さらば 燃えない脂肪の憂鬱 第2章:エネルギー代謝 | 9

脳のエネルギー消費

脳のエネルギー源に関しては、一般的には「脳はエネルギー源としてぶどう糖(グルコース)しか使えない」という表現が通説となっています。

しかし、様々な資料を拝見して、著者は下記のように考えることが妥当ではないかと判断するにいたっています。

私たちの脳の活動は、炭水化物から摂るグルコースが主たるエネルギー源です。

不足しても、乳酸やアミノ酸や脂肪酸の非糖質成分から糖新生によってグルコースが合成され補給されます。

しかし、さらに不足すると、肝臓で脂肪酸のβ酸化によって変換されるアセチル CoAからできたケトン体がエネルギー源として使われます。

少し感覚的な物言いで申し訳ないのですが、どうも「糖新生」や「ケトン体」という言葉が、「非常事態」というマイナス状況と結びつきすぎて、悪いイメージを与えられているために、通説が訂正されずに現在に至っているという印象は受けます。

ですから、普通のダイエットやシェイプアップを考える上では、平均的な状況を考えておけば十分であるという感覚で臨むことがベストと思います。

すなわち、結論としては、「脳は主にブドウ糖からエネルギーを得ている」を起点として考えても、それは、血糖値を正常に維持しておきさえすれば大丈夫ということです。

ダイエットをする日々の過程では、どうしてもグルコースの過不足は生じるでしょう。
しかし、万が一にグルコースが不足しても、糖新生やケトン体で補充してくれるので、あまり神経質にならないことも必要です。

糖新生やケトン体生成が日常的に私たちの体で行われていることは、京都高雄病院の江部康二先生が一定のエビデンスとともに書かれています。

さて、グルコースをエネルギー源として取り込む仕組みは実に巧妙なもので、ブドウ糖を細胞に取り込む役割を果たしているGLUT(グルコーストランスポーター)と呼ばれる糖輸送担体が脳と筋肉とでは違っているのです。

筋肉では、エネルギー源として脂肪とグルコースを併用しているために、GLUT4はインスリンの分泌で表面に出てきましたが、脳のGLUTはそのような切り替えは必要なく、細胞の表面に常在し、いつでもブドウ糖を取り込めるスタンバイをしているGLUT1なんです。

脳は問答無用でグルコースを取り込むというわけです。
脳にとってのグルコースの重要性は明確です。

ですから、好き好んで「低炭水化物ダイエット」をすることは間違いです。
ピンポイントに提示される言葉の力だけで、行き過ぎの糖質制限になりがちという事情もあります。

そして、ついついご飯を抜いてしまうということに走りがちですから、そうなると、糖尿病にまで進んでいる人(高血糖)でなければ、逆にマイナス効果になってしまうことは目に見えているのです。

即ち、普通にダイエットだけを目的とするあなたには、脳にグルコースが供給されないという心配よりも、低血糖になってしまい正常な血糖値を維持しないことによる弊害の方が怖いですし、極度な糖質不足はやはり筋肉を削ぎ落としていくことが怖いのです。

先ほどご紹介した京都高雄病院の江部康二先生のブログでは、糖質制限食のアプローチを書かれているわけですが、これはあくまで糖尿病患者のためのものであって、普通のダイエットでの奨励ではありません。
この点はくれぐれもご注意ください。

糖尿病などの疾病で、炭水化物を制限されていない限りは、ごはんを主食としてごく普通に摂ることは生きる上での基本だと著者は考えています。

余ったブドウ糖(グルコース)の大部分は、
・グリコーゲンとして肝臓・筋肉に
・中性脂肪となって体内脂肪細胞に
蓄えられます。

この蓄えの量は、
・グリコーゲン・・・約半日~1日分
・脂肪・・・これは体脂肪率と基礎代謝量によって個人差があります。

脂肪貯蔵量は、あなたの体脂肪率と基礎代謝量が分かれば、簡易計算はできます。
脂肪はエネルギー換算をすると、1gあたり9Kcalのエネルギー、すなわち、1Kgあたり9000Kcalと換算することができるからです。(次章の「栄養代謝」で説明)

もし、あなたが体重53.0Kgで体脂肪率が30%だったとします。
そして、あなたの基礎代謝量が1150Kcalだったとしましょう。

あなたが、水を飲むこと以外に何も活動しないで日々を生きるためだけに費やすとすれば、
脂肪貯蔵量
ですから、なんと124日分を賄うことが出来るという計算になります。

もちろん、全てが貯蔵脂肪ではありませんし、他の要因は一切考慮しない単なる簡易計算ですから、それほど大きな貯蔵がされているということを示すためのエンターテイメントに過ぎないことをくれぐれもご認識ください。

ともかく、グリコーゲンの貯蔵タンクと比べると脂肪の貯蔵タンクの実効貯蔵量は桁違いです。

なのに、たった半日やそこらで尽きる糖質を制限すること自体が非合理というか、「どんだけ消費するつもりがないのかよ」ということになります。

あるいは、「自ら進んで糖新生やケトン体生成をして欲しいんだな」ということにもなります。

蓄えているグリコーゲンがなくなると、肝臓でたんぱく質からブドウ糖の生成を試みます。
これが糖新生です。

ところが、極端な食事制限をしていると、たんぱく質も足りないので、糖新生ができない。
そうなると、脳は最後の手段、筋肉のたんぱく質を食らいケトン体生成を始めます。

ここから結論されることは、脳を使ってもダイエットはできないということに見えます。
だって、ターゲットは脂肪なのに、主に糖質だけを使う脳のエネルギーをいくら消費したって、効果はないように見えます。

果たして、そうでしょうか?
脳にどんどん糖質を配分していかねければならないと、当然、他の器官での配分は少なくなります。
そうすると、他の器官で糖質不足を招くことになり、そこで中性脂肪の貯金を使うことに繋がる場合も生じると考えるのが自然でしょう。

あるいは、糖質を過剰に摂取していたとしても、脳がたくさん使ってくれれば、中性脂肪に合成される機会も減ると考えることができます。

確かに、ダイエットとしてだけ考えれば、目に見えるほどの効果を出すかと言えばそれは疑問ですが、決して全く効果が無いことだとは言えません。

すでに肥満してしまった人には、いくらハードな勉強をして頭を使っても効果は少ないかもしれませんが、常に頭を使うことで、これ以上に肥満していく可能性を下げる要因にはなると考えることはできます。

やはり頭を使うことは肥満防止の一つの要因にはなるでしょう。

私たちの秩序正しい代謝のメカニズムは、あるいは生命の創造主は、

体は使うためにあるのだ!

頭も使うためにあるのだ!

そう叫んでいるかのようです。

本講座は、引き締まった美しい体を作るシェイプアップ(一般的に「ダイエット」と呼ばれているもの)に関する正しい理論と手法を、誰にでも分かりやすく紐解くことを目的としています。

ご存知の方は少ないかもしれないWとB(読まれていく内に正体を現します)にスポットを当て、世にある多くのダイエット手法とは代謝的に全く別の根拠によるアプローチをご紹介しますが、ダイエットの本道は【過剰にならない一定の糖質をジャストインタイムで摂取する】ということ以上でも以下でもないということをバラシておきましょう。

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  2. 資料1:肥満指標と基礎代謝 PDF7ページ
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  4. 美姿・美脚になれる!!バレリーナこれだけレシピ PDF76ページ
    後半32ページは1.の第4章と同じ
  5. スペシャル特典:刺繍・和風デザイン スタンプ(透過png画像、及び、LINEで使っても透過する透過gif画像:320×320)| 文字付:44点、文字無し:47点
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理に適ったサプリでも、まず即効的な効果は期待できません。

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当社が家電販売、特に施主支給家電で一世を風靡した時、卸元の担当者が「ニーズがあるから、その署品は存在する」とはよく言ったものです。

なるほど、便のお漏らしを気にせねばならず、片やお薬への依存性が発生しますから、よほど病的なメタボリックでない限りおすすめすることは出来ない肥満治療薬ですが、世の中のご立派なクリニックは平気で、それほどでもない肥満程度の患者にも使っているようです。

ある意味、新型コロナの非常事態宣言で、あまり外出できない今こそ、臆病だった方には、試してみる唯一のチャンスかもしれませんね。

先発薬はさすがにお高いですが、ジェネリックも数種ありますので、自己責任覚悟で入手されるなら参考にされてください。