紫外線吸収剤と紫外線散乱剤

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤

お客様より、「ベルマンのパーフェクトUVがアンチエイジングに良いと噂に聞いたので試してみたいのですが、紫外線吸収剤フリーとあるので紫外線吸収剤を含んだものより日焼け止めの効果が劣るのではないかと心配です」というご質問をいただきました。

先ず、最初に申し上げておかねばならないのは、紫外線カットには二つの方式があり、紫外線を吸収するだけが紫外線対策ではないということです。

もう一つ、日焼け止め効果が高いということはお肌にとって刺激がより強いという関係があることも知っておいて頂きたいことの一つです。

だからと言って、お肌へのやさしさを第一義に求めるベルマンのパーフェクトUVに効果が無いというわけではありません。

それどころか、現実にパーフェクトUVをご使用されたお客様では、「富士山登山の際にすごく効果があった」あるいは、「ハワイでの海水浴の際での日焼け防止にとても効果があった」など高く評価していただく多くの声をベルマン社ではいただいております。

さて、紫外線は皮膚や眼に様々な障害を引き起こし、最悪では皮膚ガンの原因となる場合すらありますし、皮膚の老化においては、自然老化に加え、この紫外線のダメージによる光老化が「泣きっ面にハチ」どころではない大きなウェイトを占めます。

その紫外線からお肌を守る方法として、スキンケアでは大別すると2つの方法があります。

  1. 生体物質以外の物質に紫外線を吸収させてしまう方式
  2. 生体物質以外の物質に入って来ようとする紫外線を入れさせないようにする方式

前者1は、所謂『紫外線吸収剤』と言われる物質に「紫外線を食べさせる」という表現が分かりやすいでしょうか。

後者2は、所謂『紫外線散乱剤』と言われる物質に「入って来ようとする紫外線を撥ねつける」という表現になります。

世の中のUVカット化粧品は、上記の何れかの方式を採っているわけですが、ベルマン社の場合は一貫して後者の『紫外線散乱剤』を採用しています。

その理由は、前者は他の物質に光を食べさせるとはいえ、それがまさに皮膚上で行われるというところにあります。

そのことの何が問題なのでしょうか?

ご存知のように光はエネルギーを持っています。
(紫外線は可視光線よりは随分と強いエネルギーを持っています。)

即ち、吸収剤が紫外線を吸収するということはエネルギーそのものを取り込むということに他なりません。

ということは、
「紫外線から取り込んだエネルギーはどこへ行くのか?」という行方が問題になります。
【エネルギー保存の法則】に逆らえるものは居ませんからね。

ここで、紫外線と紫外線吸収剤との出会った時の様子を少し結果物理風に表現しておきますと、【吸収された紫外線のエネルギーは、吸収した物質、即ち『紫外線吸収剤』の分子を基底状態から励起する】という表現になります。

簡単に言うと、貰ったエネルギーを自分の中に取り込んで、自分自身をより高いエネルギーを持った状態にするということなんですが、【基底状態から励起状態に遷移することによって紫外線エネルギーを取り込む】といった方が『吸収剤』の名に相応しく正しいかもしれません。

ここで全てが終わればいいのですが、紫外線のエネルギーを取り込んだ『吸収剤』は、不安定な励起状態から安定な基底状態に戻ろうとします。

これを【失活】と呼ぶのですが、結果的に、紫外線のエネルギーを貰った形で励起した(エネルギーが高くなった)分子は、高くなった分をそのまま全て熱エネルギーとして放出して自らは基底状態に戻っちゃえば単純な話で済むわけですが、そうはいかないんですね!

『紫外線吸収剤』は化学反応を起こしたり(物質が変質します)、蛍光やりん光を放出したりしてエネルギーを使いながら基底状態に戻ります。

この吸収剤自体の化学変化が皮膚自体に悪影響を及ぼす可能性を誘引するのです。

また、失活の過程で肌の老化の大きな要因となる活性酸素を発生するということも確かめられています。

要するに、『紫外線吸収剤』方式の場合は、エネルギーの遣り取りの顛末として皮膚上で行われる化学反応が皮膚ダメージを誘引する危険性が、現実にも非常に大きいというわけなんですね。

一方、『紫外線散乱剤』は紫外線を食べるのではなく、反射・散乱させるわけですから、エネルギーを取り込むことはありません。
鏡の反射のようなものと考えていただければ分かりやすいですね。

ですから、こちらは純粋に物理的な防御に留まり、化学反応とは無縁のため、お肌自体を攪乱するという可能性は極めて低くなります。

以上のような理由により、ベルマン社は従来より『紫外線散乱剤』方式に固執してきたわけですが、こちらの方式でも多くの困難が伴います。(技術とはそういうものなんです。)

『紫外線散乱剤』としては酸化チタンや酸化亜鉛が使用されることが一般的であり、ベルマンもこれらを使用していますが、活性酸素が発生する弱点は、『紫外線吸収剤』と同じく持っています。

ですから、これを防ぐ手立てが必要になります。
誰でも考えられることでは「抗酸化成分」の投入ということになりますが、それ以上の話は研究者レベルの課題のお話になり、まさに、ここに企業の研究成果やノウハウが詰め込まれています。

例えば、酸化チタンといっても結晶構造の違いで種類が分かれますから、
(僕はこういう所でどうしても化学が好きになれないのですが…)

  • どの結晶構造のものを
  • 粒子をどのぐらいの微細さにして
  • 全体としてどんな成分割合で使うのか?
  • カプセル構造でコーティングをするのか?

などのポイントから機能を上げ弱点は補強する課題を克服していかなければなりません。

その中で、『ナノ化』というものがあります。

おそらく誰もが『ナノ化』と名前が付けばよい物のように思われているのではないでしょうか?

懐疑精神が旺盛な僕なんかは、他ならぬベルマン化粧品を扱っていることもありますけれど、「何でもかんでもナノ化してるんじゃないよ!」て思ってしまうから世の流れに残されてしまうんですが…。

酸化チタンにしても、『ナノ化』するということは、表面積を飛躍的に増やすことですから、散乱効果も非常に活性化するでしょう。

しかし、一方で、それはお肌の深くに浸透してしまう可能性が大きくなるという意味をも同時に持ってきます。

それが生体に良い物質であれば何ら問題はないでしょうが、好ましくないものであれば大いに問題ですよね。
(どちらにしても異物ですが)

実は酸化チタンにしても酸化亜鉛にしても、『ナノ化』したものには非常に危険性があることが近年報告されています。

ですから、好ましくない成分は、機能上必要であるからといって、あまりナノ化すると極めて危険だということだけでも頭に入れておかれることだけはお勧めしておきたいと思います。

いずれにしましても、『紫外線散乱剤』タイプにも問題・課題はありますけれども、『紫外線吸収剤』に付随する化学反応によってさらされる危険性に比べては、肌に対するリスクははるかにマシであるというのが現在のポジションになると思います。

但し、散乱剤をナノ化してカプセル化やコーティングもせずにそのまま成分としているような場合は極めて例外としなければならないことは言うまでもありません。

・・・続く・・・

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