さらば 燃えない脂肪の憂鬱 第1章:Wの憂鬱と期待の星B | 4

WとBの相違~痩せの大食いはBがいっぱい?

WとBの相違

それでは、まずは、肥満と直接的な繋がりのある白色脂肪細胞についての基本知識を学びながら、これとの相違を通して褐色脂肪細胞の概要を掴んでいきましょう。

① 存在部位

当たり前のことですが、白色脂肪細胞は身体のいたる部位に存在し(身体全細胞数の約1%)、大きくは皮下脂肪内臓脂肪に大別することができます。

女性は皮下脂肪(特に骨盤周り)が多く、男性は内臓脂肪が多いと言われています。

  • 皮下脂肪:下腹部・臀部・大腿・上腕
  • 内臓脂肪:胃・腸・心臓などの臓器の周囲

一方、褐色脂肪細胞は限られた部位にしか存在せず、新生児のときには体重の4%が存在し、成人になると大幅に減少すると言われていますが信頼あるデータは未確認です。

多くのサイトでは、赤ちゃんで100g、成人になると40gと書かれています。(根拠不明)

褐色脂肪細胞の存在する部位としては、主に、肩甲骨の間・首の周り・脇の下・心臓、腎臓の周囲等となります。

実は、筆者は「そんな局所にある細胞が肥満解消と関係するの?」と疑問を感じたのですが、存在部位については、今は意識的に頭に入れておいてくださいとだけ申し上げておきます。

② 存在体様

白色脂肪細胞は身体のいたる部位に存在することは述べましたが、その大きさは通常の細胞の数倍から数十倍というとてつもなく巨大な細胞なんですね。

白色脂肪細胞は成熟すると、70~90μmの球形をしたぶどう状となり、その回りを毛細血管とコラーゲン繊維が取り巻いた体様となっています。
標準的な人の大きさは、このレベルなんですね。
そして、取り巻く毛細血管は、血管の30%を占めることになるそうです。

[ちょっと学校の復習]

私たちの身体組織は毛細血管を通して必要な酸素や栄養の遣り取りをしたり、逆に、不要な二酸化炭素の遣り取りをしています。

脂肪の代謝については、第3章で詳しく学んでいただきますので、今は軽く理解しながら、ここでは、体様と脂肪滴の変化に注目して読み進めてください。

白色脂肪細胞は、摂取された脂質(糖質から変換された脂質も含む)の余剰分を細胞質で中性脂肪(トリグリセリド)に合成し、まずは肥大化していくことで貯蔵をしていきます。

このことから、白色脂肪細胞は、その体積のほとんどを中性脂肪(トリグリセリド)から成る一つの「脂肪滴」が占有してしまっているというような単胞性細胞なんです。

毎日毎日、栄養が余ってくると、脂肪滴の体積を大きくすることで蓄えとして取り込んでいくことになります。
それにつれて、当然細胞は肥大化していきます。

それぞれの細胞のサイズが100μmを超えてくると、最初は隔たっていた細胞同士も密着した状態、いわゆる細胞組織としての様相を呈してきます。(満員電車の状態ですね)

さて、ある程度以上に蓄えが出来ると、あるいは脂肪滴の大きさが規定値に達すると、それ以上に中性脂肪を蓄えず何らかの形で自然に排出されるように設計されていれば今日のようなメタボの問題も生じなかったのですが、神は実に悪戯好きです。

脂肪滴の大きさが限界に達すれば、今度は空いている細胞間空間を利用して、数を増やすことで中性脂肪の蓄えを増やそうとする手段に出てくるわけです。

「肥満」・「太りすぎ」とは、余剰エネルギーが白色脂肪細胞に貯蔵され、肥大化して細胞組織となった状態、あるいはもっと進んで、肥大化だけでは処理できず(120~140μm限界)、増殖による処理に至った状態を示します。

[参考文献]

一方、褐色脂肪細胞は中性脂肪を貯蔵するという役目は持たないため、巨大な「脂肪滴」は存在しません。

単一の脂肪滴が含まれている白色脂肪細胞とは対照的に、小さな脂肪の小胞体が複数散在する多胞性構造となっています。
鉄を含んでおり、それが茶色を呈していることが「褐色脂肪細胞」と呼ばれる所以です。

白色脂肪細胞とのその他の重大な相違は、

  • 筋繊維と同様にミトコンドリアが豊富である
  • しかもミトコンドリアには、褐色脂肪細胞でしか存在しないUCP1が含まれている
  • 白色脂肪組織よりも多くの毛細血管が集まっている
  • 多くの交感神経が集まっている

という点なんですね。

ここまでを一旦、簡単なマンガでまとめておきましょう。

中性脂肪滴のあり方の違い、ミトコンドリアの豊富さの違い、UCP1の存在有無の違いをしっかりイメージしておいてください。

白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の相違

↑クリックで拡大↑

さて、そんな変わり者の褐色脂肪細胞が何をするのでしょうか?

今は、もう一度、次の言葉を繰り返さねばなりません。

褐色脂肪細胞は脂肪を燃やして、直接的に熱を産生する。

褐色脂肪細胞は筋肉を動かすエネルギーを産生するのではなく、直接熱を産生するのです。

ここで、おおよその察しがつかれた方も居られるのではないでしょうか?
褐色脂肪組織の主な目的は体温維持だということが・・・。

※熱を発生するのは褐色脂肪細胞だけということではありませんよ。

熱を発生すること自体は、どの細胞からも発せられますが、体温維持を明確に役目としているのは褐色脂肪細胞ではないかということです。誤解がありませんように。

赤ちゃんの時だけに存在する言われてきたのは、新生児の内は自分で体温調整が出来ないため、褐色脂肪細胞が多いに活動していたためなんでしょうね。

動物で言えば、冬眠哺乳類の冬眠時の体温維持にも褐色脂肪細胞が活躍しています。

普通にエネルギーに変える白色脂肪細胞との相違は、UCP1UCP2かの相違なんですね。

UCP1だと直接熱を産生するということです。

そして、動物での研究ですが、

  1. 肥満している動物では、UCP1の機能が低下している
  2. 過食しても肥満しない動物にはUCP1が多くある
  3. 実験でUCP1の発現を抑えると肥満し、UCP1の発現を促進すると痩せる

という結果が得られているようです。

痩せの大食いとか早食い競争に出るような人は、どうやらUCP1をたくさん持っている。
あるいは褐色脂肪細胞が多く活発に反応する人である可能性が高いと予測されます。

筆者は、先ほども記したように、この時点で大きな疑問を持ったのです。
「そんな局所にある脂肪が燃えても、肥満解消にはならないんじゃない?」

素人がまとめているwebのページでは、ここのところが全く分からないのです。
軽くスルーしていますから論理的に結論と繋がらない!
おそらく、いい加減なダイエット商品やノウハウの宣伝手法がこうなのでしょうね。

が、この疑問を解消してくれる論文はすぐに見つかりました。
この詳しいお話は後でさせていただくことにしますね。

本講座は、引き締まった美しい体を作るシェイプアップ(一般的に「ダイエット」と呼ばれているもの)に関する正しい理論と手法を、誰にでも分かりやすく紐解くことを目的としています。

ご存知の方は少ないかもしれないWとB(読まれていく内に正体を現します)にスポットを当て、世にある多くのダイエット手法とは代謝的に全く別の根拠によるアプローチをご紹介しますが、ダイエットの本道は【過剰にならない一定の糖質をジャストインタイムで摂取する】ということ以上でも以下でもないということをバラシておきましょう。

誰にでも理解しやすいようにまとめてはいますが、一方で、医学系・看護系の大学新入生レベルには今後の勉強の基本予習・イメージ作りとしても有益ではないかと思います。

講座の内容をPCに書籍として保存しておかれませんか?

  • 何度も訪れて順次閲覧していただいている方
  • 一度に長時間にわたってページを順次遷移して読んでいただいている方

まことにありがとうございます。

よろしければ、下記内容をPDF電子書籍の保存版としてPCでご覧になりませんか?

邪な業者と分かりつつ心動かされたときに、思い出して読まれると、冷静な心で判断ができるお役にも立つと思います。

根も葉もないことを面白おかしく書いているわけではなく、理系の心で精査に精査を重ね、スタッフだった女性の実践的な生活習慣の理論検証とエビデンスに基づいて、数か月を要してまとめ上げた書籍ですので、印刷して普段の心がけとしてお手元に置いていただき、初心に帰るきっかけとしての意味でご利用いただければ幸いです。

ほとんどが女性の方とお見受け致しますので、とっておきの特典をお付けしますので、ワンコインでPCに保存されておいては如何でしょうか?

■ご提供内容

  1. 【保存版】代謝とダイエット~さらば燃えない脂肪の憂鬱~ PDF180ページ
  2. 資料1:肥満指標と基礎代謝 PDF7ページ
  3. 資料2:必要エネルギー・摂取エネルギー PDF3ページ
  4. 美姿・美脚になれる!!バレリーナこれだけレシピ PDF76ページ
    後半32ページは1.の第4章と同じ
  5. スペシャル特典:刺繍・和風デザイン スタンプ(透過png画像、及び、LINEで使っても透過する透過gif画像:320×320)| 文字付:44点、文字無し:47点
    さすがに、その元となる用途無限大の大画像はお付けできません m(__)m
もう一つの知られざる世界!

理に適ったサプリでも、まず即効的な効果は期待できません。

しかし、最短で痩せる医薬(抗肥満薬)なら2種あります(世界一の製薬会社が提供するお薬と日本のバイオ・サイエンスに手を出した大企業のお薬でしかも承認薬)。

そして、もう一つ、日本一の製薬会社 武田製薬が承認を得ながらも(世界有数の製薬会社依存ですが…)、製造権の持ち腐れで日の目をみなかった「オブリーン」も、世界ではそのジェネリック薬は販売されています。

当社が家電販売、特に施主支給家電で一世を風靡した時、卸元の担当者が「ニーズがあるから、その署品は存在する」とはよく言ったものです。

なるほど、便のお漏らしを気にせねばならず、片やお薬への依存性が発生しますから、よほど病的なメタボリックでない限りおすすめすることは出来ない肥満治療薬ですが、世の中のご立派なクリニックは平気で、それほどでもない肥満程度の患者にも使っているようです。

ある意味、新型コロナの非常事態宣言で、あまり外出できない今こそ、臆病だった方には、試してみる唯一のチャンスかもしれませんね。

先発薬はさすがにお高いですが、ジェネリックも数種ありますので、自己責任覚悟で入手されるなら参考にされてください。