京都 嵐山 松籟庵 大河内山荘

桜花満開の中であなたが逝ってから、もうすぐ2ヶ月が経ちますね。
もう、紫陽花の季節になりました。

よろしければ、ページ中段の「嵯峨野さやさや」(Youtube)を聞きながらお楽しみください。


我が家裏庭の紫陽花

裏庭の紫陽花が満開です。
昔、お友達にたくさん差し上げていましたね。

昔は、もっと鮮やかな青から、ほとんど時間差無く一斉に色を変えていったように思うのですが、いつかしら、こんな風に、最初から薄くまばらな色で咲いている印象があります。
(僕は、本当に無頓着でしたから記憶もいい加減ですね・・。)

「花を味わうぐらいの心の余裕を持ちなさい」
あなたは、ときどき、無頓着な僕に愛想を尽かしてそう言っていましたね。
納期に追われまくる生活というのも、今から見れば、確かにあまり感心したものではありませんね。

京都に限らず、あなたをもっともっといろんなところに連れて行ってあげたかったけれど、ここ10年はほとんど連れていってあげられませんでしたね。
ただ、嫁さんや子どもも同じように、ほとんどどこにも連れて行ってやることが出来なかったことは、あなたも知っていますよね。

それで、先日、嫁さんを慰労する意味も込めて、夫婦で京都に行ってきましたよ。
やきもちは焼かないでくださいね。
最初は、貴船街道を散策して川床料理と思っていたのですが、前々日から雨続き。
当日も朝からどんよりの天気でしたので、急遽、嵐山に予定を変更して行って来ました。

どこに行くというあてもなく、気の向くままゆったりと過ごそうという気持ちでしたから、中途半端に肌寒い中で中途半端な川床料理を楽しむより、味には敏感な我が家ですから、本当に美味しいものをと思ったこともあります。

それに、学生時代に5年も京都にいながら嵐電には乗ったことがなかったので、どうしても乗ってみたいと思ったこともあり、急遽、嵐山に予定を変更したんです。

総じて、若い頃のデート以外では、洛西にはあまり行く機会がなかったですしね・・・。
あなたとあなたの姉妹を京都に案内したのは、保津川下りと紅葉も終焉時の高雄、晩秋の大原などへ5回ぐらいでしたかね?
それに、滋賀の琵琶湖や近江八幡にも連れて行きましたね。

もっと少ないのかと思っていたら、意外に思い出されてきましたよ。
京都・滋賀以外でも、チョコチョコ連れて行っていたことを思い出し、少しはホッとしています。
でも、独身時代から、子どもたちがチビさんの頃まででしたね。

中でも、保津川下りはすごく印象に残っていますね。
あのときは、トロッコ電車で嵐山から亀岡まで行き、帰りに保津川下りで嵐山に帰ってきましたね。
下船してから一服した茶店、まだ健在でしたよ!
赤い毛氈に赤い傘、懐かしかったです。

嵐電は、生活の匂いのする市街地真っ只中を走る中で、一種の郷愁を呼び覚ましてくれましたよ。
市電か市バス、どちらにも乗れた学生時代が懐かしまれました。
なんと、始発駅四条大宮では、駅ホームの片側に停留している電車内で、太秦の野菜を直販!
午後2時だったっけ3時だったっけまでは、この電車内で販売しているとのことでした。

京都 嵐山 松籟庵

嵐電経由で行ったため、嵐山に付いたのはお昼近く。
さて、保津川下りの下船場を横目に見ながら、昔一服した茶店を越えて、お目当ての料理屋さんに向かいます。

嫁さんが選んだのはここでした。
さすが、こいつは美味しい匂いを嗅ぎつけよるわいな!

本当は誰にも言いたくないのですが、このページを読んでいるあなたにだけ絶賛レビューをしておきましょう。

このお店は、お値段もリーズナブルで、風情があって、何よりも味が美味いです。
その名は【松籟庵】
まぁ、有名なので隠しても仕方がないのですが・・・。

このお店は、あなたも連れてきてあげたかったですね。
そら豆をかえるに見立ててパクッと食べる遊び心も、あなたはきっと気に入ったでしょうね。

でも、80歳近くになったときのあなたなら、入り口の麓まで人力車に乗ってきたとしても、
お店に辿り着くまでは、おんぶしてあげないといけなかったかもしれませんね。
その分、嵐山の喧騒から離れた風情が、きっとあなたも「たまらない」と言ったと思いますよ。

僕は、人がたむろするところには昔から絶対に行かない性分でしたよね。
ちょっと危なげだったのであなたは誘いませんでしたが、家族で行った京都辺境の地の民宿は、今でも家族の語り草となっています。

一生の記念に残る旅なんてものは、人・人・人でいっぱいのような旅行には決してありませんよ。

京都 嵐山 大河内山荘

さて、美味しいお豆腐料理で満腹になった後、
さて、どこへ行くかな?

来た道を戻って、道しるべを見ながら、あなたも若い頃お友達に連れて行ってもらって感激していた大河内山荘にしましたよ。

ここは、実にありきたりになってしまいましたね。

僕も、デートで数回(違う人ですよ)嵯峨野を散策するばかりで、大河内山荘には入ったことがなかったんです。
入園料も要りますし・・・。(現在は、1000円でした。抹茶が付いています。)

僕が幼い頃は、大河内傳次郎のものまね「姓は丹下、名は左膳」を結構耳にしたものですが、このごろはお目にかかりませんね。

僕も、この方は名前しか知らないのですが、本コーナートップページでご紹介している高峰秀子さんなどもそうであるように、園内の解説を読むにつけ、昔の俳優は骨があったのだなぁと感じ入りましたよ。

俳優に限りませんが、現代では本当に仕事に対するポリシー・ミッションが希薄になっていますね。

東は比叡、西は保津峡を借景にした回遊式庭園はやはり素晴らしかったですね。
こういう環境で、心を空にして悟りを開かんとされた情景が思い浮かびます。

京都 嵯峨野 落柿舎

さて、大河内山荘を後にして、次は、嫁さんが行きたがっていた落柿舎を訪れることとしました。

僕は、別に去来というか俳句自体には興味がなかったので、どうでもよかったのですが、タンポポの「嵯峨野さやさや」の歌詞に出てくる名所でもあり、向学のために見ておくかと足を運んだのでした。

雨の落柿舎 田んぼ道
藪の茶店で 書く手紙
きのう別れた あの人に

いつ聞いても切ない歌詞ですね。
男の僕でも泣けそうです・・。
かつて、切ないデートをした嵯峨野でもありますからね・・。

でもね、僕の嫁さんは必ずこう言うでしょうね。
「ウジウジと未練がましくするんじゃねぇ」と・・・。

僕は、タンポポの姉妹とほぼ同年代で、初めてラジオで聞いたときの衝撃が思い起こされます。
以来、すっかりこのデュオ曲の美しさの虜になり、よく口ずさんでいました。
それを聞いて、あなたも、とても気に入って真似をして口ずさんでいましたよね。

随分後から愛染蔵のCMソングとして有名になってしまいましたけれどね・・。

落柿舎を後にし、嫁さんの最後のお目当てである「京湯葉」「京生麩」のショッピングのために、
たまたまタイミングよく来た市バスで錦市場に向かいました。
京都市バスに搭乗したのは何年ぶりでしょうか?
そして、久々に京都の繁華街を歩いたわけです。

僕たちが学生の頃と比べると、本当に呼び込みやキャッチが多くなっている気がしましたね。
パリのセーヌ川左岸のサンジェルマン・デ・プレも、かつての文化・芸術・思想の解放区から、今や右岸と同様に消費の王国が築かれているという翌日の朝日新聞の記事とクロスオーバーしましたね。

ところで、あなたは、和食が好きな割りに、湯葉と生麩はあまり好きではありませんでしたね。
しかし、本物はやっぱり、そのあたりのスーパーで買うのとは訳が違いましたよ。
お昼に食べた松籟庵さんで出た生麩も、ホントお餅ではないのかと思うほどの食感でしたよ!

京生麩は「麩まんじゅう」が人気の麩嘉さん、京湯葉は千丸屋さんで購入しました。
このお店のではないですけれど、「麩まんじゅう」は、あなたも一度食べたことがありますね。
この二つのお店は目と鼻の先にあります。(四条上ル堺町通り)
そして、どちらのお店もモールには出店されていませんね。

麩嘉さんの説明書には、こう書いてありました。
「味を一言で表現するには難しいですが、自らを強調する味ではありませんので・・・」
この言葉、ふと、そのまま政治家連中に暗誦させたい思いがよぎりましたね。
昔の寺子屋みたいにね・・・。

京都 嵯峨野 竹林

他と調和・融合して、よい味を出そうと努力しないところには何も生まれないことを知りながら、
同じ繰り返しを延々と続けられるご身分の美味は手放せないのでしょうね。
何故、そんなに自分ばかりを強調したいのかが不思議でなりませんが、彼らにはそれが生きがい
なんでしょうし、逆に言えば、それしか能が無いんでしょうね。

久しぶりの京都。
そんな中、意外にあなたに繋がる風景が多かったことには、少し驚いています。

-2011年6月5日-

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