですね。

いずれにしても、【炭水化物:たんぱく質:脂肪=6:2:2】という理想摂取比率から見ると脂肪摂取率がやや高いことも原因の一つとして考えることは理に適っていますね。

ですから、「脂肪は控えめに食べましょう」という意識は持つべきと言えます。

油の種類も大切なポイントなのですが、これはバージョンアップ版に譲ることとします。

次に、「糖質摂取量は肥満に関係しているのか?」という疑問があります。

「糖質摂取量は糖尿病に関係しているか?」という疑問に対しては、学術的にはほぼコンセンサスを得られていると思われますが、それでも正反対の理論「糖質摂取量の減少が糖尿病を招く」という理論もあります。

ネットでは、京都高雄病院の江部康二先生が前者であり、山梨医科大学の佐藤章夫名誉教授が後者の理論として、それぞれの論を活発に発信しておられます。

生物学や医学には門外漢の筆者がどうのこうの言えた立場ではありませんが、糖尿病を考える場合と肥満一般を考える場合とでは考え方を変えなければならないでしょう。

単にダイエットを論じる場合の普通の肥満であれば、ここまで述べたように主食を抜くということはむしろ愚行であり、米は普通に主食として食べるべきでしょう。

ただ、筆者がほとほと感じたのは、あまりにも精製された糖質が多くなり過ぎているところに、食品の大きな問題があるのではないかということです。

ともかく、肥満の増加と顕著な相関性があるのは、ジャンクフードやら清涼飲料水やら加工食品が大量に出回っていることしかないのではないかと考えるわけです。

先ほどの、脂肪摂取比率の男女比較で、むしろ女性の方が脂肪の摂取比率が多いのに、肥満増加率は圧倒的に男性で顕著であるというところで、女性の方が上手く脂肪を使うことができるという点を別として、はたと感じるところがありました。

街のコンビニや自販機の前で、飲料を飲んでいるのはたいてい男性です。
あまり、女性が缶を片手に飲み物を飲んでいる風景にはお目にかかりません。

男性は外に出ても格好を気にすることなく気軽に自販機で飲み物を買う習性があると言ってもよいような気がするのです。

そして、これが、おそらく余分な糖質となって脂肪に変わってしまっているということも大いに可能性として考えられます。

研究対象、調査対象としても面白い結果が出るのではないでしょうか?

実は、筆者は自販機で飲料を買って飲む習慣がいつしかついてしまっていて、それもカフェオレを飲む機会が多かったのですが、メタボを解消しなければと本気で思って、無糖の缶コーヒーに変えました。

すると、いつの間にか見事にメタボが改善されて来ましたから、たったこれだけのことでも相当な効果が出ると考えてるわけです。


本講座は、引き締まった美しい体を作るシェイプアップ(一般的に「ダイエット」と呼ばれているもの)に関する正しい理論と手法を、誰にでも分かりやすく紐解くことを目的としています。

ご存知の方は少ないかもしれないWとB(読まれていく内に正体を現します)にスポットを当て、世にある多くのダイエット手法とは代謝的に全く別の根拠によるアプローチをご紹介しますが、ダイエットの本道は【過剰にならない一定の糖質をジャストインタイムで摂取する】ということ以上でも以下でもないということをバラシておきましょう。

誰にでも理解しやすいようにまとめてはいますが、一方で、医学系・看護系の大学新入生レベルには今後の勉強の基本予習・イメージ作りとしても有益ではないかと思います。