■第3章:栄養代謝(糖質代謝と脂肪代謝)

4.グルカゴンのことを知っておく

インスリンが血糖値に対する上限のリミットスイッチとするなら、グルカゴンは下限のリミットスイッチ!

もう一つ、インスリンとは真逆の作用をするホルモンがあります。
これも名前を聞かれたことがあると思いますが、「グルカゴン」です。
このあとでも、脂肪動員の指令者として登場する頼もしいホルモンです。

こちらは逆に、血糖値が下がると肝細胞に作用して肝グリコーゲンを分解し、血中にグルコースを放出することによって血糖値を上げる作用をします。

血糖値を上げる物質の方はグルカゴンだけではなく、他にも数種類あります。

これは血糖値が下がったままだと大変な事態になるから(脳は非常事態以外の通常時は主に糖質をエネルギーにしています)、多重に防御されていると考えておけばよろしいかと思います。

グルカゴンの作用は、肝グリコーゲンを分解して血糖値を上げると同時に、脂肪細胞に作用して中性脂肪を分解します。(脂肪動員
ダイエットを目指すあなたの望む結果は、グルカゴンによって引き起こされるというわけです。

グルカゴンは、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞から分泌されます。
血糖値が上がりすぎると、ここでもグルカゴンが、今度はβ細胞に働きかけてインスリンを出してくれと頼みます。

インスリンとグルカゴンは、全てを単独で作業を行っているわけではなく、大切なところでは連携プレーをして血糖値を一定に管理しようとしている様が伺えますね。

具体的には、

  1. 肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを分解してグルコースを放出させます。
  2. 筋肉に貯蔵されたグリコーゲンは反応しません。
    (何故なら、こちらは筋肉からの要請があるときにしか使えないように仕組まれており、分解して血中に放出するための酵素が無いからです。)
  3. 同時に、脂肪細胞に貯蔵した中性脂肪を分解して脂肪酸として放出させます。
    (これを脂肪動員と言います。)

ダイエットを目的とするあなたには、頼もしい味方という言い方ができます。
インスリンとは全く逆の作用ですが、血糖値を一定に保とうとする点では同じですね。

少し表現を変えますと、インスリンが血糖値に対する上限のリミットスイッチとするなら、グルカゴンは下限のリミットスイッチということができます。。
上限・下限で挟み込むような形で血糖値を一定の範囲に保とうとしているわけですね。

グルカゴンが働いてどうなるのかは、後述する【第3章|7.脂肪細胞における脂肪分解プロセス】に繋がってきますのでお楽しみに!


本講座は、引き締まった美しい体を作るシェイプアップ(一般的に「ダイエット」と呼ばれているもの)に関する正しい理論と手法を、誰にでも分かりやすく紐解くことを目的としています。

ご存知の方は少ないかもしれないWとB(読まれていく内に正体を現します)にスポットを当て、世にある多くのダイエット手法とは代謝的に全く別の根拠によるアプローチをご紹介しますが、ダイエットの本道は【過剰にならない一定の糖質をジャストインタイムで摂取する】ということ以上でも以下でもないということをバラシておきましょう。

誰にでも理解しやすいようにまとめてはいますが、一方で、医学系・看護系の大学新入生レベルには今後の勉強の基本予習・イメージ作りとしても有益ではないかと思います。