原発銀座 若狭から~小浜 明通寺 中島哲演 住職と広瀬隆 氏~

2013年8月1日メールをいただきました。

中島住職の講演会などの予定があれば、教えてください。

自民党の政務調査会長は原発事故で死者が、、、といいましたが、僕に言わせれば、殺人罪以上の苦しみです。

古里を永久に失い、家族、隣人、友人が居なくなる。 知らない土地で不本意な暮らしを死ぬまで続けざるを得ない、
こんなことを強いる罪はあるでしょうか。

福島のことはほんとに辛すぎます。辛くて涙も出ません。


-2011年4月20日著-

いのちか原発か~中嶌哲演vs小出裕章~

原発銀座と言われる若狭の小浜に、真言宗の寺院、明通寺(みょうつうじ)という名刹があり、そこに中島哲演という住職が居られます。

小浜の地で、当初から原発に疑問を投げかけ、その誘致に反対して来られた方です。

もう30年近く前になるでしょうか、僕は福井の友人の結婚式にて主賓席に同席させていただいた住職を新郎に紹介されて少しばかりお話させていただいたことがあります。

仏教者として非常に人格の高いお人柄とお見受けしました。

その結婚式よりも以前に、僕は彼に大飯原発を遠巻きに見学させてもらい、その際に住職のお話も伺い、明通寺にも連れて行ってもらったのですが、あいにく住職は不在にされていたように記憶しています。

作家の故小田 実氏も感服したと記されている小浜の原発誘致反対運動には、この中島 哲演氏の優れた人間性による方向付けがあったことが想像されます。

新郎である僕の友人というのは、最初に就職した会社の同期だった間柄です。
彼は大学院電気工学科を出ていましたから、僕よりは年上だったわけですが、その静かで優しい雰囲気と華奢な体つきに似合わず、多勢の中でも堂々と自分の意見を主張する逞しさや苦手なことでも一生懸命取り組む姿が印象的な人物です。

彼は、まもなく故郷での教師の道を選ぶことになりますが、彼と僕の蜜月を最初は冷ややかに見つめていたという体育会系の同期が、ひょんなことから、僕たちと親交を温めることとなり、やがては彼の影響を強く受け、働きながら教職を目指すという道を彼は選択することになり、これを実現させてしまうことになります。

僕がその挙式以前に小浜に赴任していた時代の彼を訪ねた際、彼は自らの運転で僕に大飯原発を遠巻きに見学させてくれ、また、聞き慣れない「交通遮断機」なる恐ろしいものをも見せてくれ、その際に中島哲演住職のお話も聞かせてくれていたのです。

■広瀬隆・中島哲演 緊急報告会

少し昔の報告ですが、その中島哲演住職と作家の広瀬隆氏(今回の福島原発の問題でもテレビに出演されていたようです)の緊急報告が、今回の東日本大地震を機にyoutubeにアップされたようですので、是非、視聴していただければと願います。

今回のような大事故が起こらない限り、推進者側は様々な逃げ口上で、自らの利権を守り続ける種族であることが鮮明に浮かび上がってくるのではないでしょうか?
破滅に至らないと肝に銘じられないほど他人事で済ませる人々が確実に居るということです。

この緊急報告会は、チェルノブイリの翌々年ですから1988年。
今から23年前の5月29日武蔵野市民文化会館で行われた報告会の模様です。
ビデオは1/8~8/8に分割されていますが、4/8前半までは広瀬隆氏、
後半からは中島哲演住職となっています。

1/8以下は、youtubeで閲覧ください。(全1時間58分20秒)→ 2/8 3/8 4/8 5/8 6/8 7/8 8/8

中島哲演住職は決して意見や主張を押し付けることをされません。
住職の著作を読まれればお分かりいただけると思いますが、非常に中立な立場から、どなたにも自分の頭で考え判断してほしいと訴えられます。
今で言う、サンデル流といったところでしょうか?

小浜市は周囲に原発が林立する中、若狭において唯一、原発施設を作らせなかった街です。
その事実の裏には、やはり、中島哲演住職の存在が厳然とあったからだと想像されます。
「推進派の意見も聞きましょう」
そんな中島哲演住職の姿勢の中に、真の民主主義への答えがあると思われてなりません。

その僕の友人を思うとき、僕はいつも「哀しいほど優しい人」という形容詞つきで思い出すのです。
離れているが故に、久しく会ってはいませんが、僕の中では最も存在感のある友人。
然るべくして、彼の結婚式の主賓も中島哲演住職であったことが頷けるのです。

僕も、今年中に一段落しそうですから、その後、二十数年ぶりに友人を訪ね、また、脳梗塞で倒れられた住職をお見舞いに行きたいなどと考えています。


さて、上の「緊急報告会」は少々古いので、今回の福島原発事故に関しての広瀬さんの
福島原発現地報告とインタビューをもご紹介しておきましょう。

■広瀬隆/広河隆一「福島原発現地報告と『原発震災』の真実」

■予言されていた"原発震災"/広瀬隆氏インタビュー

上の緊急報告会と比べると、広瀬隆さんもお歳を取られましたが、今回の福島原発の事故
の背景や状況がよく分かると思います。

広瀬隆氏を「トンデモ」と言っていた人たちも居るわけですが、現実にこの日本においても、
原発は昔から重大な事故を起こしていたこと
を思い起こしていただきたいと思うわけです。
それを、他人事と放置していたのは、他ならぬ僕たちの怠慢だったのではないでしょうか?

良心のある人であれば、闘う技術者であれば、心底から危惧していたはずのことなんです。
そんな思いが確かにあった筈なのに、権力者や利権関係者たちの都合によって闇にかき消され、あげくは、彼らに「トンデモ」だとか「変人」だの「目立ちたがり」だのの汚名を浴びせることで、僕たちの原発への楽観と無関心が完成させられてしまったと思えます。


知りたくないけれど、知っておかねばならない 原発の真実

何も勉強もせず何の哲学も持たないタレントが「原子力。必要だと思います・・」と言えば、真摯に勉強して危惧する人の言よりも、そちらを信じてしまう僕たちのあり様こそが、多くの問題を難しくしてきたと思うのです。

いくら真摯に変革を叫び、危険性に警鐘を鳴らしても、おバカなタレントの方が票を集めてしまう選挙と同じ構造があります。

今となっては真摯に耳を傾けておくべくだった反対の理由を、己が頭で検証もせずに、国策だからというだけの理由で、ただ単に一笑に付す姿勢こそに、今回のように相当なる大災害にまで至らない限り、伏流する危機には歯止めをかけられない人間社会の愚かさの元凶があります。

それでも、地域の経済に深刻な影響を与えるから、安全性さえ確保すれば推進すべきだという論もあるわけですが、電力を生産してはどんどんと地中深くに埋め込むであろう核廃棄物が、次の破局の引き金になる可能性には目をそむけ、未来の人々に不安と恐怖という負の遺産を残してしまうことに対して、何の感受性も持たないということに他なりません。

そんな地域の経済にしたことや原発に従事する就労者の問題も含めて、国策として進めてきた国の責任で解決していくべきことではないかと思います。

原発がなくなっても地域が活性化する施策を国と地方自治体とで責任を持って推進するならば、地域住民の誰が原発を残したいと願うでしょうか?

さて、もちろん、原発の全てを知り尽くしているのは現場の管理者と技術者なんですね。
正確に言えば、原発の稼動を統括する司令塔ともいえるスーパーバイザーとプラントを設計した統括技術者と要部統括設計者たちなんだと言えるでしょう。

科学理論を研究する科学者ではなく、実際の設計コンセプトと実稼動を知り尽くした技術者たちにしか、本当の姿は理解できないものです。
これは、原発に限らず全ての分野における技術の現場に言えることなんですね。

どのような現場でも途方もなく泥臭く、きれい事だけでは済ませられない工夫の世界が存します。

経済性の要求から心ならずも許容ギリギリの取り繕いを行っている場合もあるでしょう。
広瀬隆氏といえども、当然、学習による科学的な理論と取材による現場の概要を知っているだけに過ぎないことは間違いありません。

広瀬さんのように理系素養の上に相当勉強したとしても、政府や東電・原子力安全委員会などの何も分からぬトップの文民よりは、はるかにましだとしても、それでも本当の現場の姿は知らないわけです。

文系・理系の論議もあるようですが、理系でも原発に携わっていない分野であれば、素養はあっても、素人も同然だということを忘れてはいけないと思うわけです。

問題は、そんなところではなく、問題を解決するためには、どういうスタッフが必要かということが、原子力事故といった重大な局面において特別に準備されていなかった呑気さ、いや、まさか起こらないだろうという楽観的見通しの下に、知ってて知らぬふりで通せると踏んだ怠慢ではないかと思うわけです。

もし本気で、「まさか起こらない」と思っていたとするのなら、それは怠慢以前の無知としか言いようがありません。

原発事故という重大な局面ですから、何らかの決定には専門的知識が必要不可欠ですけれど、旧態依然、ド素人の文民ばかりを並べて、現場を知らない識者のアドバイスで会議するというのも、何ともいえぬ滑稽な風景に映ります。

東電だの原子力委員会だの文民のトップから話を聞いて広報するだけの、これまた何も分からない文民だけの政府では、まぁ言えば、「伝言ゲーム」をしているだけの反って邪魔者のように見えてしまうのも当然と言えば当然でしょうね。

ですから、国会でも初動が悪いだのなんだの政府を突付くだけのお気楽な論議ばかりしかできず、挙党一致体制での具体的・積極的な提案は誰もしない。

「これでいこう!」「これでいけないのか?」と現場と直結した対話・決断をできる指令系統を作って権限委譲しなければ、彼らだけでは何も解決できないというのに、それすら誰も提案しない・・・。

問題はそういうところにあると思うのです。


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